ISSUE ソーシャルグッド

3 years ago - 2013.08.03

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NPOの社会課題解決の促進を!グーグルのツール活用を学ぶ「Google Seminar for Nonprofits」 [イベントレポート]

Google Seminar for Nonprofits2

日本には、約5万団体のNPO法人があり、100万人以上が働いています。(参考:内閣府)しかしながら、社会に良い活動を一生懸命していても、情報発信がネックとなって、寄付の獲得やボランティア募集、活動の認知など活動自体に大きく関わる部分で様々な問題を抱えているのです。

6月末、Googleが開催したNPO団体向けのセミナー「Google Seminar for Nonprofits 2013」では、そのような状況を解消するためのヒントが紹介されました。

有志グループが展開するNPO向けのGoogle活用ワークショップ

これは、Googleのボランティアグループによる、Googleプロダクトの利活用のコツなどを伝授するセミナーです。2012年7月に引き続き2回目となる今回は、50名以上のNPOスタッフが参加しました。

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セミナーでは、①Google Grants、②Google Apps、③Google Analytics、④YouTubeGoogle+の4つのセッションを実施。各自で取りたいセッションを2つ受けるができ、セッション後には全体での振り返りや Google 社員への個別相談タイムも開催されました。

Googleのツールを活用している「ICYE Japan」

セッション前のイントロダクションでは、すでにツールの活用している、世界40ヵ国で国際ボランティア事業を行うNPO法人「ICYE Japan」さんから、活用事例のプレゼンがありました。

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同団体では、独自ドメインでGmailやカレンダー、ドライブ 、ハングアウト、サイトなどを使える「Google Apps」を利用しています。事業への参加者が伸びなかった時期に、ボランティアやプロボノの方々で、メールやサイトをAppsへと移管したそうです。

プレゼンでは、特に「Google Site」の活用について紹介。サイトの概要や更新履歴の管理、ページのメンテナンスには、共有権限を与え、複数人で編集できるように設定しているそう。実演もあり、簡単に編集、保存が可能となっています。

icye-japan
http://www.icye-japan.com/

また、本サイトとは別にプロトタイプ用の試作サイトを作成しているそう。これは、大規模更新や事前のイメージ共有、スタッフ・インターンの練習用に活用しているとの団体ならではの活用法が紹介されました。

プロトタイプで練習し、「習うより慣れろの精神」で運用を心掛けている同団体。「Google apps」を活用することで、団体の情報発信、コミュニケーションの活性化、業務効率化ができ、活動参加がより身近になることが実現されていると語り、プレゼンを締めくくりました。

「Google for Nonprofit」で行われた4つのセッション

Google Seminar for Nonprofits

前述の通り、今回のセミナーでは、4つのセッションが実施されました。私が参加したのが、「Analytics」と「Google+&Youtube」のセッションでしたので、その内容を少しお伝えしたいと思います。

・Google Analyticsのセッション

ウェブサイトを持っていれば、「Google Analytics」を利用したことのある方も多いかもしれません。ウェブサイトの訪問者数やページビューなどを分析するサービスです。

まず紹介されたのは、施策の改善ポイント。トラフィック(どこ)、ユーザー(だれ)、コンテンツ(なに)、コンバージョン(どう)を定点的に見ていく必要があるとのことでした。

そして、分析に用いるための基本的な指標は、ページビュー(PV)、訪問数、ユーザー数、滞在時間などがあります。たとえば、訪問(セッション)は、サイトに訪れてから出るまでのユーザー行動のこと。それに関連して、30分間活動がなければ、セッションは終了したものとみなすことや、サイトの直帰率が高いと、コンテンツやサイトのデザインを改善も検討すべきということなど、基本的な解説から始まりました。

またAnalyticsに関連し、活用できるツールとして、検索ワードの確認できる「Keyword Tool」、検索トレンドの確認ができる「Google Trends」が紹介されました。

これらをうまく用いながら、トレンドに合わせて、コンテンツをつくり、ターゲットに訴求をしていく。様々なツールを駆使して、より活動の認知を広げていきましょう。

trends
Google Trendsでは急上昇ワードもチェックできます

セッション内では、コンバージョン前のクリックだけでなく、コンバージョンに貢献した全チャネルの評価を見ていくことも大事になってきているという昨今の現状についても語り、チャネルがどのように連動して販売やコンバージョンが生まれているのかを把握できる「マルチチャネルレポート」などの紹介もありました。

セッションの最後に挙げられたのは、レポートの活用です。レポートのエクスポートとメール送信の機能を活用することで、Analyticsを直接見にいかなくても、メールで届くので効率的に数字をチェックできるようになります。

・Google+とYouTubeのセッション

Google+とYouTubeのセッションでは、まずメキシコ湾の原油流出の際に世界中で閲覧された「Yours Truly, BP」という動画が紹介されました。これは10万回以上再生され、世界に問題が知れ渡るきっかけとなった動画です。

では、YouTubeをどのように活用して、世の中に活動を伝えていけばよいのでしょうか?

まずは団体のYouTubeチャンネル作成を

YouTubeでは、映像の力で、団体の取り組む問題の訴求やメッセージを伝えることができます。翻訳サービスとも連携しているため、言語を越えて世界中に発信でき、ソーシャルメディア上でも簡単にシェアできるので、世界中に情報が広がる可能性を秘めています。

幅広い年齢層とモバイル利用の多さにも定評があり、海外では多くのNPO団体が団体のチャンネルを持っている一方で、日本ではまだその数は少ないとのこと。まずはアカウントを作ってほしい、とのメッセージが何度か投げられました。

様々な機能の実演もありました。特に翻訳に関しては、字幕を押して、ワンクリックでベンダーや知人に頼むことができ、簡単に他の言語でも発信することが可能ですので、海外で活動するNPOでは活用が期待されます。

また、「YouTube Capture」というアプリも紹介されました。このアプリを使うと、なんとたった3クリックで、動画をアップロードすることが可能になります。こちらも実演がありましたが、操作や機能がシンプルなため、誰でも簡単にYouTubeを活用することができそうです。

capture

Google+には、すでに日本の事例も

次に、Google+の活用方法の紹介です。情報発信の活用事例としては、「復興ハングアウト」という事例が紹介されました。これは、東北の人たちがハングアウトで状況を共有し、被災地の復興していく過程を伝えていくというものです。

機能に関しては、実にたくさんあります。例えば、撮った写真をすぐに共有できたり、録画した動画をすぐに一般公開することも可能な上、イベント機能など、実に多種多様な機能があり、多くの用途で活用が期待されます。

今回のセミナーのイベントページもGoogle+で作成されていました。加えて、参加者は、セミナー開催前からオンラインの「Google for Nonprofits JP」というGoogle+コミュニティ内で、事前に情報共有したり、セミナー中には写真が投稿したりと交流することができました。

Google+は、まだ利用していないNPO団体も多いと思いますので、ぜひ利用を検討してみるのはいかがでしょうか?

fukkouhangout

セッションの最後には、「Facebook、Twitter、YouTubeのアカウントを持ち、活動を発信し、バズをつくり、認知を広めていってほしい」というメッセージが送られました。

以上が、「Google Analytics」と「Google+とYouTube」のセッションの振り返りと共有となります。今回のセミナー終了後には、参加者の学びを共有する「振り返りセッション」を実施。

Googleのツールを活用し、国内NPOでも成功事例を

参加者の方々の感想には、「ツールの具体的なイメージが湧いた」「イベントのUstream中継は大変なので、YouTubeのアカウントを活用したい」「Google+で写真を管理できる点がいい」など、いくつもポジティブな感想が共有されました。

Google社員の方からは、「まずは、データを取り始めてみること。そして、テストをしてみること。仮説を持ち、その後のアクションを決めておくこと」というメッセージが伝えられました。

今回のセミナーの軸にある「Google for Nonprofit」は、海外では活発に活用されています。事例ページをのぞくと、国連機関のユニセフやマイクロファイナンスで有名なKivaなどが紹介され、それぞれの団体のゴールに大きく寄与していることを知ることできます。

今回のようなセミナーが増え、様々な団体がツールを使いこなすことで、日本のNPOでも成功事例が出てくる未来が待ち遠しいです。8月5日(月)19時からは、ハングアウトオンエア形式でのGoogleプロダクト活用オンライン講座を開催予定とのこと。関心ある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

(Text:佐藤慶一

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佐藤慶一

佐藤慶一

1990年生まれ、佐渡出身。 NPOメディア「テントセンMagazine」や途上国メディア「トジョウエンジン」の編集など、NPOの情報発信に関して色々と取り組んでいます。

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テントセンはNPOのソーシャルメディア活用を支援するプロボノユニットです!TwitterやFacebookを始めとするソーシャルメディア/SNSの登場により、団体の活動を自分たちの言葉で紹介することで、支援者や応援者と「想い」で繋がることができるようになりました。私たちテントセンは、ソーシャルメディアの活用支援によってNPO・NGOの「情報発信」をサポートします。ご相談は当団体HPからお気軽にお問い合わせください

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