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食べ残しのマカロニがボタンに!食料と服の廃棄問題を問いかけるファッションブランド「Bio-Trimmings」

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「もったいない」という言葉が世界中に広まったように、ものを大切にするという精神は万国共通で持っているのではないでしょうか。

とはいっても廃棄物は増え続けるばかり…食べ物も同様で、世界で生産されている食料の約3分の1が廃棄されていると言われています(FAO, 2011)。そんな食料廃棄問題に、ちょっと変わったアプローチで取り組んでいるのが、ロンドンのファッションデザイナーHoyan IPさんです。

2種類の廃棄を同時に解決!

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Hoyan IPさんが手がける洋服にはどんな秘密が?

トレンドがただ消費されていくばかりのサイクルのなかで、毎年どんどん捨てられていく大量の服。日本でも年間約200万tの服が廃棄されているそうです(中小企業基盤整備機構, 2010)。IPさんもファッションデザイナーとして服を作り続けることに、倫理的な悩みを抱えていました。

そこでIPさんが導きだした答えは、服をリユースし、修繕し、もう一度着ること。そこで彼女が注目したのが、廃棄される食べ物でした。食料廃棄でボタンなどのパーツをつくり、それを廃棄された服に取り付け、もう一度新たなブランドとして再生する。それが「Bio-Trimmings」というプロジェクトです。

洗濯機で洗えないなど、課題はありましたが、防水加工を研究するなど、改良を続け最近商品化まで漕ぎつけたようです。IPさんの手がける商品はBio-Storeで購入できます。

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加工の様子

最初は服に取り付けるボタンなどでしたが、ほかにもハンドカバンやネックレスやバングルなどのアクセサリーを使った「Bio-Accessaries」やアルファベット型の「Bio-Graphics」など今ではどんどん展開しています。

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ハンドバッグの「Bio-Accessaries」

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アルファベット型の「Bio-Graphics」。お店の看板などに使われているようです。

食料廃棄と服廃棄を同時に解決しようと立ち上がったこのプロジェクトですが、そもそも食べものはお腹を満たすもの。世の中には食料不足で亡くなっている人もまだ大勢いる中、食料を服やアクセサリーにすることには抵抗がある方も多いかもしれません。

とはいえ大量に廃棄されていく食料や服をどうにかしたいと、自分の得意な分野での知識や経験と組み合わせて、問いとして発信しているIPさん。問題を問題として放置せずにこれからの「捨てる」を考えていく上で、とても大事な姿勢だと思います。

あなたなら”捨てられる食”の未来とどう向かいますか?ぜひコメントもお待ちしています!

(Text: 中楯知宏)
[via GOOD, Hoyan IP]