ISSUE まちづくり

3 years ago - 2013.06.29

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女子力アップで地域の魅力がアップする!
地域を盛り上げたい女子が集まる「全国女子会」が長野県木曽町で開催

木曽町は古くから「ひのき」と一緒に暮らしてきました

木曽町は古くから「ひのき」と一緒に暮らしてきました

たとえば、過疎化や高齢化が進む山村地域をどう盛り上げようかと考えたとき、あなたならどんなアイデアが頭に浮かびますか?

農業の活性化、移住者や観光客の誘致、事業づくりやイベントの開催など、そのアイデアは人によってさまざまです。

長野県木曽郡木曽町の地域おこし協力隊員、都竹(つづく)亜耶さんは、活動を続けるうちに、同じ思いで地域おこしに取り組んでいても、男性は事業やまちづくりなどの大きなこと、女性は料理や知恵の継承、コミュニティづくりなどの暮らしにまつわる身近なことに注目する傾向があり、考え方やアイデアには違いがあるということを感じました。

木曽川にせり出すように並ぶ「崖家造り」の家々は木曽町を象徴する風景

木曽川にせり出すように並ぶ「崖家造り」の家々は木曽町を象徴する風景


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そこで、女性ならではの視点にフォーカスして地域おこしを考える機会があれば面白いのでは? と始めたのが、今回ご紹介する「地域おこし協力隊“全国女子会”」です。

地域おこし協力隊とは、地方自治体が地域活性化や生活支援のための人材を都市住民の中から誘致し、地域協力活動に従事してもらいながら、その定住を図る総務省の制度です。2009年に始まり、2012年7月現在で、473名(うち、女性は172名)が隊員として全国の地方自治体で活躍しています。

「全国女子会」の取り組みについては、今年2月に開催したプレイベントに続き、来る2013年9月6〜8日には、協力隊員はもちろんのこと、地域おこしや田舎暮らしに興味のある人、地域おこしに積極的に取り組んでいきたい地方自治体などを対象に「地域おこし協力隊“全国女子会”シンポジウム&フェスタin木曽町」を開催します。

“全国女子会”シンポジウム&フェスタin木曽町って?

木曽町は、東に木曽駒ヶ岳、西に御嶽山を仰ぐ、長野県南部の山間のまちです。美しい山あいの風景の中に、旧中山道の宿場町の情緒が残り、“日本でもっとも美しい村”にも選ばれています。また、日本三大美林のひとつ、木曽ひのきの産地としても知られています。

そんな木曽町で開催される、女性ならではの視点から地域おこしを考える「全国女子会」とは、一体どんなイベントなのでしょうか?

プレイベントでの交流会の様子

プレイベントでの交流会の様子

まず1日目は、「子育て世代の母親と協働」「直売所と農家を結ぶ活動」「子どもたちのために考える地元のハローワーク」という3つの分科会に分かれて、意見の交換や課題解決のためのアイデアを検討します。どれも、地域おこしに関わる女性にとって、気になるテーマばかりです。少人数でディスカッションを行なうことで、誰もが意見を言いやすい状況を作り、しっかりと議論を深めます。

2日目の午前中は、全国の女性協力隊員を中心に、フード、アート、ヒーリングの3つのブースを設け、たくさんのお店が並ぶフェスタを開催します。自分の住むまちの特産品や野菜の販売、ネイチャークラフトやアロマテラピーなど、出展者の特技を活かしたワークショップが予定されています。

そして午後からは、地域おこし協力隊に関するシンポジウムです。木曽町の地域資源や自然、歴史を整理し、エコツーリズムや新産業創出など、ビジネス化のための課題や方向性を考察するために作成された「木曽ノオト」制作者の村松理代さん(株式会社アーティストーン)の講演では、「木曽ノオト」の取材を通して感じた地域の力と都会の力について、お話を聞くことができます。

そして、全国で活動を行なう地域おこし協力隊による、地域おこしの事例発表があり、最後はオーディエンス参加型でのパネルディスカッションの時間が設けられています。ここでは“女子力×田舎力”について、参加者全員でじっくり意見交換を行ないます。

3日目は、希望者を募って町内視察へ。道の駅を見て回ったり、登山や乗馬などを体験できるヘルス・ツーリズムを企画中。

分科会や夜の交流会、町内視察など、一部オプションに関しては事前申込が必要ですが、2日目のフェスタとシンポジウムは申込不要でどなたでも参加することができます

周囲を山に囲まれたふるさと体験館はノスタルジックな雰囲気

周囲を山に囲まれたふるさと体験館はノスタルジックな雰囲気

会場は「ふるさと体験館きそふくしま」という廃校を改装した体験施設。情緒たっぷりの木造校舎の中には、木や森の魅力、まちの歴史を感じ取ることができる様々な体験コーナーがあり、さらに敷地内には芝生の広場もあり、すぐそばには清流も流れています。

家族でフェスタを楽しみ、午後からのシンポジウムは、たとえばお母さんだけ参加して、子どもたちは施設で遊んで待っているなんてこともできるから、家族連れでも安心して参加することができます。

ちなみに、女性の視点から考えるという大原則はあるものの、主旨をご理解いただければ、男性の参加も大歓迎とのこと。じつは男性の申込が多く、主催者も驚いているのだとか。

始まりは、女性ならではの発想を大切にしたいという思いから

「地域おこし協力隊“全国女子会”シンポジウム&フェスタin木曽町」の目的は、大きく3つあります。

ひとつは、女性ならではの地域おこしについて積極的に意見交換を行ない、同じ思いをもつ人々の横の繋がりを作ること

もうひとつは、地域おこし協力隊制度の課題や問題点を提起して、協力隊制度が地域にとっても協力隊員にとってもより良いものとなるよう提言としてまとめること

そして最後に、このイベントを通じて木曽町のことを知ってもらい、訪れてもらうきっかけを作ることです。

全国女子会を企画した木曽町地域おこし協力隊の都竹亜耶さん

全国女子会を企画した木曽町地域おこし協力隊の都竹亜耶さん

男女限らず、全国各地でたくさんの方が熱心に地域おこしに取り組まれています。ただ、いろいろと話してみると、男性は事業のことや経済的に自立していくことなど、比較的大きな話をすることが多いんですね。女性はもう少し小さい、実践できるレベルの話をすることが多いんです。

たとえば、このままでは埋もれてしまうかもしれないおばあちゃんの郷土料理をどう活かしていけるのかということや、たくさん穫れる野菜をどうおいしく加工しようかということ。そういうことってじつはすごく大事だと思うし、もっと身の丈にあったことをやっていきたいよねと、女の子同士で話したことがあったんです。

それで、女子会を開いて話し合いをしてみたら面白いんじゃないかと思って、このイベントを企画しました。

若手の女性隊員、地元のお母さんも参加します!

プレイベントは全国の女性協力隊員のみに呼びかけ、少人数で開催しましたが、地域を盛り上げたいという同じ思いをもっている人、そして女性という共通点から、みんなが似たような思いや悩みを抱えていることがわかり、大いに盛り上がったそうです。

大鹿村地域おこし協力隊の大谷瑠里さん

大鹿村地域おこし協力隊の大谷瑠里さん

プレイベントに参加した長野県下伊那郡大鹿村の大谷瑠里さんは、大鹿村では唯一の女性協力隊員です。それまでひとりで抱えていた悩みを相談することができて、とても救われたと言います。

ほかの地域の協力隊の方も、同じような悩みを持っていました。目指している方向が似ているので、話がすぐに通じるんですね。それだけでも嬉しかったし、かなり本音で話ができたので、参加して本当に良かったと思います。今でも、その時お知り合いになった方の活動するまちに遊びにいって勉強させてもらったり、相談相手になってもらったりしています。

NPO法人ふるさと交流木曽の理事長、野口廣子さん

NPO法人ふるさと交流木曽の理事長、野口廣子さん

また、当日のごはんを作ったり、おやきづくりの指導を行なってくれるのは、地元のお母さんたち。NPO法人ふるさと交流木曽の理事長で、夢人市の代表として長年、郷土食の製造販売にも取り組まれている野口廣子さんは、都竹さんに「全国女子会」を開催したいと相談され、快くお手伝いを引き受けました。

協力隊の人たちは、目的をしっかりもっている人が多いんです。それも都市部に住んでいた人でしょう。そういう人の意見を聞いてみたいし、反対に自分たちのやっていることも知ってもらいたい。そういう気もちを持っている人は(地元の女性たちの中にも)たくさんいるんですよ。

女子会の人たちが集まっていろんなことをやっているのは私たちにとっても刺激になります。プレイベントの時はあまり時間がなかったので、今回はもう少しゆっくり話を聞きたいし、郷土食や保存食の作り方など、私たちがやっていることについても話をしてあげられたらいいなと思っています。

生活の知恵を自然な会話のなかで伝えてくれる地元のお母さんと話をしたり、移住者の先輩である協力隊員に直接質問をしたり。こんなことも「全国女子会」の大きな魅力のひとつなのかもしれません。

地域おこし協力隊の課題解決に向けて

そして、こうした“交流”や“意見交換”を軸にしながらも、あえてシンポジウム形式にしたのは、地域おこし協力隊の課題や問題点について、現場の声を伝え、行政の担当者にもしっかりと提言したいと考えたから。

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4年目に突入した地域おこし協力隊制度は、一定の成果を挙げる一方で、徐々に課題も見え始めています。

 たとえば、地域おこし協力隊の任期は最長で3年までと決まっています。協力隊として活動している間は給料が支給され、家賃も無料や格安の場合が多いのですが、任期終了後は、自力で仕事を探さなくてはなりません。しかし、現実問題として地域おこし協力隊が活動する地域の雇用はとても限られているのです。

そのため、いくら地域の方々と絆を深め、任期終了後もその土地で暮らしたいと思っても、断念せざるを得ないという問題が発生しています。せっかく町を好きになり、住み続けたいと思う若い世代がいるのに、それが叶わないというのは、少々もったいない話です。

もちろん、自分で仕事をつくる、事業をつくるということも可能ですが、起業向けのサポートも整わないまま、すべての隊員にそれを求めるのは現実的ではありません。

これらの課題を総務省や各地方自治体に知ってもらい、将来的に解決策が導けないかと都竹さんは考えています。

協力隊の活動内容は十人十色で、ひとつの答えを出すのは難しいかもしれません。でも、現場の声を届けることで、少しずつでも制度に反映してもらえるようになったらいいなと思います。

そして、これから協力隊になろうと思っている人、過疎の問題を抱える地方自治体、田舎への移住を考えている方々にとって、良い未来に繋がるきっかけにしたいです。

女性が考えることは小さくてもすぐに実践できること

木曽町のお母さんたち

ふるさと交流木曽の野口さんは「味噌を作る時、大豆は買ったらすごく安いのよ。でも、そういうことじゃないの。誰かが作らなかったら畑が荒れてしまうし、作る技術もなくなってしまう。だから、種蒔きからやることに意味があるということを知ってもらいたいの」と言いました。

“女性が考えることは小さくてもすぐに実践できること”だと都竹さんは言いました。

男女平等はもちろん大切なことですが、同時に、男性と女性の特性や役割を活かすことが、より良い魅力的な社会をつくることに繋がっていくのではないでしょうか。

男性隊員は、農作業や力仕事ができることもあって、しっかり地域に根を下ろして、活動の幅を広げています。でも女性が、男性と同じだけの力仕事をやるというのはなかなかハードルが高いです。じゃあ、女性の役割ってなんだろうって考えると、地域のコミュニティ存続に欠かせないサポートを行なうことなんだと思っています。

女子力が地域をどんなふうに盛り上げていけるのか、このイベントをきっかけに考えてみませんか? もちろん、残暑厳しい都会を離れ、涼しく澄んだ空気に包まれた山間のまちで手作りの暮らし、未来の暮らしを、楽しみながら想像してみたい人にもピッタリな機会です。ぜひ、参加してみてください。

地域おこし協力隊“全国女子会”フェスタ&シンポジウム in 木曽町
http://www.town-kiso.com/event/004302.html

日時:2013年9月6日(土)〜9月8日(月)

6日
13:00〜13:30 集合・受付・概要説明
14:00〜17:00 分科会
18:00〜19:30 交流会(事前申込要/地域食材を使ったケータリング)

7日
8:00〜10:00 フェスタ準備(おやきづくり体験)(事前申込要/おやきに入れたい食材を持参してください)
10:00〜12:00 地域おこし協力隊まるごと女子会フェスタ(申込不要/入場無料
12:00〜13:00 昼食休憩
13:00〜15:00 地域おこし協力隊女子会シンポジウム(申込不要/入場無料
15:15〜17:30 パネルディスカッション「女子力×田舎力 〜協力隊の役割と可能性〜」(申込不要/入場無料
18:00〜20:00 交流会(事前申込要/BBQを予定)

8日
9:00〜 町内視察(事前申込要/道の駅・御岳ロープウェイ・木曽馬の里など)

場所:ふるさと体験館きそふくしま

オプション料金:
1日目 交流会 3000円
2日目 昼食代 600円/交流会 3000円
3日目 ロープウェイ代 2400円/木曽馬乗馬代 500円

主催:木曽町 自治総合センター
後援:総務省/長野県
問い合わせ・申込:木曽町役場企画財政課(担当:星野・小野・戸田・都竹)
TEL:0264-22-4287 FAX:0264-24-3602
E-mail:seisaku@town-kiso.net
HP:http://www.town-kiso.com/

申込書ダウンロードはこちらから
※申込締切は2013年7月31日(水)当日消印有効

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writer ライターリスト

平川 友紀

greenz シニアライター リアリティを残し、行間を拾う ストーリーライター 1979年生まれ。20代前半を音楽インディーズ雑誌の編集長として過ごし、生き方や表現について多くのミュージシャンから影響を受けた。体調を崩したことをきっかけにマクロビオティックを学び、持続可能なライフスタイルを模索し始める。2006年、神奈川県の里山のまち、旧藤野町(相模原市緑区)に移住。その多様性のあるコミュニティにすっかり魅了され、現在はまちづくり、暮らし、コミュニティを主なテーマに執筆中。通称「まんぼう」。 facebook:https://www.facebook.com/captainmanbou twitter:@captainmanbou

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