ISSUE ものづくり

3 years ago - 2013.06.13

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“NEW RECYCLE”で「もったいない」を素敵なプロダクトに!「1万人のクリエイターミーツPASS THE BATON」

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アクセサリー、洋服、インテリア、アートオブジェ…。きらめくハイセンスなプロダクトの数々に目移りしてしまう、セレクトショップ「PASS THE BATON」。これら全てがリサイクル品だというので驚きです。

「PASS THE BATON」は2009年に創業され、”NEW RECYCLE “をテーマに、さまざまなメーカーのB級品やデッドストック、ユーズド品などをより魅力的なプロダクトに再生する”魔法”をかけてきました。その秘密の魔法とは、プロダクトのデザインを手がけるアイデアやセンスです。

この4月より、「PASS THE BATON」と、クリエイターを支援するポータルサイト「ロフトワークドットコム」が協働プロジェクト「1万人のクリエイターミーツPASS THE BATON」をスタート。誰もが参加できる、ソーシャルなプロジェクトです。

「PASS THE BATON」を運営する株式会社スマイルズ代表の遠山正道さんにお話を伺いました。

「もったいない」を素敵なプロダクトに!

「1万人のクリエイターミーツPASS THE BATON」では、期間中、「こんなものが大量に余ってしまって、もったいない」という物や素材の情報を募り、それらを「素敵なプロダクト」に変身させるクリエイターのデザインアイデアを募集しています。

オンラインでコンペを開催し、アートディレクター達との協働を通じて商品化を目指します。投稿されたアイデアは、オンラインで順次公開されていきます。

ちょっとした欠けや割れ、色ムラがあるため正規品になれなかったおかきちょっとした欠けや割れ、色ムラがあるため正規品になれなかったおかき

プロジェクトは全4回を予定。第1弾(4月)は、おかきの名店・赤坂柿山の「おはじき」とデッドストック缶を生かしたギフトデザインの募集、第2弾(5月)は英国オーガニック化粧品の使用済みブルーボトルを使った新しいプロダクトアイデアの募集、第3弾(6月)は元祖・日本のあったか生地ともいえる「らくだ生地」の冬用肌着の製造工程で出る端材を、素敵なプロダクトへと変身させるアイデアの募集です。

どんなことがきっかけで今、遠山さんは今回の企画を始めたのでしょうか。

多様性が”発酵”すると…?

「PASS THE BATON」表参道店に立つ遠山正道さん(Photo by JUNKO YODA)「PASS THE BATON」表参道店に立つ遠山正道さん(Photo by JUNKO YODA)

もともと「PASS THE BATON」はシンプルに、「もったいない」から始まっています。一般の人と一緒に、というアイデアもあったのですが、まずは有名なデザイナーやブランドと一緒にやってきました。今年で4年目に入り、セレクトショップとしての世界観が確立されてきたかなと感じています。

そこで、セレクトやキュレーションも大事なんだけど、自分たちの世界観だけでジャッジすると偏り過ぎてきてしまうので、これからは新しい目線を入れていくのも、ある種面白いかな、と。

例えば、日本の大きな盃があったとして、日本人は「こんなの使えない」と思うかもしれませんが、フランス人は「素晴らしい芸術品だ」と言うかもしれません。

目の数を増やすことで、これまで出会えていない人たちに会い、持ち込まれた多様性がチーズのカビや納豆菌のように発酵して、考えつかなかったような物ができあがる。そういう期待をしています。

会社や実家に余っている「もったいないもの」も大変身!?

クリエイターの皆さんからのデザインアイデアはもちろんですが、今回はデザインを手がける”物”の情報も募集がかけられています。会社や実家に余っていてもったいない物や素材の情報を、ダメ元でいいので送ってほしいそうです。

例えば、最近の若い人があまり使わなくなった手掘りしたサンゴのような素材だとか、股引や農具や木材だとか。ファッションの世界ではネガのイメージがあるものや、ファッションと結びつかなかったものを、「1万人のクリエイターミーツ PASS THE BATON」で、ステキに変身させましょう。

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現在募集しているのは日本の元祖・あったか肌着用「らくだ生地」の新しいリサイクル・プロダクト

素材とデザインのいい出会いがあれば、商品化されるチャンスも。

いいものができれば商品化する予定です。もちろん、なんでもいいというわけではなくて、審査員を設けてコンペにすることで、デザインの質を保ちます。「リサイクルだからこれくらいでいい」じゃなくて、「リサイクルだからこそ」の商品の魅力がないといけないと考えています。

これまでは有名デザイナーが手がけていた領域が、オープンでソーシャルに開かれるのです。

クリエイターでない皆さんにも、物が作られていく過程を共有して楽しんでもらいたいいです。有名デザイナーや有名ブランドでなくても、センスと知恵でいろいろなことができることを感じてほしいですね。

“NEW RECYCLE”は現代人のたしなみ

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デッドストックのカップとラスクを組み合わせたラスクセットはPASS THE BATONの人気商品

「PASS THE BATON」をやっていると、エシカルだと言われたり、リサイクル業界の方からもインタビューをしていただいたりするけど、そういうことだけじゃないんです。わたしがやっているリサイクルというのは、現代人におけるある種の”たしなみ”だと思っています。特別なことじゃなくて、もはや普通のことです。

ちなみに遠山さんご自身がリサイクルに興味を持ったのはシンプルに、こんな理由だったそうです。

もともと古着好きだったんですよね。やっぱり、一点物のおもしろさと言うのかな。例えば、僕が以前に買った、りんごのアップリケが付いているトレーナー。「どう考えてもアップリケの位置が上すぎるでしょう!」ってね、びっくりしちゃって(笑)。人と被らないし、驚きと楽しさがありますよね。

無限のクリエイティビティと” NEW RECYCLE”が出会うところに、どんな驚きの魔法がかかっていくのでしょう。

writer ライターリスト

山岸 早瀬

山岸 早瀬

greenz ライター 旅とアートとミルクティーを愛する編集者・ライター。ときどき絵描き。イギリス、アイルランド、日本を行き来している生活からこそ見える社会課題の解決や、文化的価値の創造を目指しています。

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