ISSUE 国際交流

3 years ago - 2013.05.23

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世界を舞台に活動する人を増やしたい。サムライバックパッカー・太田英基さんが描く、世界がオモシロイから動く若者の未来

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先日、1冊の本が出版されました。『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。』これは、約2年間かけて世界一周をまわった著者が、現地で出会った日本人にインタビューした内容や、海外で感じた日本と世界のこと、これからをどう生きていくのかを綴った本です。

この本の著者の名前は太田英基さん。かつて学生時代に、コピー用紙に広告などを掲載することでコピー料金を無料にする「タダコピ」を仲間と創業した起業家が、会社を辞めて世界一周プロジェクトを立ちあげ、そのプロジェクトの1つの成果として出版した書籍です。

「日本の若者の頭の中にある日本地図を世界地図に塗り変え、世界を舞台に活躍する日本人を一人でも作りたい」と考えている太田さん。そんな太田さんが考えるこれからの時代の歩き方、そして世界を舞台にアクションをすることの大事さについて話を伺いました。

多くの人が望んでいるサービスを

1985年生まれの太田英基さんは、大学1年生の時に、ビジネスコンテストで、学生に無料でコピーをおこなえる「タダコピ」という事業を仲間と一緒にプレゼンし最優秀賞を授賞。それがきっかけで、5人の仲間と一緒に起業しました。

大学でテストマーケティングをおこなっていた時に、多くの学生からアンケートで嬉しい回答をもらって、タダコピという事業が自分たちだけがいいと思っていたエゴなものではなく、多くの人が望んでいるサービスを自分たちで手がけているということに対する責任を自覚しました。そこで初めて、サービスを事業展開していくことを使命と感じました。

利用する学生は無料でコピー機が使え、コピー用紙の裏には企業の広告として販売することで事業を展開していき、2006年4月に慶應義塾大学に最初のタダコピが始動。2013年現在では162大学、200キャンパス以上もの大学に設置されるようになりました。

世界一周の旅から見出す世界との距離感

973711_10151602808353361_1702074188_nボリビア・ウユニ湖で記念撮影をする太田さん

太田さんは、起業してそのまま就職活動もせずに独立。タダコピ事業を広めることに注力していきました。5年間で、会社自体も大きくなり、社員も雇い入れ、日本だけでなく世界にもタダコピ事業を展開していきました。しかし、2010年1月末に太田さんは自身が手がけたオーシャナイズという企業を退職。その理由を太田さんはこう語ります。

5年間がむしゃらに仕事中心で活動してきて、ふと少し立ち止まってこれからの5年について考えてみました。そこで、人生の先輩たちに話を聞いてきた中で、世界という舞台に活躍している人たちがたくさんいて、自分も日本という枠を超えて、地球という舞台で仕事をしていきたいと考えました。

太田さんは、日本で日本人対象だけのビジネスをするのではなく、もっと広い範囲で価値を提供できるようになりたいと考え、「日本人から地球人へ」を、太田さんは自分自身のあり方へと変化させ始めました。

日本から地球を舞台にした時に、自分自身に不足しているものは、語学や異文化交流などのグローバルコミュニケーション能力、世界中に情報交換できる仲間とのつながり、世界を自分の眼で見て、肌で感じることです。そこで、企業を仲間に託し、色々な選択肢がある中で考えたものが、世界一周でした。漠然とした放浪ではなく、しっかりと目的を持った旅をすること。それが、僕の考えた選択でした。

太田さんは、「日本の若者の海外志向・グローバル志向の底上げ」という目的を旗に世界一周プロジェクトである「サムライバックパッカープロジェクト」を立ちあげました。

日本経済が縮小していく中、中国やインドなどの国が成長してきているからこそ、日本人も世界を舞台にこれから活動することが求められていきます。ビジネスの世界で活動している第一線の日本人に会って話をしながら、彼らが何を想い、何を考え、そこで活動しているのか。そうした、世界で活躍する日本人の経験や情報を発信することで、日本の若者に気づきやきっかけで提供できるのではと太田さんは考え、2010年8月から世界一周の旅へと出発しました。

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世界一周で感じた日本と世界の共通点と文化の違い

北米からスタートし、中米や南米、そこからアフリカ、ヨーロッパそしてアジアへと旅をしてきた太田さん。約2年間かけて旅を続けてきた中で、色々な発見がありました。

もちろん、その中で世界の素晴らしさ、日本が学ぶべきものも大いにあったと同時に、日本独特の文化や日本が世界に誇れるものも見出すこともできたそうです。

日本という島国に、1億人という規模の中で、貧富の差も世界から見たらそこまで大きくないという総中流ともかろうじて呼べる、特異性と素晴らしさがあります。それを次世代につなぐことの使命を改めて感じました。

また、世界は自分たちが思っている以上にグローバル化による均質化が進んでいます。南米の奥地で住んでいる人の家の脇にもソーラーパネルが設置してあり、家にはテレビもあります。ケニアのマサイ族の人も、携帯電話を当たり前に使っているなど、テクノロジーとインターネットによって、世界はいつでもどこでもつながれる状態になっているのです。

そうした、日本の独自性とグローバル化を目の当たりにした中で、世界中どこにいても一流の大学の学生たちやビジネスマンたちは、英語でコミュニケーションをしているという事実、そして日本の文化や食産業、アニメコンテンツなどのカルチャーが世界に発信できることの可能性を、ひしひしと感じたそうです。

「世界は自分たちが思っている以上に広い。しかし、世界は自分たちが思っている以上につながれる」というメッセージが、太田さんの旅のブログや記事の中で見つけることができます。「アドタイ」での連載や、サムライバックパッカープロジェクトのサイト内にて、世界の旅の様子もまとまっています。

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イスラエルで参加した、大学内で行われていたスタートアップ起業家によるピッチイベントの様子

旅の途中で、フィリピン留学の書籍を出版

そんな中、世界一周の旅の途中で、太田さんは一冊の本を出版することになりました。『フィリピン「超」格安英語留学』というタイトルの本です。

世界一周をする前の2010年5月から3ヶ月間ほど英語留学をしていた太田さん。1ヶ月10万円程度で、毎日6時間マンツーマンで英語を教えてくれる環境がつくれるフィリピン留学の素晴らしさに感動を覚え、フィリピン留学の様子をサムライバックパッカープロジェクトや他媒体でも紹介。それがきっかけで出版社の目にとまり、フィリピン留学の様子を書籍としてまとめることになったそうです。

当たり前ですが、太田さんはその時はまだ世界一周をしている途中でした。担当編集の人と直接会って打ち合わせをすることはできません。そのため、やりとりのほとんどをメールでおこない、数回ほど電話でやりとりをしただけで出版したという、このやりとりの様子も、インターネットによって世界とつながっているからこそできるコミュニケーションの形です。

人生で初めての執筆作業で南米でプロローグ、アフリカで本編、ヨーロッパでエピローグと最終確認という流れでした。正直、世界一周プロジェクトの時間が削られることで、断ろうと思ったこともありましたが、フィリピン英語留学の魅力と価値を早く広く世の中に伝えることは非常に大切だと思ったのと、ミッションである「若者のグローバル志向の底上げ」にも通じると思い、執筆を進め出版をさせていただくことになりました。

語学学校をどうやって選ぶか。フィリピンの治安は大丈夫なのか?物価って?など、フィリピンの社会情勢にも触れながら、フィリピン留学を経験した21名にアンケートをおこない、この書籍は完成しました。

一人でも多くの人が英語への学びの機会を作り、海外で働ける若者、海外で働きたいと思う若者を増やしたいという太田さんの思いが込められた一冊になりました。

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バングラデシュの首都ダッカでTEDに参加した時の写真。

語学留学を失敗しない社会にするために「School With」を起業

約2年間の世界一周の旅から帰ってきた太田さん。2年間で約50ヶ国、1,000人以上の人たちと交流してきました。そんな経験をした自分が、「今できることはなんだろう」と、社会に必要とされていることは何かを改めて考えました。そこで、世界一周に行く前にフィリピンで英語留学をしていたこと、その縁もあって書籍を出版させていただいたことが、第二の起業のきっかけとなりました。

語学学校や留学というものの状況の不透明さや情報不足である実態、また希望している人と受け入れ先とのミスマッチなど、そうした現状を変えることから、日本人がグローバル志向を持つ1つのきっかけになるのではないか考え、太田さんは「School With」という事業を立ちあげました。

フィリピンには数え切れないくらいの学校があり、自分にあった学校を見つけるのは簡単ではありません。僕が通ったフィリピン語学学校は、色々と検索してリサーチをして見つけたところだったのですが、それでも、実際に行ってみると想像していたものと全然違って、情報がほとんど集まっていなかったのです。

フィリピン留学とはいえ決して安価なものではありません。ましては数ヶ月も滞在する場所は、自分の人生にとってもお金に変えれない大きな時間も使います。だからこそ、留学の学校選びに失敗してほしくないという思いで「School With」を立ちあげました。

「語学留学をするすべての人が学校選びを失敗しない世の中の実現」をミッションにはじめたSchool With。最初はフィリピン語学留学の口コミを集め、語学希望者が自分に合う学校を探せるようにすることからスタートしますが、今後はフィリピン以外の語学学校の情報、さらには海外の大学院の情報など世界のあらゆる留学経験者の留学情報が集まり、留学したい人と留学を経験した人たちが出会い、コミュニケーションを交わすプラットフォームを目指しているそうです。

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世界を目指す若者が一人でも多くなる世の中に

約2年間の世界一周プロジェクトを終えた太田さんですが、世界一周前から情報発信を1つの集大成としていました。Twitterやブログなどのインターネット上での情報を随時おこなっていましたが、それでは断片的でしか伝えたいことが伝えきれないという思いが当初からあったのです。そのため、旅の容姿をしっかりと1冊の本としてまとめ、ストーリーを持って伝えていくことが大事だと考えていました。

また、ネット上だけではない紙の書籍として出版することで、それまでネット上だけでは届かなかった人たちにも情報や思いをリーチさせることができる。実際、1冊目にあたるフィリピン留学の書籍を出したことで、大きな反響を呼んだこともあったそうです。

フィリピン留学の書籍を出したことで、それまでフィリピン留学についてネット上で情報発信している人はたくさんいたのに、僕が「フィリピン留学の仕掛け人」と呼ぶ人もでてきました。本の影響力と同時に、本を読んだことで少しでもアクションに結びつけてくれる人が一人でも多く出てきて欲しい、という思いは、サムライバックパッカープロジェクトの当初の目的でもありました。海外で働くことに興味を持っている人、若い人に読んでもらいたいと思っています。

パスポート1つで世界のどこにでも行ける時代に、私たちは生きています。私たちが生きている時代は、日本だけではなく、世界という舞台で活動できる時代になっているのです。それに少しでも日本の若者に気づいて欲しいという太田さんの思いが、2冊目の書籍『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く』には、込められています。

海外にいる日本人は、日本を捨てたのではなく、世界がオモシロイから動いています。そうした、日本人の考えを世界志向に変えいくのが僕のミッションです。そのためには英語ができないといけない。だからこそ、まずは自分が実践して道を示すことでのサムライバックパッカープロジェクトだったんです。

サムライバックパッカープロジェクト、そしてその旅から生まれた2冊の異なる本。英語をもっと身近に感じてもらうことと、海外志向を持ってもらうための太田さんと海外にいる日本人の思いが詰まった異なる2冊の本から伝わる、太田さんの熱い思いを感じられます。

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現在、『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く』の出版を記念して、「世界のドコで、何をスル?」という問いかけに興味や想いを投稿するだけで、抽選でフィリピン留学1ヶ月分などが当たるキャンペーンをおこなっています。

「あなたが世界のドコでどんなことをしたいですか?」という投げかけには、多くの人たちから想いが込められた投稿がされています。今という時代、インターネットという世界がつながったオンラインだけではなく、自分の五感を使って現地で考え、行動し、そして想いを発信する人が、一人でも増えていくためのアクションをこれからもおこなっていきたいと考えている太田さん。今回のキャンペーンも、そうした書籍やShool Withの事業の思いと連動した企画になっています。

皆さんもキャンペーンに投稿して、世界で何をするか考えてみませんか?キャンペーンは5月31日まで受け付けています。また、フィリピン留学を経験してみたいと思った人はぜひ、School Withにアクセスしてみてください。

キャンペーンに参加してみよう
世界のドコで、何をスル?

writer ライターリスト

Eguchi Shintaro

江口 晋太朗 ( Shintaro Eguchi ) 1984年8月生まれ。福岡県出身。ヒト、コト、モノをつなぎ、次の時代のあり方を思考し、実践していく仕事をしています。東京を拠点に、全国を奔走しています。One Voice Cmapaign発起人。 Twitter @eshintaro blog Design of Social

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