ISSUE まちづくり

3 years ago - 2013.04.29

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音楽の楽しさを街の人々と分かち合いたい。自転車で走りながらピアノを演奏する「PIANO BIKE」

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駅前や公園など、ストリートミュージシャンを見かける機会は増えていると思います。自分好みの音楽の演奏に出会ったとき、つい聞き入ってしまうという方も多いのでは?

サンフランシスコの港周辺に、一際目立つミュージシャンの路上パフォーマンスを見つけました。それはGary Skaggs(以下、ゲイリーさん)による、ピアノと自転車が合体したPIANO BIKE。ゲイリーさんは、自転車をカスタムして廃品同然だったピアノを合体し、街中を走りながら演奏をしているのです!

廃品同然の状態から見事によみがえったピアノ

ゲイリーさんが「PIANO BIKE」を思いついたのは、2006年。以前から「ピアノも外で演奏できたら気持ちがいいし、みんなと楽しさを分かち合えるのに」と考えていたそうです。

ある日、廃品同然のピアノを見つけたゲイリーさんは、80ドルで衝動買いして、何かに突き動かされたかのように、自転車との合体させることを思いつきます。しかし、車体の完成までには紆余曲折がありました。ピアノの補修に1年、さらにピアノを自転車と合体させるのに、もう1年。制作期間中は、ガールフレンドからの猛反対で落ち込むこともありましたが、強い信念のもとで制作を続け、ついに車体は完成しました。

2年間かけて完成させた念願の愛車の名前は「ST. FRANKENSTEIN」。廃品同然だったピアノに、新たな息吹が吹き込まれたことを象徴しているかのような名前ですね!

車体の様子をチェックする、ゲイリーさん。
車体の様子をチェックするゲイリーさん

車体が完成して以来、ゲイリーさんはサンフランシスコの平坦な港近辺の道を中心に演奏活動を行っています。彼の自転車を見かけると、多くの通行人が呆気にとられて、立ち止まってしまいます。観光客も住民も、「いつ、どこで見られるかわからない」という神出鬼没さとサプライズ性に、魅了されている様子。

実は、自転車とピアノの合体は、ゲイリーさんが初めて完成させた物ではなく、1920年代にはアメリカのボードヴィル・ショーで、役者が自転車でピアノを舞台上に運び、演奏するパフォーマンスもありました。最近では、ベルギーのアントワープでも、ピアノを自転車で街中に運んで演奏するミュージシャンが登場しています。

アントワープに出現した、ピアノバイク。
アントワープに出現したピアノバイク

しかし「PIANO BIKE」は、廃品同然のピアノをリサイクルしている点と、走りながら演奏をしている点で、他の事例とは一線を画しています。ゲイリーさんは、指2本でハンドル操作をして走らせながら、巧みな演奏も披露しているのです。

街の人々を楽しませることができて、かつ見知らぬ新たな人々の出会いも齎してくれるから、この活動はすごく自分に意味があるんだ。

と語るゲイリーさん。今日も、きっとゲイリーさんは、サンフランシスコの街を走りながら、音楽を奏でる楽しみを人々と分かち合っていることでしょう。


(Text: 鈴木康太)
[via inhabitat, sfgate]

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writer ライターリスト

スズキコウタ。

スズキコウタ。

greenz.jp 編集デスク 1985年、築地生まれ。2013年よりgreenz.jpにライターインターンとして参加し、greenz global編集長、greenz.jp編集アシスタントを経て、2015年2月より現職。 主にライターインターンプログラムを通した海外事例の企画編集と人材育成、ライターコミュニティのマネージメント、そして日々の記事の進行調整を担当する一方、DJ・選曲家・ミュージシャンとしての活動も。2016年末には、これまでの作品を集めたファーストアルバムをCDで発表予定。 Twitter: @2kaiprod Profile: http://about.me/kotasuzuki Essays: Tiny Little Thingz

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