ISSUEインクルーシブ 子ども

3 years ago - 2013.02.11

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子どもと真剣に向き合う先生たちを支え抜き、教育に革命を起こす!「SENSEI NOTE」の挑戦、その想いとは。 [READYFOR?]

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小さいころ、”先生”という仕事に憧れた人も少なくないかもしれません。しかし多くの先生たちが、学校で起こる問題を一人で抱え込み、激務に追い込まれ、本当の意味で子どもと向き合う時間を失っている…そう聞いて、あなたはどう思いますか?

事実、毎年8,000人以上の先生たちが体調を崩して休職をし、なんとその内の6割以上がうつ病などの精神疾患と言われているのです。(参考:2011年度文科省 – 資料14

もし、日本全国の先生たちが互いに知恵を”持ち寄り”、助け合い、それぞれの学校の先生たちが、もっと教室の子ども一人ひとりと向き合うことに時間を持てたなら…先生の眼差しがもっと輝き、それを受け取るクラスの子どもたちの眼ももっと輝くかもしれません。そして、そんないい眼をした子どもたちが日本にたくさん増えたなら、この日本は、世界は、もっと胸高鳴る場所になるはず。そんな未来をホンキで信じ、カタチにしようとしている人がいます。

その人は、浅谷治希(あさたに・はるき)さん、27歳。解決策となる開発中のサービスの名は、想いそのままに 「SENSEI NOTE(センセイノート)」。その熱いまなざしの奥に秘めた想いに、迫りました。

全国の先生たちが知恵を「持ち寄る」場をつくる

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まず「SENSEI NOTE」とは、どんなサービスなのでしょうか。

先生たちの声に耳を傾けると、子どもたちへの授業法から日常業務まで、様々な問題や悩みを抱えていることがわかりました。そしてそれらの問題の原因として一つ共通していたのは「先生同士のつながりが薄いこと」だと気づいたんです。

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浅谷治希さん

そう語るのが、浅谷さん。このような課題を抱える先生たちが「知恵を持ち寄る場」をつくることで、先生の悩みや疑問を解決しようと考えました。そしてその「場」を提供していくのが「SENSEI NOTE」だと浅谷さんは言います。

 

知恵を持ち寄る

日本全国には素晴らしい想いで指導にあたり、貴重なノウハウを持っている先生方がたくさんいます。それは授業で使う自作のテキストや、部活の指導カリキュラムといった分かりやすいものから、「こういうところで躓いている生徒に、こういう教え方をしたら一気に理解が進んだ!」といった生徒個別の指導事例といった定性的なものまであり、それらの多くはこれまで効率的に共有される手段をもっていませんでした。

こうした先生方の「知恵を持ち寄る場」を「SENSEI NOTE」が担うことで、先生たちの悩みや課題を解決し、より一層子どもたちに向き合っていただければと思っています。

確かに「SENSEI NOTE」がそうした日本全国の先生の「悩み」と「知恵」を集めることができれば、新任の先生がいきなり一人でクラスに入ることになったとしても、事前に「SENSEI NOTE」を見て様々な「知恵」を取り込んだ状態で授業に臨めそうですよね。またその新任の先生が、今度は自分が蓄えた「知恵」を他の先生に「持ち寄る」といった流れができることで、時代を越えて先生の「知恵」が蓄積され、日本の教育全体の質向上にも大いに貢献できそうです。

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一人で悩んでいる先生を応援したい

「とにかく彼のような先生を一人でも多く応援したい。その一心なんです」。
浅谷さんは迷いなく、何度もこの言葉をくりかえします。

きっかけとなったのは、2012年8月。先生の道を歩む高校時代の友人との再会でした。「子どもたちがどんどん成長していく姿が本当に嬉しくて、ワクワクして仕方ないんだ」。そう嬉しそうに語る友人の言葉に、浅谷さんは心底感動したそうです。

以前ベネッセで働いていたものの、直接、学校現場に接点を持っていたわけではありませんでした。だから彼を通じて、いかに教師という仕事が感動にあふれ、たくさんの先生たちが子どもたち一人ひとりのために汗を流しているのかを知って、本当に心から感動したんですよ。こんな人たちによって、この国の未来は支えられているんだなって。

しかしその感動もつかの間、彼の口から聞かされた先生たちの置かれている現状も、驚きを隠せないものであったそうです。

彼が深刻そうに語るのを聞いて、先生たちが置かれている環境に憤りにも似た感情がわきあがってきました。例えば、教育実習を終えると先生はいきなり教室に1人で投げ出されます。そこで何か問題が起きたり、悩んだりしても、なかなか他の先生に相談できない。1人で悩んでいる先生がたくさんいることがわかったんです。

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久々に再会した高校時代の友人から先生の現状を聞く浅谷さん

もしかしたら、自分の担任の先生も、とても忙しそうだったかも…と思い出した方もいるかもしれません。授業ごとにプリントを試行錯誤しながら用意している先生。一人ひとり親身に進路相談にのる先生。そして放課後と土日は部活動の指導に勤しむ先生…。

そんな魅力的な先生たちの多くは、ノウハウを共有することもなく個別に作業しています。それは非常に非効率にならざるをえず、結果的に激務に追い込まれてしまっていると浅谷さんは言います。本来であれば子どもたち一人ひとりと向き合うのが仕事であるはずなのに、そこに注力しきれない環境に追い込まれてしまっている。そこを何とかしたいと、浅谷さんの胸には、熱い何かがわきあがっていました。

転機は、突如現れたアメリカ人!?

しかし、すぐにそこから行動に移せたわけではなく、しばらく葛藤の時期が続きました。

転機となったのは11月。「Startup Weekend」というグローバルに行われているビジネスコンテストでした。今住んでいるシェアハウスに「Startup Weekend」の主催者の方が泊まりにきたんですね。なんと三日後にこのコンテストが東京で開催されることを、そこで初めて知ったんですよ。興奮して、「ぼくもどうにか出場させてくれ!」と頼み込んで(笑)。

ほとばしる情熱でその主催者を口説き落とし、出場権を手にした浅谷さん。しかしコンテストまであと3日と迫る中、肝心のビジネスアイデアがありません。

そこで改めて思い返したのが、8月に再会した友人の話から抱いた先生の困っている現状でした。では、逆にこの残り三日間、この先生たちの問題の解決策を、一度徹底的に考えてみようと。それで本格的に構想を開始したのが、今の「SENSEI NOTE」でした。

三日間、寝る間も惜しんで考えつくし、知人の先生たちにもヒアリングに走り回ったという浅谷さん。その努力の甲斐あって生まれた「SENSEI NOTE」のアイデアは、そのコンテストでダントツの得票数を得て優勝。審査員や海外投資家たちからも絶賛の声を集めました。

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2012年11月、Startup Wekend Tokyo で優勝したときの模様

なにより嬉しかったのは、先生たちからの声でしたね。実際にプロトタイプのサービスを公開してみて先生たちに使ってもらったり、メディアに取り上げていただく中で、全国の先生からたくさんのメッセージが届いて。「こんなサービスを待ってました!!」って聞いた時には本当に嬉しかったです。やっと僕の友人のような、想いある先生たちの力になれることができるんだって思うと、胸が熱くなりました。

コンテスト優勝後も、たくさんの現場の先生たちからの声を聞いた浅谷さんは一大決心。なんと勤めていた会社に辞表を出し、退路を断って、この先生たちの問題解決にすべてを賭けることを決意しました。

教育に想いをもつ日本全国の人たちみんなと、つくっていく。

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「SENSEI NOTE」に想いを寄せる広尾学園の先生と浅谷さん

そんな「SENSEI NOTE」の現状とこれからについて、浅谷さんは次のように語ってくれました。

今は3月のリリースに向けて、先生方のをヒアリングをしながら、開発を進めているという状況です。本当にありがたいことに、現在もたくさんの方々からコンタクトをいただくんです。「みんな教育をよくしたいっていう想いは同じなんだな」といつも感動していますし、改めてこの「SENSEI NOTE」の社会的な意義を実感しています。もう僕一人の想いでなくて、日本全国のみなさんの想いになっている。だからこそ絶対にいいものにしたいですし、いち早く全国の先生にお届けしたいしたいですね。本当に、みなさんのおかげです。

そして浅谷さんの目指す先は、決して日本全国の先生だけにとどまらないと言います。

「SENSEI NOTE」はグローバルなサービスとなることを前提として開発を進めています。もちろんまずは身近な僕の友人の先生であり、同じような想いと悩みを抱えた日本全国の先生方を支えるのが先ですが、「SENSEI NOTE」の構想を伝えるうちに、どうやら世界中の先生方も同じような問題を抱えていることが多いのだとわかりました。日本発世界着のサービスにすることで、世界中の先生をつなぎ、支え、そして世界中の教室の子どもたちの眼を、もっと輝かすことができたらと、本気で考えています。

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目指すは世界中の先生、そしてその先にいる子どもたちの眼差しのために。 Photo by Cathy Majtenyi

実際、Startup Weekend Japan で優勝したことにより、海外の先生や投資家からのコンタクトも寄せられているのだそうです。1人の友人を支えたいという想いが、日本中、そして世界中に届き始めているって、とってもステキですよね。

この「SENSEI NOTE」は僕だけのサービスではありません。教育に対して熱い想いを抱いているみんなといっしょにつくりあげていくサービスです。現場の第一線で想いをぶつけている先生方はじめ、「子どもたちのために、教育を少しでもよくしたい」そう願うすべてのひとたちの力を集めながら、いっしょに日本全国の先生を支えることができたらと思います。

そんな「教育に想いをもつみんなといっしょにつくっていきたい」という思いを体現して、現在、Readyfor? にて開発資金の300万円を集めるチャレンジを開始したそうです。浅谷さんの想い、「SENSEI NOTE」の目指す未来に少しでも共感した方は、ぜひReadyfor?を通じて、この物語に参加してみてはどうでしょうか。

writer ライターリスト

三好大助

たくさんのひとの「可能性に恋する瞬間」に立ち会いたい。 だれかの「そうか!できるんだ!」と胸が高鳴るシカケを創ること、その瞬間に立ち会えることがたまらなくシアワセです。 島根出身24歳。早稲田大学6年生。 グラミン銀行にて新規事業コーディネータとしてハラハラしたり、グラミンとの提携リサーチプログラムGCMPを創ってワクワクしたり、BADO!世界一周奨学生として各地のチェンジメーカーを訪ねてセカイの大きさにドキドキしたり。現在は再びバングラデシュに戻って、現地の大学生といっしょに、子どもたちにもっと可能性に恋してもらうための挑戦をしています。 わくわくのびのび、いまを生きたいです。 Blog : ALWAYS GROOVE Twitter : @daisuke344 Facebook : Daisuke Miyoshi

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