ISSUE☆連載 HOW TO BE A GOOD NEIGHBOR

3 years ago - 2012.10.25

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カードをめくれば会話がはずむ!鹿児島発、対話をゲーム化し、潜在意識を引っ張り出す発想支援ツール「カタルタ」 [CAMPFIRE]

こちらの記事は、鹿児島で長期実践型インターンシップの企画・運営を行う「マチトビラ」によって寄稿されています。

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みなさんは「この問題を解決するには、どうすればいいのか?」「もっといいアイデアないかな…」と思い悩んだことはありませんか? グッドアイデアが、もっと頻繁に、多様に、簡単に生まれるようになったら、未来はもっとワクワクするものとなるでしょう。

鹿児島在住のメドラボ 代表 福元和人さんも「視点を切り替えて、うまくいかない現状を脱したい」と思っていました。そこで、アイデア出しの“産みの苦しみ”を“楽しみ”に変えるために、発想支援ツール「カタルタ」を開発しました。

「カタルタ」は一見するとトランプのよう。もちろん、ただのトランプではありません。54枚のトランプのオモテ面には「もし」「そもそも」「偶然にも」など54種類のリンクワード(接続詞、副詞等)がプリントされています。

このカードをめくりながら対話をしてみると…。あら不思議!?途端に「今まで考えもしなかったユニークなアイデア」が生み出されます。「でも、でも、でも」の思考が癖になっている人でも「もし、そもそも、偶然にも」と潜在意識を引っ張り出され、新しい視点を獲得できるのです。

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今回は、考案者の福元和人さんに「カタルタ」誕生のきっかけや、体験者の感想、今後の展望などを伺いました。福元さんは、多彩な職種を経ながら、個人的な“自由研究”を続け、経理、TV番組企画、書籍編集、経営企画などジャンル横断的な背景を持っているそうです。現在は鹿児島で「カタルタ」の開発やワークショップの企画運営を行っています。

「カタルタ」は視点の切り替えスイッチ

マチトビラ まずは、なぜ「カタルタ」を作ろうと思ったのか教えてください。

福元 “何をやってもうまくいかない”と感じることはよくあることだと思うんですが、僕の場合は低空飛行の期間が冗談みたいに長かったんですよ(笑)。その状況から脱したくてもがいていたときに偶然、外国人専用シェアハウスの日本人枠に入居することが決まったんです。

そこでは、僕はマイノリティの中のマイノリティ。どうしてもコミュニケーションの根本について考える機会が増えたんですね。その中で、もともと何かを解決するための方法に関心が高かったこともあって、 “発想支援ツール”を作ろうと思ったんです。

マチトビラ “発想支援ツール”を作ろうと思ってから、「カタルタ」が出来るまで、具体的にはどういった流れだったんですか?

福元 実は「カタルタ」の前身となるツールがあったんですけど、それを改善するために文章を書き進めました。書き終えたあとには「カタルタ」のアイデアができてたんです。30分くらいですかね。そして翌日に、30分ほどで市販のカードにリンクワードを書き、最初のプロトタイプができました。とはいえ、7回も改良を重ねたり、ネーミングが決まらなかったりして、今回のバージョン公開まで6年もかかってしまったんですよ(笑)。もろもろの準備が整ったので、今さらながらこの夏、正式に公開させていただきました。

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「カタルタ」考案者の福元和人さん

マチトビラ ひとことで言うと「カタルタ」とはどんなものですか?

福元 “視点の切り替えスイッチ”ですね。「カタルタ」の表面には“リンクワード”という接続詞や副詞がプリントされているんですが、それらは意味や機能の観点からバランスよく選んでいます。そのため思考の偏りがなくなって、話の展開が進んだり、広がったり、深まったり…、内容を豊かにしてくれるんです。さらに、よいコミュニケーションの先にはインスピレーションが待っている。

コンテクストを共有すると、違いというものに敏感になる。そして、結果的にアイデアや笑いが生まれる状況が整う。それが、みんなでストーリーを作ることの価値のひとつだと思うんですよ。ひとりでアイデアを出したり、考えをまとめたりするときとも違う楽しさがあるのは、「カタルタ」の大きな特徴です。

マチトビラ 実際に「カタルタ」を体験した人からは、どんな感想が届いていますか?

福元 「初対面同士でも仲よくなれた」「会話や面接の訓練になりそう」といった声は多いですね。それから、ある営業マンが客先で「今日の○○さん、面白いですね」とほめられて、その後もよい関係が築けているそうなんです。その方ご自身も「カタルタ」を何度か経験したことで、視点の切り替えスイッチがインストールされていることが実感できたとおっしゃっていました。

マチトビラ 何がそうさせるんでしょうか?

福元 リンクワードで話の展開を先に導かれることで、自分の記憶のデータベースの中からとにかく何かを引っ張り出して、お話の続きを繰り出していかなければならない。ということは、相手がどう思うとか、どう思われたいかといった気持ちを放り投げて、本音に近い感じで話をすることになりますよね。すると結果的に相手にとってはぐっと近づける話題だったり、通り一遍の会話にならなかったりして、その場をよい方向に導いているんじゃないかと思います。

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会話の中で一枚引くたびに笑いが出てしまいます

マチトビラ 今後の展望をお聞かせください。

福元 このプロトタイプ版の「カタルタ」は、みなさまへのごあいさつだと思っています。現在、子ども用や、英語をはじめとした外国語版の展開も準備中。また、現状の「カタルタ」は、クリエイティビィティやコミュニケーションに関心の高い人から支持を得ているので、そういった方がチェックしていそうなウェブサービス『CAMPFIRE』にも情報をアップしています。

目標はUNOのように誰もが知るカードにすること。すそ野が広がれば広がるほど、世の中のさまざまな問題が、解決に近づくと考えています。

(インタビューここまで)

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「カタルタ」が入っている袋の試作品作成の様子

最後に「たとえば、視点を切り替えるのが上手な人が増えれば、世の中の誤解や無理解の総量が減る。それは家庭内でも国際会議でも一緒なんじゃないでしょうか」と笑顔で語ってくれた福元氏。

近い将来、「カタルタ」の普及が問題解決の小さな糸口になる日が来るかもしれません。あなたもぜひ「カタルタ」を体験してみませんか? きっと日常のよくあるひとコマが、素敵なヒラメキの瞬間に生まれ変わるでしょう。

(Text:やましたよしみ、末吉剛士)

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