カンヌ・クリエイティビティ祭2012の社会派クリエイティブ受賞作品(2)

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前回から間があいてしまってすいません!カンヌ受賞の社会派広告、ダイレクトライオンの続きをご紹介します。東日本大震災で多くの命の支えとなったアイデアの数々が受賞をしていますよ。

●RELIEF PET HOUSE

東日本大震災の被災地では、人はもちろんペットたちもプライベートな空間がなく、ストレスにさらされていました。そこで、日本動物愛護協会など4団体からなる「どうぶつ救援本部」は、被災したペットたちの安らぎの場となる「インスタント・ペット・ハウス」を提供しました。これは、支援物資などを送る配送用のダンボールが、使い終わったあとペットの家として使えるようにデザインしたもの。このペットハウスは、72の避難所で、3000匹もの動物の元に届けられました。

●MEMORIES FOR THE FUTURE

東日本大震災で写真や画像のデータを失った被災者の方ために、googleは特設ホームページをつくりました。まず、被災者の方から45か所の投函箱やホームページで取り戻したい思い出の風景を募集。そして全国から、リクエストがあった風景の画像や動画を投稿できるようにしたのです。新聞広告やバナー広告、TVCMで画像の投稿を呼びかけたところ、20,000以上の画像や動画が集まりました。

●CONNECTING LIFELINES

東日本大震災が起こった直後、医師や支援スタッフがどのルートで被災地に向かうべきか、そして食糧や水、衣類、がれきを取り除く機材などをどのルートで届けるべきかの情報が不足していました。そこで役立てられたのが、ホンダのカーナビシステム「インターナビ」です。インターナビには登録した車からの情報をもとに、24時間使われていない道や、まだ使える道を解析する機能がありました。ホンダはその機能を駆使し、震災発生時から20時間後に道路情報を開示。そして前日の通行実績・渋滞実績情報を「Google Crisis Response」自動車・通行実績情報マップと「Yahoo!地図」道路通行確認マップで公開しました。

●GOOD SHIRTS

アフリカ東部を支援するために、憐れみではなく、ワクワクした気持ちで寄付したくなるアイデアを!ということでユニセフが考えたのが、Tシャツを使ったチャリティ「GOOD SHIRTS」です。Tシャツの絵柄は全12種類。それぞれの絵柄は浄水や予防接種など、さまざまな支援がモチーフになっています。Tシャツの値段は支援の内容に応じて変わってきます。寄付する人に選ぶ楽しさとTシャツがもらえる喜びがあり、アフリカの人たちはたくさんの支援が得られる。WINWINの関係をつくった、まさにGOODなTシャツですね。

●Donating 2-Barcode Water 

世界の23%の人は汚れた水で生活しています。その環境を改善するための寄付をさりげなくできるようにする仕組みが「2-Barcode Water」です。韓国では89%の人が寄付に前向きでしたが、実際に寄付したことがあるのは0.2%の人に過ぎませんでした。より簡単に寄付ができれば、多くの人の善意を生かすことができるはず。

そこで、2つのバーコードがついたボトルウォーターが発売されました。1つのバーコードをスキャンすると、他の商品と同じように水の代金である1ドルがレジに表示されます。そして、もう一つの水をかたどったバーコードをスキャンすると、アフリカの子どもたちにきれいな水を届けるための代金10セントが表示されます。通常の商品に1つバーコードを加えるという単純なことですが、これでさりげなく寄付ができるようになったんですね。

●THE POWER OF A COIN

子どものための慈善団体MISEREOEも、楽しい仕組みをつくってたくさんの寄付を集めるのに成功しました。寄付を考えている人にとって、自分のお金がどのようなことに使われるのかはとても気になるところです。

MISEREOEがつくったのは、2ユーロでどんなことができるのかが分かる、手作り感覚のボードです。自動販売機のようなつくりで、コインを入れたらボードが動いて支援の内容がわかるようになっていて、最後は寄付したことがFacebookに反映されるようになっていました。アナログとデジタルの楽しさをひとつにしたこの取り組みはソーシャルメディアでも広まり、多くの寄付を集めることができました。

●Leaving the light off

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電力会社のENESURは、小さな子どもたちに節電の大切さを教える特別な本をつくりました。それは、暗闇でしか読めない本。暗闇を怖がる子どもたちに電気を切る大切さを伝えるのは大変です。でも、暗闇が怖くなくなり、地球にとって節電どれだけいいことなのかを伝える内容の光る本は、子どもたちに喜んで受け入れられました。

この本はまず、ENESURの発電所がある小さな町の学校で配られたのですが、多くの子どもたちが率先して節電するようになったことから、他の地域でもこの活動を広めることになったそうです。

次回もダイレクトライオンの続きをご紹介します。お楽しみに!

(翻訳協力:Yumiko Nakajima

※これまでに紹介した広告と重複するものは省いてあります。