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笑顔は世界共通のコミュニケーション!MERRY PROJECTが地球サミットで出会った「笑顔の力」とは?

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「笑顔は世界共通のコミュニケーション」をコンセプトに様々な活動をしているMERRY PROJECT

その活動についてはgreenz.jpで何度も紹介してきましたが、今回は代表の水谷孝次さんが6月にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットに参加したときのお話をお伺いしました。

MERRY PROJECTは日本政府主催の企画「Japan Voices」の一環で地球サミットに参加し、子どもたちの笑顔がプリントされた「笑顔の傘」を国際会議場やサイドイベント会場などに展示しました。

笑顔の傘はとにかく人気だったようで、「このサミットで一番印象に残った」という感想ももらったそうです。

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傘の下にたくさんの人たちが集まって、そこにコミュニケーションが生まれた。笑顔はみんなに届く。これが平和だと確信しました。

と水谷さんは振り返ります。

地球サミットそのものは各国の主張が対立してあまり良い結論にまとまらず、成果は少なかったようですが、サミットの最終日、会期中だけ配布される新聞の一面に「笑顔の傘」の写真が一面に掲載されたことを受けて「会議ではいい結果が出なくても希望を持ちたい、ということの象徴なのかもしれない」と水谷さん。笑顔は希望の象徴、とも言える出来事でした。

また今から20年前に同じリオで開かれた地球サミットで伝説のスピーチを行ったセヴァン・スズキさんとの再会も印象に残っているようです。

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左が水谷さん、右はセヴァンさん

セヴァンは2人目の子どもを妊娠していて、「この子たちのために地球をよりよくしたい」と話していたけれど、子どもたちへの愛はどの国でも同じだから、子どもへの愛はよりよい世界を作っていく原動力になる。

あと、私たち市民が動くことも大切。セヴァンも「20年前は権力のある人にどうにかしてほしいと頼んだけど、今はもう期待できない。市民一人ひとりが取り組まなければ」と話していた。

サミットにも各国からたくさんのNGO・NPO団体が来ていました。世界中で社会をよりよくしようと活動している人はたくさんいる。こうした市民が中心となる活動が救いだと思っています。

より平和な世界を目指す水谷さんは、スラム街にも笑顔を届けに訪れたそうです。

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町中に笑顔のポスターも貼ったようです

他の国でも同じだけれど、負が大きい地域ほど笑顔が強い。コンテナのような学校に通っている子どもたちは貧しいけれども元気いっぱいで、はちきれんばかりの笑顔を見せてくれる。一方できれいな学校に通う、制服をきちんと着ているような子たちは元気がない。

だから海外に行っても観光は全然しなくて、元気な笑顔のある方へばかり行ってしまう。自分の幼少期とオーバーラップしているのかもしれないね。

と話すように、水谷さんが平和を求める根底には、幼い頃の経験が強くあるようです。

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リオのスラム街でも笑顔の傘は人気

父親が戦争で耳に障がいを持って、子どもの頃は嫌な思いをたくさんしました。家の中も暗かったけど、でも僕が笑うと明るくなった。冷たい視線で見てくる人がいても僕が笑うとその場が和んで、子ども心ながらに笑顔のパワーを感じたんですよね。それで3歳のときに、笑顔で世界を平和にしたいと決意しました。

デザインが好きだったから、デザインで社会をよくしようと東京へ出たけれど、たくさん賞をもらったり大きな仕事を任されたりするうちに、だんだん僕は何のために東京に出てきたのだろうか?と思うようになりました。そんなときに阪神大震災が起きて、「笑顔」をデザインするMERRY PROJECTを立ち上げました。

それから13年、「日本だけじゃなくて世界もMERRYにしたい」という思いから、四川大地震の起きた中国、津波に遭ったインドネシア、スマトラ島、バンダーアチェなど世界各国で笑顔の写真の撮影や、笑顔の傘ウォーキングなどを行なっています。最近ではオリンピックでにぎわうロンドンに東北の子どもたちの笑顔を届けました。

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リオの町中にて

こうした活動の中で水谷さんがいつも聞いているのは「あなたにとってのMERRYは何ですか?」という質問。「MERRY」とは楽しいこと、幸せなとき、将来の夢など。

普段はなかなか考えないテーマだと思いますが、ときには立ち止まって、わたしにとってMERRYって何だろう?と少し考えてみるだけでもMERRYな気持ちになれそうです。

あなたにとってのMERRYは何ですか?
ぜひ、周りの人にも聞いてみてください。

(Text:木村絵里)

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