greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

グリーンズの記事を世界に!編集長YOSHによる「greenz TOUR in NYC」報告会 [イベントレポート]

ny7

今回の「greenz TOUR」は、READYFOR?でご支援いただいたみなさまのおかげで実現しました。この場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございます!

7月8日、週末の朝を学びの時間にするプロジェクト「greenz Weekend」が開催されました。4回目となる今回のテーマは、YOSH編集長による「greenz TOUR in NYC」の報告会&ワークショップです。

今回の greenz TOUR は、「グリーンズで紹介しているアイデアを、世界の人に知ってほしい!」という思いから始まりました。READYFOR?でのプロジェクトページで、YOSHさんは以下のように言っています。

いま僕たちが感じている課題。それは日本からの、特にソーシャルイノベーション(社会変革)の分野における情報発信が、言語の壁もあり十分とは言えない、ということです。

2011年は、震災を機に「何が大切なことなのか」を振り返る時期だったとすれば、深い内省を経た2012年はさまざまな協力と貢献が生まれ、実際にインパクトを生み出していく重要な一年になると思います。競争から共創へ。行き詰まりを見せた今の社会の仕組みを一気にアップデートするような、世界のお手本となりうるほどの大きな変化が、今まさに僕たちの近くで起こっているのです。

そこで、ニューヨークでメディアを運営している人たちに会いに行き、英訳したグリーンズの記事を発信してもらえるよう交渉しに行きました。いったいどんな収穫があったのでしょうか?

greenz.jpの記事を世界に!

今回のイベントは、READYFOR?で旅の渡航費を支援していただいたみなさまをお呼びしました。今回支援していただいた人数は合計で50人。2歳年上のYOSHさんのお兄さんも山形から駆けつけてくれるなど、「馴染みの顔からの支援も多く、とても感動しました。僕の「やりたい!」がみんなにとっても同じ気持ちであることに自信を持つことができました。」と感謝をもって振り返ります。

その後、報告会の前半はまず、なぜニューヨークへ?という話から。実は、greenz.jpは去年まで英語サイトを運営していました。日本語の翻訳だけでなく英語のオリジナル記事も執筆し、2008年には海外の大きなメディアであるTreeHuggerに寄稿していた頃もあります。

実は green drinks Tokyo もバイリンガルで開催していましたが、紆余曲折があり英語のできるメンバーが手薄になってしまったこと、まずは日本語版をしっかり整える方が先決と決断したことなどを理由に、やむなく英語版を閉鎖することになったのです。

その後、読者のひとりで、現在中心メンバーとして活動していただいているサユリさんから、「英語版はやらないんですか?必要としている人がきっといると思うんです。」と熱いメールがYOSHさんに届きます。その声がきっかけとなり、今年4月、サユリさんをはじめとする有志の方とともに新しいENGLISHコミュニティが立ち上がりました。そのミッションが、グリーンズの過去記事を英語に翻訳して世界に発信することだったのです。

ny4

そして今回、YOSHさんはこのENGLISHコミュニティの協力で完成した資料とともにニューヨークを回り、日本のマイプロジェクトについて、プレゼンしてきました。ここでは、3つの収穫をご紹介します。

1. Fast Company

「Fast Company」は1995年に始まったビジネス誌。YOSHさん曰く「遠い憧れの存在」だと思っていたけれど、「日本からの情報発信はウェルカム!」と予想以上の歓迎だっだとか。

「コンセプトがしっかりしたもの、世界の読者とってピンと来るような普遍性があるもの、という視点でセレクトして提案してほしい」とのことで、現在、実際に提案するための翻訳記事を準備しているところです。

2. The Feast

社会起業家をつなぐ「The Feast」のJerri Chouさんは、Fast Companyが選ぶ「最もクリエイティブな100人」にも選ばれたという女性。そんなJerriさんとは、10月にNYで開催されるソーシャルイノベーションウィークでスピーカーの推薦など、グローバルパートナーとして一緒に何かできたら、という話になったそうです。

また、Jerriさんとのこんな会話をシェアしてくれました。

ソーシャルイノベーションというと、アメリカでは「Change the world!」と大きいところからアプローチする一方で、日本では「sence of community」=身近なところから取り組んでいく、ということを大切にしている。その二つが融合すると、面白いことになりそうね。

これを受けて「マイプロジェクトのベースにありそうな、身の回りの人から、という考え方は、世界に誇れる価値観かもしれない」とYOSHさんは手応えを感じたようでした。

3. Rocket Hub

ファンドレイジングサービス「Rocket Hub」のBrian Meeceさんはもともとミュージシャンだったこともあり、最初は自分の作品を広めたいと思っているアーティストからはじめ、最近は科学者や自治体とのコラボレーションも行なっているそうです。

「寄付を募ることは、こういうことをしたい!という思いの表明であって、小さいところから変わっていけばいい」というBrianさんの考え方は、マイプロジェクトと共通しています。そこでもし「日本から世界に出たいマイプロジェクトがあれば、greenzの特設ページをつくらない?」という提案が!

これはひとつのチャンスになりそうですね。ご興味ある方いらっしゃいませんか?

当日のスライドはこちら!

日本らしい価値観ってなんだろう?

ny3

後半は「日本発のマイプロジェクトの背景にある、日本らしい価値観ってなんだろう?」をテーマに、みんなで意見を出し合う「金魚鉢トーク」というワークショップを行いました。

ny2

参加者からは

一つひとつのサービスに、おもてなしの気配りがされている。

「足るを知る」とか「おもんばかる」という言葉があるように、周りの様子を見ることができる。

相手と自分はすべてつながっている。どんなことも当事者として見ることができる。

と、日本の良さについての意見が出た一方で、

日本人はもっと発信するべき!

という声も。

海外で生活がしたことがある人もない人もみな興味のあるテーマだったようで、たくさんの意見が飛び交いました。

この対話を受けてYOSHさんも閃いたようで、「マイプロジェクトを世界に発信するときに、ことわざや受け継がれてきた言い回しなど、日本ならではの言葉を一緒に盛り込むと、アイデアと同時に、その背景にある根源的な価値観を伝けそうですね!」とウキウキしながら会を締めくくりました。

ny6

その後も8月にはENGLISHコミュニティのメンバーであるティナさんが、ロサンゼルスをベースとするGOODを訪ねるなど、今回の旅から生まれた流れはいろんな方向に広がってきています。

ENGLISHコミュニティも手探りながらメンバー募集中なので、ご興味のある方はぜひご連絡ください!

(Text:木村絵里)


最後に:編集長YOSHより

こんにちは、greenz.jp編集長のYOSHです。ここまで読んでいただき、ありがとうございます!また、ご支援いただいたみなさまに心より感謝申し上げます。

READYFOR?にも書かせていただいた通り、出発前に考えていたのは「日本の元気を伝える」ということでした。そして実際に旅を終えて、さらに二つの”やるべきこと”が見えてきました。それが「日本らしい価値観を伝えること」、そして「世界進出をサポートすること」です。

「日本らしい価値観を伝えること」、それは何かを教えるというようなおこがましいことではなく、対話のきっかけをつくりたいということです。誰もが心を打つようなストーリーを持っているし、飲み会の場でも、満点の星空の下でも、そこで語られたストーリーが自分の中で新しい物語を生み出し、明日への糧になっていく。言語の壁を超えて、そんな機会をつくりたいと思っています。

もうひとつは「世界進出をサポートすること」。例えばWHILLのように、世界にうって出たいプロジェクトがあれば、メディアとしてできることを通じて心から応援したいと思っています。マイプロジェクトはこれからの世界で大切にしたいことに気づいていしまった人が、いてもたっても居られずはじめたことだとすれば、それはきっと世界の誰かにも響くはずだし、新しいあたりまえになっていく可能性がある。”わたし”と”世界”がひとつとしてつながっていることを、英語版を通じて表現してゆければいいなと思っています。

ny8

そんなことを思ったきっかけとなったキーワードを、最後にひとつシェアしたいと思います。それは「GO! LOCAL」という言葉です。

ニューヨークでは空前のLOCALブームが起こっていて、少し前の「ORGANIC」のように、スーパーには「LOCAL」と書かれたものばかり。でも「ブルックリンでつくられたチョコは、材料はブルックリンではとれない…どこまでがLOCALなんだろう?」と逆に考えこんでしまいました。

その次の週にあるワークショップに参加したときに、LOCALについて腑に落ちる言葉と出会いました。それは『リーダーシップとニューサイエンス』の著者であるマーガレット・ウィートリーさんの、「LOCAL is “the world in front of you”.」(”ローカル”とは、あなたの目の前の世界のこと)という言葉です。

世界にはたくさんの問題があるけれど、すべてを自分ひとりで解決することはできない。だから、それぞれの場所でがんばっている人を信じて、任せる勇気が必要です。今の時代、自分にとってのLOCALで丁寧に活動することが何より大切なのです。(マーガレットさん)

“自分にとってのLOCAL”とは、”自分ごとだと思える範囲”と言い換えてもいいかもしれません。世界中で活躍する彼女にとっては「My LOCAL is GLOBAL」であり、LOCALとは地域に限った話ではないのです。

そう考えると、僕にとってのLOCALも、グリーンズを続ければ続けるほど拡張しているように思います。マイプロジェクトを通じて健やかなLOCALが育まれ、LOCALとLOCALが出会うことで、またみんなにとってのLOCALが広がっていく。その積み重ねの先に「世界はひとつ」という、本当は誰もが知っていて、この世の中ではなかなか実感できなそうなことに、ハッと気付ける瞬間がきっと来るはず。そう確信できたのは、とても大きな出来事でした。

グリーンズでは、このENGLISHコミュニティの動きと同時に、「greenz LOCAL」(元アルバイト山田くんが編集長!)もじわじわ動き出しています。LOCALとGLOBALをひとつなぎに、心地よく行き来しながら、グリーンズを次のステージに上げてゆきたいと思います。

引き続きご支援のほど、宜しくお願い致します!

謝辞
「greenz TOUR in NYC」 は、以下の方々のご支援で実現できました。
ありがとうございます!

★★★★ GREEN サポーター ★★★
uekisamaUeki Nobuhikoさん
「世界はまだまだ日本を知らないし、日本は知っているようで世界のことも、日本のことも知らないですね。反応とっても楽しみです。」

tanemurasama種村文孝さん
「日本の希望を世界に届けるということにすごく共感します。
楽しみにしています。」

nosignersama太刀川英輔さん
「いつもありがとう!大応援!
greenzと一緒にやりたいことがたくさんあるよ!」

★★★ GOLD サポーター ★★★
池田美砂子さん、吉田道生さん、綾女欣伸さん、村上玲子さん、モリジュンヤさん、山田泰久さん、成田渉さん、三浦康幸さん、渡辺ゆうかさん、草野達也さん、須子善彦さん、野田賢一さん、蔵田真吾さん、秋元浩さん、戸澤豊さん、有福英幸さん、西村勇也さん、姉川夕子さん、高橋靖典さん、杉本有紀さん

★★ SILVER サポーター ★★
佐藤ひろこさん、熊谷珠美さん、犬竹久美子さん、松尾豊さん、野口直紀さん、兼松浩之さん、関根秀和さん、笠原孝弘さん、徳永一貴さん、秋元悠史さん、佐々木偉彰さん

★ BRONZE サポーター ★
小山あいさん、青木治夫さん、Tina Dhingraさん、緒方康浩さん、竹田真弓さん、大山真里さん、高田友美さん、古池勝也さん、丹野瑞紀さん、鈴木友美さん、キタハラマドカさん、イケダハヤトさん