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「Grow!」とクリエイティブ・コモンズが提携!コンテンツをオープンにし、クリエイターを支援するために

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1月に正式リリースしたコンテンツ製作者を支援をするためのプラットフォーム「Grow!」が、クリエイティブ・コモンズと提携し、新たな機能を追加しました。

Creative Commons(以下、CC)とは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称。CCライセンスはインターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、様々なコンテンツ製作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」という意思表示をするためのツールです。

今回はGrow! CCOのカズワタベ氏と、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事のチェン・ドミニク氏のお二人に、今回の提携についてと、コンテンツとクリエイターの関係についてお話を伺いました。

Grow!とクリエイティブ・コモンズの連携

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ワタベさん 現在、Grow!ボタンを設置したコンテンツを一覧できるページが、Grow!内に生成されるようになっています。このページではタイトルや、タグが編集でるようになっているのですが、今回の提携により各コンテンツごとに、CCライセンスを併記することが可能になりました。

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クリエイティブ・コモンズとは

ドミニクさん CCライセンスの登場まで、著作権はいわゆる著作権がある状態をあらわす「All rights reserved」と、パブリックドメインなどといわれる、保護期間が終了するか、もしくは権利が放棄されている状態のどちらかでした。

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CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。CCでは著作権を批判はしているけれど、否定はしていません。ただ著作権のバランスがおかしくなっていると私たちは考えています。Webというツールが発達したことにより、著作権違反が起こりやすくなりました。

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そこで、作者が自分で著作権のレベルを決められるようにする仕組みを作り、作者が自分のコンテンツをどう使ってもらいたいのかを、自分で決められるようにするために2002年にCCが作られたのです。

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様々なコンテンツをオープンに

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ドミニクさん 誕生以来、多くのサービスがCCライセンスを活用するようになってきて、既にFlickr、WIkipedia、YouTubeやVimeo、SoundCloudといった有名なCGMプラットフォームによって採用されており、2011年中にはウェブ上で4.5億個以上のCCコンテンツが確認されています。2009年にはアメリカでオバマ大統領が当選した際にはホワイトハウスのライセンスがCCになりました。最近でも政府系のライセンスも盛り上がっていて、オープンガバメントの動きや、政府の透明性を高めようという動きが盛んになってきています。そういえばgreenz.jpもCCライセンスで記事を配信していますね。

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ワタベさん この動きはもともとのインターネットの精神と近いものですよね。

ドミニクさん そうですね。今回、Grow!さんと親和性が高いと思ったのが、Grow!さんはグローバル展開をすでにしているということが挙げられます。クリエイティブ・コモンズは日本だとまだまだ認知度が足りていません。欧米ではコアなネットユーザーほどCCのことをを知っていて、ライセンスが付いているコンテンツを応援したいと思っている人が多い。グローバルで見たときに、コンテンツを応援するプラットフォームであるGrow!と親和性が高いと思っています。

クリエイターを支援する

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ワタベさん CCの良いところは作った人本人がライセンスを表明できるところですよね。法律に関する部分はクリエイター不在で決まってしまっていることが多い。そうするとどうしてもビジネスに寄ってしまう。そうなると権力持っている人の意思で決まってしまうことが多くなります。

それが、創作文化にとっては危うい部分があると思います。著作権という概念は大事だけれど、いき過ぎてしまうと、次が生まれなくなってしまうんじゃないかと思っています。Grow!のミッションのひとつ、クリエイター支援を進めていくためにはCCとぜひとも組みたいと思っていました。

ドミニクさん 中間業者や管理業者などがどんどん中抜きになりつつあります。これまではコンテンツの流通をおこなって、そこで得られた収益を分配するのに大きな労力が必要でした。Grow!のようなサービスが広まって、個人と個人がつながってP2Pでやりとりできるようになることで、新しい経済圏が生まれるのではないかと思います。

クリエイティブ・コモンズの枠の中でもクリエイションをサステナブルにするということはひとつ大きな課題だと思っています。ただ善意で配ればいいでは長続きしません。

だれかが公開した作品を利用して、収益をあげたとします。その収益は元のコンテンツの制作者にも還元されるべきだと思うんです。そのコンテンツに一緒にGrow!ボタンがついていれば、Grow!することでコンテンツを使用させてもらったときに、ありがとうを伝えることができるようになります。そんな可能性があることもいいなと思っていますね。

ワタベさん CC にはコンテンツを作った側から、自由に使っていいよという作り手側からの善意がありますよね。Grow! は使った側からの善意を可視化するためのツールなんだと思っています。この両方が成り立っているといい関係になることができそうだなと思います。

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ドミニクさん CCとしては、常に新しいクリエイションのあり方を考えていかないといけないと思っています。なので、もっともっとクリエイターとの対話の場を増やしていきたいですね。

ワタベさん Grow!とCCが広まっていくことで、コンテンツの創作と流通に関しての権利が人々の手にある状態がつくっていけるのではと考えています。連携してクリエイターのためになる社会を作っていきたい、そう思います。

(対談終わり)

今回のインタビューではコンテンツを創作することについての多くの興味深いお話を聞くことができました。今回ご紹介しきれなかったCCについて、より詳しく知りたいという方は、来月に刊行予定のCCの書籍『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック – クリエイティブ・コモンズによる創造の循環 –』をぜひチェックしてみてください。

クリエイティブ・コモンズについて調べてみよう。