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大量生産・大量廃棄ではない”これからのファッション”って?パルコ発「FIGHT FASHION FUND」出資者説明会に参加しました [イベントレポート]

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先日こちらの記事でご紹介した、若手ファッションデザイナーのビジネスを「みんな」で応援する日本初のファンド「FIGHT FASHION FUND by PARCO」。

2月13日(月)にその出資者説明会が行われ、出資先デザイナー2人が自ら出資を検討している方に事業を説明し、アピールしました。(※出資先デザイナーは3つありましたが、1つは事業内容変更によるスケジュール変更のため今回は不参加でした。)

Fight Fashion Fundの仕組みをおさらい!

おさらいすると、Fight Fashion Fundはこのような仕組みになっています。

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現在のファッション産業は、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済システムの中に呑み込まれ、こだわりのあるものづくりをしたいと考える次世代デザイナーが成長していくのが難しい状況にあります。また、商品製作も低コストな海外への移転が進み、日本の原材料や高い技術を持った職人や工場など、ジャパン・ファッションを支える基盤が継承されないという心配もあります。

そんな中、未来を切り拓いていく「才能」を応援していくため、このファンドが作られました。

2組のデザイナーからのお話

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最初に登壇したデザイナーは「JUN OKAMOTO」の岡本順さん。

10年ほどパリで過ごした後、帰国。地元・熊本でプレオーダーメイドのお店を展開したり、“さをり織り”や障害を持った方たちの描く絵とのコラボレーションを実現させたりしたという岡本さん。ファンドで集まったお金は、応援してくれる一人ひとりと、小さな喜びを共有しあうかたちでブランドを拡大していくために使いたいと話します。
(※詳しいインタビューはコチラ

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次に、ネクタイブランド・giraffeのデザイナー・中村裕子さんが登壇。

今回のファンドでは、新たに“2トーン”がテーマのファッションブランド「my panda(マイ パンダ)」の立ち上げを計画しており、今秋の初回生産分の商品開発等に今回のファンドを活用していきたいと考えていると話しました。
(※詳しいインタビューはコチラ

その後は出資者とデザイナーとの交流会です。実際に商品を並べ、自身の思いを肌で感じてもらいながら、一人ひとりの質問に丁寧に答えます。

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2人のデザイナーが共通して語るのは「購入してくれる個人一人ひとりとダイレクトに触れ合いたい」ということ。

岡本さん:取引しているお店には、もちろん買ってくれるお客さんがいて、その人たちの話を聞けることもあるのですが、直接僕がつながっているわけじゃない。

中村さん:(出資者と)一緒にブランドの今後を考えられるようなしくみを作りたい。

と話すとおり、ブランドの成長を共有しながら丁寧に前に進んでいくモデルを可能にするのは、ファンドの魅力の1つなのでしょう。

また、岡本さんが「直接お客さんとつながることで、よりリアルに売上を追求していく責任を感じている」とも話すように、間の仲介者がいなくなることで、目の前のお客さまのために何を提供していくべきかより明確に考えられ、ビジネスとしての刺激にもなります。

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参加者の声は?

逆に、来場者のみなさんもそれぞれいろいろな思いがあって参加された様子。参加者の声を一部ご紹介します。

もともとセキュリテを通じてレストランに出資していました。ほかにも面白い出資先はないかな?と思い見ていたところ、こちらを見つけて来ました。1口3万円は決して安くはないのですが、面白いお金の使い方になるので支援を検討していきたいです。

震災支援でセキュリテを知りました。たまたまサイトを見ているときにこのファンドを知り、もともとファッションに興味があったのと、面白そうなので来てみました。会社を経営しているので出資ということについてはあまり壁を感じていないです。

PARCOの社員さんの中にも、「面白そうなので」と出資を検討している方がいらっしゃいました。

すでに120万円が集まった!

実際には、出資目標額(=満額)はほぼ集まっており、ファンド成立要件である120万円に対しては、立ち上がり1週間で達成したそう。楽しそう、面白そう、という共感が、どんどんカタチになっているのでしょう!

「面白そう」という未来への可能性にお金を払うというわくわく感。なんたって、ファッションビジネスは夢を提供するビジネス。夢を身にまとい、今日の、明日の活力に変えることがファッションの力の一つ。その中で、購入してくれるお客さんと夢を一緒に見る以上に、一緒に夢を作るんだというわくわくした気持ちは、これまでファッションになかった新しい「夢」なのでは?

例えば中村さんは、my pandaを基軸として出資者のアイディアによる店頭イベントや「my pandaバー」といったスピンオフイベントなどもしたいと話します。そんな風に、多くの人を巻き込むことで、一人のデザイナーだけでは生み出せなかったブランドの夢が、リアルなものとなっていきそうですね。岡本さん・中村さんがこれからどんな夢を出資者と作っていくのか、楽しみです!