greenz people限定『生きる、を耕す本』が完成!今入会すると「いかしあうデザインカード」もプレゼント!→

greenz people ロゴ

「鎌倉の街中をリビングみたいにしたい!」自転車で移動販売するケーキ屋さん「pompon cakes」

photo by SaikoCamera

photo by SaikoCamera

街中で移動式のお店を見かけたときってなぜだか嬉しくなってしまったりしませんか?greenz.jpでもこれまでに、移動式の図書館だったり、コーヒー会社の紹介をしてきました。

そして鎌倉にも、見かけたら嬉しくなってしまいそうな移動式のケーキ屋さんが登場です。「pompon cakes」という名前のこのケーキ屋さん。いったいどのようにして誕生したのか、ケーキ屋を運営している嶺央さんにお話をうかがってみました!

“鎌倉の街の中をリビングルームにしたい”

Q:鎌倉で移動販売を始めようと思ったきっかけはなんだったんですか?

最初からケーキ屋さんを始めようと思っていたわけではないんです。鎌倉の路上でなにか楽しいことができないか。そう考えたのが始まりでした。

ヨーロッパだと道でパーティをしたり、映画を観たりしています。それがとても楽しそうで、自分が生まれ育った鎌倉の街で何かできないか、そう考えました。

photo by SaikoCamera

photo by SaikoCamera

“母親のケーキってうまいんだなぁ”

Q:どうしてケーキを売ろうと?

母親がお菓子研究家で、生まれたときからケーキが身近にある環境でした。小さいころからオーガニックな素材を使用して食べ物が作られていたんです。ところが、すごく気を使って料理をしてくれていたのに、小さいころはそれに反発していたんです。ほかの家の食べ物が美味しそうに見えていました。

卒業して社会人となって自炊を始めて、味が原点回帰したんです。「母親のケーキってうまいんだなぁ。」と思うようになり、自分が食べるものの素材が気になるようになりました。

街中で販売できるケーキ。オーガニックなんだけど、ファストフード的に人に提供できる。それが「ケーキ屋台ならできる!」そう思いました。

photo by SaikoCamera

photo by SaikoCamera

Twitterとか位置情報サービスとの相性の良さ

街中にランダムに出店しているので、お客さんの間では「出会ったら幸運!」みたいな感じになっているみたいです。

移動販売を始めてみてわかったのはTwitterとか、LBSと相性がいいということです。マメに情報発信していると、フォロワーも増えますし、リアルタイムに情報を発信していると、けっこう来てくれます。お店を始める前にも、デジタルとアナログなことをいかにうまく結びつけていくか。そういうところに持っていきたいと思っていました。

「おいしかったです!」とか「今日はどこにいるんですか?」といった声もTwitterを通してもらうことができて、お客さんと一緒にお店づくりができている感じがします。距離がすごく近いんです。お客さんから気軽に改善点を言ってくれるこの距離感がいいですね。

毎回買いにきてくれる人もいて、すぐに売り切れてしまう。お客さんととゆっくり話したり、夜遅くにやっているので、東京から帰ってくるサラリーマンが家族に買っていってくれたりする。そういったことがすごくうれしいです。

pomponcakes-web073

鎌倉という街に貢献したいことは?

外から見るとおしゃれなイメージがあるかもしれないけれど、まだまだ洗練されていない部分も多い。鎌倉という街はビーチと、街が一年 中開いている日本で唯一の場所だと思っています。鎌倉的な要素を持ちながら、都会的な要素も持たせて、若者が情報発信していけるといいと思っています。

この先は街の中にケーキ屋だけじゃなくて、街中で映画を観れるようにしたりだとか、ケーキ屋と一緒にレコード・レーベルをやってみたり、ケーキはケーキでやりたいけれど、「街の中をシェア」するような、公共空間をもっとおもしろくするような取り組みをもっと行なっていきたいですね。

最近ではカーゴバイクを買い始める人もでてきて、「一緒になにかやろう!」と声をかけてもらうことも増えています。法律上難しいところもありますが、街の中をワクワクするようにしていきたいと思っています。

photo by SaikoCamera

photo by SaikoCamera

街を思わずワクワクしてしまうこのケーキ屋さん。昔からあるお店の形態ですが、今だからこそ行う価値や、新しいツールとの組み合わせによって新しい体験を生み出すことができそうです。

みなさん鎌倉を訪れる際には一度、@pomponcakes に連絡してみて、ケーキを食べてみてはいかがでしょうか。

Photo by SaikoCamera