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これからは”共成長マーケティング”!TOYOTAが全国のNPOと水問題を解決する「AQUA SOCIAL FES!!」がスタート [What’s CSV?]

greenz/グリーンズ AQUA SOCIAL FES ウェブサイト

トヨタ自動車が12月26日、新型ハイブリッド車「アクア」を発表しました。リッター35.4kmという燃費と169万円~という価格はエコカーを一層普及させることに繋がるという意味で注目に値します。

しかし、グリーンズが注目するのは同時に発表されたこのアクアのキャンペーンである「Aqua Social Fes!!」です。これは、アクアの車名にちなんで、水にまつわるアクションを各地のNPOと協力して全国50ヵ所で行うものですが、これがCSV活動としても非常に面白いものになりそうなのです。


どんな内容?

まず、この活動が具体的にどのようなものかを説明すると、全国47都道府県の50ヵ所で、トヨタと地元のNPO、そして地元メディアが協力して「水」に関わる課題に取り組もうというもの。

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例えば、東京と神奈川で行われるのは「森から街まで。自慢できる鶴見川にしよう。」というプロジェクト。これは、グリーンズでも注目している神奈川県・鶴見川の上中下流それぞれの抱える課題に応え、鶴見川の原風景を取り戻すとともに、市民が集える川へと再生しようというもので、3月24日に第1回の活動として中流域をウォーキングしながら自然観察とクリーンアップを行います。

この3月のイベントだけを見るとよくある企業の社会貢献活動のようですが、このキャンペーンでは、そのような活動を地元のNPOと協力して何回も、しかも全国でやろうというわけです。

この鶴見川のプロジェクトには和光大学の学生を中心とした「かわ道楽」というグループが参加しているのですが、彼らは以前から鶴見川のクリーンアップ活動を行なっており、26日の発表会にも登場して「自分たちが楽しいと思ってやってきたことを、トヨタに応援してもらえるのは嬉しいし楽しみ」と話していました。


“共成長マーケティング”の時代

トヨタとしてはこのキャンペーンを「企業と社会と生活者が垣根を超えて成長する“共成長マーケティング”」と捉えています。単なる社会貢献でも販売促進でもなく、活動を行う中で企業としても成長し、同時に社会にも貢献する、そのような活動を目指したいというわけです。

発表会には、このプロジェクトでアドバイザーを務める慶応大学の岸由二教授と、グリーンズもいつもお世話になっているThink the earth理事の上田壮一さんも登壇しました。

上田さんは

ものづくりのプロと現場の再生のプロと地元のメディアが一丸となって取組む、しかもそれを全国規模でやるということはこれまでになかったんじゃないか。エコ・ネイティブ、ソーシャル・ネイティブの若い世代が活動に参加してくれれば素晴らしい結果を生むのではないか

とコメント。つまりトヨタが中心となって社会を巻き込んでいく活動になれば社会にとってよい結果が生まれるだろうということです。

このプロジェクトのポイントはこれがトヨタという一企業が行うプロジェクトでありながら、それが社会を巻き込み、トヨタという会社の問題を越えて社会の問題を解決していこうという活動であり、しかもそれがあくまでもトヨタという会社の本分である「車を作って売る」という活動の一貫として行われるということです。


今年さらに注目される”CSV”

最近、企業の社会との関わり方を考える際にキーワードとなっているのがCSV(Creating Shared Value)です。企業にとってCSVというものがどういうものかは先日行われたカンファレンスのレポートを読んでいただくことにして、重要なのは企業が社会と「課題を共有し、共有価値を創造する」ということです。この「Aqua Social Fes!!」が実現しようとしているのは水をめぐる問題という「課題を共有」し、新たな環境という「価値を創造」することなのではないでしょうか。

とまあなんだか難しい話になってしまいましたが、一つ一つのプロジェクトを見れば、それは地元のNPOがやってきたことを応援するというもの。その小さな活動に共感できるなら、これを機会にどんどん参加して、それが全体として大きな良い結果を生むかどうかちょっと注目してみてはいかがでしょうか?

AQUA SOCIAL FES!!のコンセプトカー

AQUA SOCIAL FES!!のコンセプトカー

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