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地域住民が共同でジャーナリストを雇う、新しい市民ジャーナリズム「Spot.us」

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適正な取材に基づき、正確な情報をわかりやすく世の中に伝えるのが、ジャーナリズムの役割のひとつ。しかし、米国では、新聞業界を中心に、大幅なレイオフや、休刊・廃刊が相次ぎ、とりわけ、地域密着型のニュースが、以前ほど、広く採り上げられにくくなっています。そこで、この課題に対し、地域住民によってローカルジャーナリズムを支えようという取り組みが、「Spot.us」です。

「Spot.us」は、住民自身が知りたい地元ネタを提案し、これに賛同する住民が共同でコストをまかなって、プロのジャーナリストに取材や執筆を委託するという、ローカルジャーナリズムのためのオンラインファンドレイジングサイト。現在、米国のサンフランシスコ・ベイエリアを対象に展開しています。

具体的な仕組みとしては、ユーザが、取材・執筆してほしいテーマと、このために必要な資金の目標額を投稿。投稿内容は「Spot.us」のウェブサイトで公開され、賛同する他のユーザは、これに出資することができます。出資額が目標に達すると、プロのジャーナリストが取材をもとに記事を起こし、編集者がこれをチェック。「Spot.Us」やその他の地元メディアを通じて、ニュース配信するという流れになっています。

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従来、ローカルジャーナリズムの役割を担ってきた地域メディアの衰退と反比例するように、地域住民を中心とする“市民ジャーナリズム”が台頭。一般ユーザが”現場レポーター”となるオンラインプラットフォーム「Tackable」など、市民が情報発信に参加する“直接型”市民ジャーナリズムの取り組みもいくつかありますが、これらに対して、「Spot.Us」は、情報収集プロセスをプロのジャーナリストにゆだね、情報の信頼性や正確性を担保しようとする、”間接型”の市民ジャーナリズムを志向しているのが特徴です。

「Spot.Us」は、今後、対象エリアの拡大も検討中だとか。ジャーナリストと市民をつなぐプラットフォームとしても、潜在的な可能性を秘めた取り組みといえそうです。