【インタビュー】これから震災とどう関わり続ける?「みちのく仕事」の中村健太さんに聞きました。(後編)

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前編に引き続き、「みちのく仕事」の編集長・中村健太さんに、震災との向き合い方についてお話を聞きました。今回は、「みちのく仕事」のコンテンツ「右腕求人情報」のお話を中心に、そこから見えてくる中長期に渡る震災との関わりについて、考えてみたいと思います。

右腕求人情報とは?

“右腕”とは、東北の復興に向けて動き出した人たちとともに、文字通り彼らの右腕となって働く人のこと。「右腕求人情報」では、震災後に立ち上がった復興支援プロジェクトや、既存NPO法人の被災地支援活動など、様々な活動に中長期的に関わる求人情報を掲載しています。

中長期に渡る復興支援の“右腕”を募集する「右腕求人情報」

中長期に渡る復興支援の“右腕”を募集する「右腕求人情報」

特徴は、月10万円〜15万円ほどの生活支援金が支給されること。生きて行く上でどうしても必要となるお金を支給することで、継続的に支援に関わりたい人を支援しています。

中村健太さんインタビュー(前編からの続き)

生活支援金を提供して、より深く関わってもらう仕組み

—今回は仕事として復興支援に関わることについて考えていきたいのですが、「右腕求人情報」では支援に関わる求人情報が掲載されていますね。

はい。僕としてはそういう情報を出していきたい気持ちがあって、ETIC(「みちのく仕事」のパートナー)はいろいろなプロジェクトとつながっていて、お互いの得意な部分を活かして「一緒にやればいいじゃん」と言う話になって始めました。ETICは被災地のプロジェクトに対して、“右腕”と呼ばれるような、水産業や工場をやっているような元々ある仕事もそうだし、応援しに行ったプロジェクトもあるし、そういう人たちに対して支援するというスキームがあったので、それをメディアを通して募集したらいいんじゃないか、と思って。「みちのく仕事」のメインはインタビューではあるんだけど、よりプロジェクトを理解した上で、共感してくれる人に行ってほしいので、連動して募集しているという感じです。

—生活支援金が出るというのはすごく大きいですね。

実際に行く人に対して、生活支援金を提供して、より深く関わってもらう仕組みになっています。ボランティアで行くとなるとやっぱり限界もあって、最初の一週間や夏休みはいけるかもしれないけど、生きていくにはやっぱりお金も必要になるし、しかも単にマンパワー以上の支援を求めているものもある訳で。専門性を求められていて、その人をフルタイムでコミットしていかなきゃ行けない場合もある。そのために必要なお金として、生活支援金が支給されることもある、と。

—そして長期にわたる支援。

そう、本当に1週間とかじゃなくて半年や1年の本当に長期の関わりができる人の募集。”右腕”なので。現地で元々やっていた人に対してその人をサポートする役割なので、ゼロからプロジェクトをつくるというよりも、既にそこで生活していた人とか、新しく始めた人を支援するっていう”右腕”なんだよね。

—応募の状況は?

やっぱり応募者はそれなりにいるみたいで、募集に対して順調に反応がある状況です。僕も何人か会ってるけど、みんな若くて、行動力がある。もともと状況が自由であった人が多くて、フリーでやっていた人とか、卒業間近だった学生もいます。

現在募集中の求人も多数。インタビューと連動して求人情報を伝える。

現在募集中の求人も多数。インタビューと連動して求人情報を伝える。

仕事に対して漠然と悩んでいる人にとっては、すごくいい機会なのかもしれない。

—みちのく仕事は、被災地と関わり続けたいと思っている人たちに対する情報提供の役割を担っていると思っていて、そこから行動を起こすという影響も与えていくのかな、と思っています。「何かしたい」と思っている気持ちの受け皿というか。

それは僕も思っていて、現状は目的意識を持っている人が多いんだけど、今後は、漠然と何かしたいと思っている人に対しても、こういう機会があるんだ、っていうのを考えてもらうきっかけになればいいかな、っていうのは考えています。やっぱり大学生とかが多いけど、一回社会人になった人でも、それに関わって自分のことを考えるきっかけにもなるかもしれない。少なからず生活支援金もあるし、必要とされているんだからそれに対して応えるというのもすごく大切だと思うし。

仕事で悩んでいる人って、自分と乖離したものを要求されたりとか、だれでもいいような仕事と思っちゃって悩んじゃっている人も多いと思うけど、被災地に行って支援するというのは、目の前に人がいてその人が必要としているという実感がより沸きやすいものだと思うんだよね。そういう関わりが、全てではないけど、健全な働き方じゃないかなと思っているんです。

僕が思うのは、そういうのを続けていくと、本当の仕事にもなっていくような感じもしていて、とりあえず入ってみて、全然違うプロジェクトを立ち上げたけどそれがある種の生業になっているひとたちも見るわけですよ。まずは行って、必要なものにちゃんと応えていって、「こういうことが必要なんじゃないか」「こういうことやってみろよ」という話になるような気がしていて。そういう意味でいうと、本当に仕事に対して漠然と悩んでいる人にとっては、すごくいい機会なのかもしれない。

—自分ではプロジェクトを立ち上げるような力がないんじゃないかと思っている人でも、必要とされているものに応えていくことで変わって行く。そのきっかけづくりになる情報ですね。

そうそう。サラリーマンで、もやもや悩んでいる方は、究極を言えばもっとがんばれば何とかなるのかもしれないけど、そこにはやっぱり給料をもらってそれに応えると言う関わりがあるわけですよ。でも被災地での関わりと言うのは、お互いに必要とされてそれに応えるという、お金を超えた打算的じゃない、目の前に困っている人がいたらその人に贈り物をするようなスタンスで関わるということになりやすいものだと思っていて、そこから自分の中でシステムみたいなものが見つかり、発展していくこともあるんじゃないかな。それが仕事になることもあるだろうし、全然違うものになるかもしれないけど。

—そういう人がいたらぜひインタビューしてきてください。

はい。そういう人はいますよ。被災地にはお金を超えたものがあると思う。本当に純粋に、まずは行ってみて役割に応えていくというのはいいんじゃないかと思うし、そういう人はいるからね。

—これからも、やはり淡々と?

はい。今週は牡鹿、石巻、女川に行って、1ヶ月に1度のペースでこれからも現地に行きます。

—寒くなってきますね。

それもいいんじゃない。そうなってからも行ってみたいな。雪が降る中とか。もうだいぶ涼しいって言うからね。

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復興支援と関わり続ける人のインタビュー、そして長期的に復興支援に仕事として関わる具体的方法を提示する求人情報を通して、私たちに震災を“自分ごと”として捉えるきっかけを与えてくれる「みちのく仕事」。半年という節目を機に、そのコンテンツが投げかけてくれる継続して行くことの意味と気付きのきっかけを、改めて真摯に受け止めてみたいと思いました。

インタビュー前編はこちら

支援活動の“右腕”になる。「右腕求人情報」を見てみよう。