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オープン編集会議で「これからのグリーンズ」をみんなで考える、green drinks Tokyo「祝5周年!これからのグリーンズ」レポート #gdTokyo

グラフィックファシリテイターの井口奈保さんによるグラフィックレコード

グラフィックファシリテイターの井口奈保さんによるグラフィックレコード

greenz.jpが毎月第2木曜日に開催しているネットワーキングパーティ「green drinks Tokyo」、7月16日でgreenz.jpが5周年を迎えたということで7月はちょっと趣を変えて「祝5周年!これからのグリーンズ」というテーマでワークショップを行いました。

今回参加してくださったのはグリーンズをいつも支えてくださっている読者の精鋭約60人、その60人が10のグループに分かれ、ファシリテーターの西村勇也さん、グラフィックファシリテイターの井口奈保さんの協力もいただいて、「これからのグリーンズ」についてあーでもないこーでもないと話していただいたその模様をレポートでお伝えします。


これまでのグリーンズ、これからのグリーンズ

話し合いに入って頂く前に、greenz.jp発行人鈴木菜央から皆さんに伝えたい事を語ってもらいました。手前味噌ながら感動的でしたので、ちょっと長めに掲載します。

greenz/グリーンズ gdTokyo201107 鈴木菜央

家で原発のニュースを見ていたら6歳の娘に「パパ、大人はなんで直せないものを作るの?」って聞かれたんです。それにうまく答えることが出来なくて、自分も小さな頃からいろいろな疑問を持っていたということを思い出しました。

「なんで殺し合いはいけないって学校で教えるのに、戦争はなくならないんだろう」とか、「なんで人間は平等だって言いながら、多くの人が貧困の中にいるんだろう」とか。そして、「なんで命を大事にするっていうのに、福島の子供たちは年間20mSvなんていう基準の環境で生きていかなきゃならないんだろう」とか。

みんなの中にある「本当のもの」を探求する気持ちから出てくる理想と、いまの世の中を覆っている現実というのがあまりにかけ離れています。そのギャップはすごく悲劇的です。このギャップを埋めることはできないのでしょうか?大人になったら理想を捨てるべきなのでしょうか?理想を語って、その理想に向かって活動していくというのは現実的じゃないのでしょうか?

実は、理想を徹底的に語って、現実をグイグイ変えて行こうというのが僕個人のgreenz.jpをはじめた理由でした。

「みんなが幸せになるために、みんなのエネルギーを使って、それで幸せを感じられる人が増えたらすごくない?」
「世界中で開いてる部屋に泊まって旅ができたら、省エネだしお金もかかんないし、世界中に友だちもできて、コレってすごくない?」
「アウトドアでウェディングしたらお金もかかんないし、自分らしくできるし、小さな子供がいる友だちも来れるし、コレってすごくない?」

そのために、こんな感じで理想と現実を少しでも繋げられるようなグッドアイデアを毎日届けるということをやってきました。

でも世の中っていうのはまだまだ変わっていません。

グッドアイデアを伝えることがゴールではなく、一人ひとりがグッドアイデアで世界を変えることが目標でありゴールです。3.11以降スタッフとみんなでそのゴールに向けて何をスつべきかを話し合った結果、グリーンズはオープン化を宣言することにしました。

このオープン化には3つのキーワードがあります。
1. オープンプロセス=編集プロセスのオープン化
今のグリーンズには力不足の部分があります。例えば、インタビューをどんどん原稿にまとめていく力が足りない。それを例えばインタビューのmp3データをよってたかって文字おこしするソーシャルテープ起こしチームというのを作って対応できるようにする、そのようにして、いろんな人がいろんな立場でかかわれる編集システムを作っていきたいのです。

2. オープンビジネス=会計のオープン化
関わってくれるみんなに「オラがメディア」と思ってもらえるように、お金の流れを見えるようにしたいです。そして、例えば個人でも1クリックで記事広告が出せるようなシステムを作って経済的にもみんなで支えられるようにしたいのです。

3. オープンソース=誰にでも利用できるように
これから、いろんな仕組みを試してみて、ウェブメディアのマネタイズは何がうまく行きやすいのかということを分析して、その結果をオープンにすることでNPOとか中小企業とか、世の中を面白くしたいという人がメディアのパワーを最大限活用できるように、そういうところを応援していきたいと思っています。

このオープン化によってグリーンズがみんなのものだということを宣言したい。

greenz/グリーンズ gdTokyo201107 2

いままでのグリーンズはメディアでした。これからのグリーンズはメディアであり、ムーブメントであり、コミュニティになっていきたい。

私の尊敬するPCの発明者アラン・ケイは「未来を予言する一番の方法はその未来を自ら作り出すことだ」と言いました。もうひとり文化人類学者のマーガレット・ミードは「熱意を持った市民が何人か集まれば世界は変えられる。それ以外の方法で変わった例はない」と言いました。僕は本当にそう思うし、皆さんと未来を作っていきたい。

理想を語って現実を理想に引き寄せよう。それが私がグリーンズを通してみんなと一緒にやっていきたいことです。グリーンズはみんなの社会変革のインフラになりたい。みんなで未来の扉をオープンしていきたい。そう思っています。


greenzオープン編集会議

オープン化を宣言したグリーンズのオープンプロセスの第一歩である「オープン編集会議」がこのあと早速行われました。そして、この会議のファシリテーターの西村勇也さんはテーブルごとのテーマに沿って「これからグリーンズが新しい企画を始めるとしたらどんなことを期待するか」を考えて欲しいとはなし、会議が始まりました。

今回の編集会議では、各テーブルの一人が記録係として入り、その結果を最後にシェアしました。その発表時間はなんと15秒!その短さに発表者は戸惑う中、発表が進むとともに会場はなんだか変なテンションに!

ここでは、会議後に記録係にまとめてもらった「ダイアログのなかで盛り上がったところ」と「グリーンズとコラボできそうな企画アイデア」を出来上がったペーパーとともにまとめて掲載します!


1. 政治

greenz/グリーンズ gdt201107 政治

◎ 盛り上がったところ
・アメリカでは政治家がダメすぎるので、ついに木を立候補させる運動があったらしい
・日本の政治家のレベルに合わせたレベルの低いWikiLeaksが必要?
・沖縄のおばあを内閣に迎えなければならない法律ができたらいいかも?

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・政治家が居眠りしたらプッシュ通知でお知らせしてくれるiPhoneアプリ
・Facebookで疑似選挙したらどうなる?企画


2. 働き方

greenz/グリーンズ gdt1201107 働き方

◎ 盛り上がったところ
・greenz.jpの立ち上げメンバーひろみさんが語る、greenz誕生秘話と暗黒時代(笑)
・理想の働き方は (1)自分が納得できて、(2)共感できる仲間と一緒に、働くこと。
・固定の型(時間と場所)の中で働いているサラリーマンにとって、そこから抜け出すことは憧れだけど、難しい。

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイディア
・置かれている状況や興味など、自分と共感できる人を見つけられるサイト
・greenzの読者層の分類(例えばG3=エコとかに興味あって行動したいけどできてない人、G4=興味はあるけど行動おこす気はない人)にあたる人たちを取り上げて、その人たちをgreenz.jp紹介する。自ら投稿できるようにしてもいい。
・色んな働き方をしている人をカテゴリ分けして、自分と似ているという人を探せる仕組み。


3. 場づくり

greenz/グリーンズ gdt201107 場づくり

◎ 盛り上がったところ
・“場”とは:人が集まるだけでは場ではない。何かが起こるきっかけを生む場所。円で描いてしまいがちだが、点が繋がり、線になり、つながっていく。または括弧{()}がひろがっていくイメージ
・日本の場づくり:きっかけを少し投げかけると動き出す。空間設計もソフトからつくっていくことを重視。
・今場づくりで求めている人:キャスティングができる人、この人はこんなことができる・何をやっているかの情報を持っているナレッジコンシェルジュ

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・自分が参加していないところでも面白いこと・場をシェアできる→点と点が繋がって場になるように、場と場をつないでいく
・色んな場をつくっていくための場をつくる場所
・キャスティング


4. シェア

greenz/グリーンズ gdt201107 シェア

◎ 盛り上がったところ
・シェアしたいものを考えることは自分の価値観を考えること。
・一緒に苦労(つらい体験・秘密の体験)をした人とはずっと友達でいられる
・関心の無い人たちとどうやって気持ちのシェアをしていくか

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・人材バンク
「greenz.jp自体素晴らしいネットワークがあるのでそれが繋がることでグッドアクションが起こせるのでは!」ということで、greenz.jpがハブになり、関わっている人たちそれぞれの能力をシェア
・大人合宿
「夜22:00を過ぎてから生まれるものって沢山あるよね!」ということで、映画を見る、スポーツをする、語り合う、など一夜のテーマを決めて合宿をする。番外編で修学旅行などの企画も!
・一人ひとりが言いだしっぺの場所
気軽にアイデアを出せて、良し悪しはgreenz.jpに関わる人それぞれの能力でフォローできる環境作り。
* 「greenz.jpは信頼できる土壌が出来上がっている。」「green.jpが企画したものなら面白い人が集まってきて、なんでも面白くなりそう!」というところから生まれたアイデア


5. ソーシャルグッド

greenz/グリーンズ gdt201107 ソーシャルグッド

◎ 盛り上がったところ
・ソーシャルグッドは「いいね!」を押して応援する側にも、自分がActionを創っていく側にもなれる。
・give voice to voiceless(声なき声に力を!)
・3K×100で、とんがったNPOでもソーシャルグッドで認定になれる時代に、実は「江戸城再建を目指す会」という認定NPO法人もあるという事実。
番外編〜イケダハヤトさん登場、ソーシャルグッドの定義を発表時(笑

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・3K×100でクールなNPOを応援し、一晩で認定にしちゃおう!パーティー
・グッドな活動をgreenzがセクシー=魅力的にデザインコーディネーション
・一見、campfireのようなソーシャルファンディングサービスだが実は金銭無し、マイプロジェクトのチ―ム集めだけを行う、webプラットフォームを創る。


6. オフグリッドな暮らし

greenz/グリーンズ gdt201107 オフグリッド

◎ 盛り上がったところ3つ
・生活を「買う」のではなく、つくれるところは自分で「つくる」方が感覚的に気持ちがいい!
・生活がオフグリッドになればなるほど、ひとのつながりが強くなり、それが価値になる。
・オフグリッドな生活の価値たとえば「子どもがごはんをたくさん食べるようになった」など、体験してみなければわからないことが多い。だからもっとトライアルできる機会が必要なのではないか。

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・オフグリッド生活体験プラットフォーム
「オフグリッド生活」と呼ばなくてくてもそれに近い生活を体験することができる田舎。みんなの田舎を共有(ここに使っていない部屋があるよ、庭があるよ、場所があるよ)することでより気軽にトライアルできる機会を提供する。


7. ローカル

greenz/グリーンズ gdt201107 ローカル

◎ 盛り上がったところ・そもそも『ローカル』の定義ってなんだ?・green.jp VS 地方メディア⇒greenzを戦わせる、各地のオーガナイザーとして
・将来的には『greenz党』が与党となり、日本を本当に変えていく
・僕、私はこんなにgreenzが大好き合戦

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・green drinks NIPPON、green drinks Summit
全国に広がるgdをgreenzがまとめて一つに集めたら楽しそう! *なんと8月に早速開催!
・ローカルの問題、悩みを他のローカルがアドバイス、アイデアを出し合う場を作る。例えば、夕張の問題を皆で解決!⇒greenzの持つ、ネットワーク、横の繋がりを活かす。


8. 自然エネルギー

greenz/グリーンズ gdt201107 自然エネルギー

◎ ダイアログのなかで盛り上がったところ3つ
・そもそもエネルギー利用に対する意識を変えないといけないよね
・発電がエンターテイメントになったらいいのに
・継続する仕組みをデザインしないといけないよね

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・自然エネルギー発電のフランチャイズモデルをつくる!
・パーソナル発電を盛り上げるためのムーブメントづくり


9. 多様性

greenz/グリーンズ gdt201107 多様性

◎ ダイアログのなかで盛り上がったところ3つ・きっかけがあれば多様性の面白さに気づく人が大勢いる。初めの一歩が一番難しい。若者、多忙な社会人、時間はあるけど保守的になっている年配の人、そんなひとびとに初めの一歩を提供するクリエイティブな企画をつくっていこう。
・復興に向けていい意見が出ない理由の一つは国会議員に多様性がないからである(女性 が少ないし、境遇が似ている人が多い)。多様性がないと柔軟な発想ができない。
・移民が増えればアイデアを輸入することができる。国際結婚は大きな学びの機会である。第二公用語として英語を採用!?

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・greenz.jpは企画の魅せ方が上手。企画をキラキラさせる魔法の粉機能を持っている。「もののみかた」を変えたり「多様性の面白さ」に気づくきっかけになる企画に幅広い人を呼べるのがgreenz.jp。例えば、養護施設の子供が様々な大人とできる交流企画、大人が自分とは異なる仕事を体験する企画、保育の体験


10. 学び方

greenz/グリーンズ gdt201107 学び方

◎ ダイアログのなかで盛り上がったところ3つ
・芽が出ないときにどうするかなど、”農”から生きるために必要なことが学べる。
・自分でカリキュラム、師事する先生を決める「自分大学院」ってどう?
・人に教えることが一番の学び、全員が先生になれたらいいのに。

◎ greenz.jpとコラボできそうな企画アイデア
・「誰もが先生になれる」を実践する場としてのウェブマガジンを作る。例えばシニアgreenz.jp、キッズgreenz.jpなど


最後に鈴木菜央から「今日で終わるんじゃなくて、普段からこういうコトやろうよって言ってもらえたり、こういう人がいるから一緒にやろうよって言ってもらえると嬉しい」と一言、そして編集長兼松から「今日はグリーンズってこういうものでしょってみんなに言ってもらえて嬉しかったです」と締めの一言があり、飲み会スタイルに突入しました。

8月のgreen drinks Tokyoはグリーンズも企画に関わる8月末のカンファレンス「VISIONS」の前夜祭として、「これからのまち→これからのNIPPON(green drinks Japan サミット!)」というテーマで開催します。

これからのまちのあり方、これからのNIPPONにご興味ある方は、ぜひ以下をクリックして詳細をチェックしてください!

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