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2011年のバックミンスター・フラーは、海と人類の共存共栄を実現する「Blue Ventures」に決定!

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by acme.

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社会的課題の解決に取り組むプロジェクトを表彰する、年次国際コンペティション「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」は、このほど、35カ国以上165件の応募の中から、2011年度の受賞プロジェクトを発表。さて、この栄えある賞に選ばれたのは、どんなプロジェクトなのでしょう?

2011年度「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」を受賞したのは、「アショカ・フェロー(Ashoka Fellow)」のAlasdair Harris氏を中心に、マダガスカルで、海洋生態系の保護と、地域住民の生活の向上に取り組んできたソーシャルベンチャー「Blue Ventures」。

従来、この地域は、食料も経済活動も、近海の水産資源に依存してきましたが、近年、乱獲などにより、生態系が損なわれ、捕獲する魚の量もサイズも減少。次第に、人々の暮らしも貧しくなってきたそうです。この課題に対し、「Blue Ventures」は、「自然の生態系を保護する上で、この資源に依存してきた人々の生活を切り離すことは不可能だ」と考え、海洋生態系を保護しながら、地域住民の生活を向上させる、“海と人類の共存共栄”に取り組んできました。

2011 Winning Solution- Blue Ventures from Buckminster Fuller Institute on Vimeo.

具体的な活動としては、まず、専門家からの協力を得て、近海の生態系や漁の実態を、科学的なアプローチから徹底的に調査。この結果に基づき、持続可能なビジネスの視点から、海洋保護と地元の経済的・社会的発展に向けた戦略や仕組みを立案しました。さらに、地域住民に、環境教育や、持続可能な漁法の訓練、家族計画のサポートなど、生活の質の向上につながる知識やスキルを幅広く伝え、コミュニティ主導で、この戦略や仕組みを運営できるようにしたそう。これによって、壊れかけていた海洋生態系は回復の兆しを見せ、地域住民の生活も持続可能なものへと改善されはじめています。

「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」は、「Blue Ventures」が科学的アプローチとサステナブルビジネスのアプローチをうまく活用し、地域住民に知識・スキルを身につけさせ、地元コミュニティが主体となって、自然の生態系と人々の持続可能な共存共栄を実現したことを高く評価しています。

“海洋生態系の危機”という課題を一面的に捉えるのではなく、これに関連する様々な課題を多角的な視点から洗い出し、これらを連関させた上で課題解決策を導きだしている点も見事ながら、外部からの”お仕着せ”ではなく、これらの課題に直面している当事者の地域住民が主体となって、これを実行している点は、画期的ですね。同様の課題を抱える他の地域への展開はもとより、今、私たちが抱えている様々な課題の解決においても、学ぶべきことがありそうです。

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