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ローマ教皇と国際宇宙ステーションがテレビ電話で会話!?話題は「地球の平和と再生可能エネルギー」

photo by NASA

photo by NASA

先日最後の飛行を終えたスペースシャトルエンデバーが国際宇宙ステーションに滞在中の5月21日、なんとバチカンのローマ教皇とステーションの乗組員の会談が実現しました!ローマ教皇が宇宙ステーションと会話をするのは史上初!しかも、宇宙飛行士とローマ教皇というすごい顔合わせで話し合われたのは地球の平和と再生可能エネルギーの話題だったのです。

まず教皇は、宇宙から地球ときに、そこで暮している人々の暮らしのあり方について不思議に思ったり、科学が平和に貢献できることに疑問を覚えたりすることはないか質問しました。そして、エンデバーのマーク・ケリー司令官に、1月に銃撃を受け重傷を負った奥さんのガブリエル・ギフォード・アリゾナ州下院議員の回復を祈っていると付け加えました。

greenz/グリーンズ 宇宙会談 教皇

ケリー司令官は感謝を述べた後、宇宙ステーションで研究中の太陽光発電は「際限ないほどのエネルギー」を生み出していると述べ、この技術が地球上にも応用できれば現在エネルギーをめぐって起きている抗争や暴力を減らすことができるはずだと答えました。

次に教皇は宇宙から地球が健康に見えるかどうかを尋ねました。それに対してNASAのロン・ギャラン宇宙飛行士は宇宙から見ると地球は言語に絶するほど美しく、しかし同時にどれほど壊れやすいかも明確な形で見えると答えます。その壊れやすさとは地球が「紙ほどの薄さの大気によって宇宙と隔てられ、すべての生き物がそれに守られている」という事実にあるというのです。

しかし宇宙ステーションにいると、「ここで互いに協力することで、地表でも私たちは解決しなければならない火急の課題についても共同で対処できるはずだと考えるようにもなる」といいます。国際宇宙ステーションは16の国が10年の歳月と1兆ドルの費用をかけて完成させた壮大なプロジェクト、このような協力関係が築けるのなら、地球でも協力して課題の解決に取り組めるはずだというのです。

greenz/グリーンズ 宇宙会談 ステーション

すべてのスペースシャトルの引退が今年の7月に迫り、宇宙計画自体が見直される時期に来ていますが、宇宙での実験と共同の取り組みから地表にいるわれわれは新たな情報や教訓をまだまだ得ることができます。大げさかもしれませんが、ローマ教皇は、世界の平和のために、国や人種や宗教を超えて協力すること、そのためには再生可能エネルギーの可能性を追求すること、それが重要だと宇宙との会話を通して私たちに伝えたかったのではないでしょうか?

この会談の様子の完全版はこちら!