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新聞紙×折り紙という新しい形のエコバッグ、『四万十川新聞バッグの作り方』を四万十川から世界に向けて発信中!

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市場で品物を新聞紙でくるむのはよく見かける光景ですが、「四万十川新聞バッグ」はちゃんと取っ手のついたお洒落な手提げバッグ。新聞紙でできているとはいえ、しっかりと強度があり使い勝手も申し分なし!

なんとこの折り方を発案したのは、四万十川流域に住む地元のおばちゃんなのだとか。海外からも注目を集めるこのエコバッグは、地元の企業、主婦、デザイナーがタッグを組んで開発したもの。あなたもその「作り方」を手に入れて自分オリジナルの新聞バッグをつくってみませんか?

<地元のおばちゃんが折り方を考案!>

もともとこの新聞バッグはグラフィックデザイナー、梅原真さんの発案によるものでした。梅原さんは長年高知でデザインの仕事に携わり、「一次産業×デザイン」という新しい付加価値で多くの商品やプロジェクトを成功に導いてきました。なかでも高知県黒潮町の砂浜で行ったTシャツをひらひらさせるアートイベント「砂浜美術館」は有名で、ご存知の方も多いでしょう。

四万十川_チャリ旅

この梅原真さんが著書『ニッポンの風景をつくりなおせ』の中で、新聞バッグを思いついたきっかけについてこんな風に語っています。

四万十川流域から依頼される商品のパッケージデザインは、全て環境に配慮したエコ素材を使うわけにはいかず、どうしてもペットボトルやフィルムを使用することになる。気になっていたせいかある日、そのバランスをとるため「流域で販売される産物は全て古新聞紙で包もう」というアイデアが浮かんだ。(『ニッポンの風景をつくりなおせ』より)

この「新聞紙で包む」というアイディアを元に、バッグの作り方を考案したのは、四万十川流域に住む地元の主婦(通称、伊藤のおばちゃん)でした。バッグの商品化を中心になって進めた四万十ドラマという地元の企業も加わり、試行錯誤の末、取っ手が付いて頑丈で見た目もお洒落な新聞バッグが誕生しました。

※販売している四万十川新聞バッグは、高知新聞でつくられています

販売している四万十川新聞バッグは、高知新聞でつくられています

材料は、新聞紙と糊だけ。糊は色々試した結果、洗濯のり(でんぷんのり)が一番よいことがわかりました。新聞紙を折って糊で貼るだけですが、意外にこの折り方が難しいのだそう。このバッグ、今でも注文が入ると近所のおばちゃんたちが担い手となって、手作業で作られます。

 その後、このバッグは道の駅でレジバッグとして発売され、地元の人々も知らぬ間にボストンのミュージアムショップに置かれたり、イギリスのポールスミス社から注文があったりと注目されています。

現在この新聞バッグの取組は特定非営利活動法人 RIVERで行われており、売上の一部が四万十川の保全のために使われます。

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<バッグだけでなくレシピを広める>

「四万十新聞バッグの作り方」のウェブサイトでは、新聞バッグとそのレシピをオンライン販売しています。レシピ付きはA~Dタイプと4種類あり各々1000円(税込)、大中小のバッグ3点セットはレシピなしで1000円(税込)。*
*送料は別途。

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 新聞で作られたバッグ一つに1000円?とちょっと高めに感じるかもしれませんが、これはバッグだけでなく「バッグの作り方」、つまりレシピの値段でもあるのです。

当初、作り方は企業秘密として公開していませんでしたが、新聞バッグそのものより作り方の方が価値を感じてもらえるのでは、とレシピ付きで販売するようになりました。

さらに多くの人に作れるようになってほしいと、インストラクターの養成講座も始めました。毎奇数月に、四万十とおわの道の駅でワークショップが行われます。講座を受けた方は、四万十川新聞バッグの作り方を各地で教えることができます。今やこのインストラクターは全国に98人もいるそう!

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昨年秋には初めて『四万十川新聞バッグコンクール』を行い、全国から450点ものバリエーションの新聞バッグが出品されました。優勝したのは静岡県沼津市の越智直子さんの「マトリョーシカ」。ロシアのマトリョーシカのように、20個もの新聞バッグが次々に中から出てくる作品でした。

他にもさまざまな形やアイディアの新聞バッグがあり、伊藤さんのオリジナルレシピを元に、全国で新しい新聞バッグが生まれていることがわかります。
その他の入賞作品はこちら。

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日本の地元発のアイディアを世界に向けて発信する。

それも夢ではないことが、この四万十川新聞バッグの広がりに感じられます。

“四万十川新聞バッグ”をさっそく購入!