ISSUE☆連載 DIYウェディング見本帖

6 years ago - 2010.11.12

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あなたのウエディングはどこでする? 新しい会場選びの形

写真すべて:SaikoCamera

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既存のウエディング会場であるホテルや専門式場といった「箱」を飛び出した場所を選ぶことで、主役もゲストも等身大でウエディングを楽しみながら一緒に思い出を作れる、それがH.O.Wが考える「HOW to wedding」であり、「Happy Outdoor Wedding」です。

ゴージャスなホテルも素敵、カジュアルに楽しめるレストランもいい。でも、それ以外にも選択肢があると思いませんか?

前回、高尾山でのキャンプウエディングをレポートしたgreenzライター & H.O.Wの柿原です。前回の高尾山ウエディングのレポートには、「こんな式なら参加してみたい!」「これぞ理想のウエディング!」「今後はあらゆる場所が式場になりそう」などなどたくさんの反響を頂きました。みなさんも「私だったらあの場所で……」なんて色々イメージされたのではないでしょうか?

今回は、「ウエディング会場選びの新しい形」をテーマに、もうひとカップルのアウトドアウエディングを紹介します。

今回H.O.Wがレポートするのは、瀧島忠典さん、麻耶さんご夫妻。「一生に一度の舞台となる場所だから、特別な場所がいい」そんな思いでふたりが選んだのは……、伊豆七島のひとつ、新島!

小さな島に、新郎新婦とゲストが訪れる一泊二日のウエディング旅行です。

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最初にこの新島のビーチでのウエディングを提案したのは、忠典さん。所属している商工会青年部で新島村商工会の木村諭史さんと出会ったことがきっかけだったそう。実は新島では、以前から新島をもっと盛り上げたいという思いから、地域住民と商工会が一緒に新島ウエディングを企画していました。

それぞれの土地に愛情を持って活動し、日頃からその思いを語り合うことが多いという商工会青年部メンバー。そんななかで、木村さんの新島への思いを知っていた忠典さんは、ウエディングの写真やビデオに写っていた美しい景色を見て、

「このきれいな島を、まだ知らない人にも知って欲しい。自分自身のウエディングが新島の活性化の一握を担えたら」

と新島でのウエディングを決意。
そして、ウエディングの実行委員長を木村さんにお願いしました。依頼を受けた木村さんは、「新島にご縁のある人で、島のコミュニティへ敬意を持ってくださる方であれば、きっと良い式になるはず」という思いで引き受けることにしました。そして、たくさんの人が集まるウエディングだからこそ、良い繋がりを生む場にしたいという木村さんと忠典さんには、“本土に住む仲間たちがこの式をきっかけに新島に来て、島を知り、島の人と交流して、島を好きになってくれれば”という共通の思いがあったよう。

忠典さんは、ゲストに「新島で結婚式をするから、来られる人は来て欲しい。来てくれる人には、旅行気分で楽しんで行ってほしい。来てくれるだけでいいからお祝いも何もいらないよ」と伝えたのだそう。

ところで、アウトドアでのウエディングということで、ここでも新郎が心配していたのは、やっぱり「お天気」。
そして、なんと当日、本当に雨が降ってしまったのです。雨風が強いと船や飛行機が欠航してしまう新島。予定時刻に合わせた飛行機や船は次々と欠航してしまい、各自連絡を取り合ってなんとかゲストが島にたどり着いたのは、予定時刻からずいぶんと遅れてからでした。

お出迎えのモヤイも寂しげに見える、雨の港……。

お出迎えのモヤイも寂しげに見える、雨の港……。

しかし、新郎は、「天気のリスクは分かった上で決めたことだから。神様とケンカしたって仕方ないしね」と、無念の中止をおおらかに笑います。
自分たちで決めた場所だから、不運を嘆くでもなく、誰かを責めるでもなく、とにかくその時の状況を受け入れて最大限に楽しむ気持ち。この気持ちこそが、アウトドアウエディングには不可欠なものかもしれません。そして、念のための「プランB」も、もちろん不可欠。

瀧島さんと木村さんは、「プランB」として予定していた通り、セレモニーは翌朝仕切り直してゲストが帰路に着く船や飛行機が出る前に、再チャレンジすることに。

そして、雨が上がった夕方、予定していたとおりにバーベキューパーティーを開催。長旅でお腹を空かせたゲスト、新郎新婦とゲストの泊まる宿のスタッフ、ご近所の皆さんを交えたバーベキュー。そこに並んでいたのは、新島の新鮮な魚介類。そして、商工会の仲間たちが結婚祝いとして持参した、それぞれの地元の名産品でした。無念の雨に落胆していたゲストたちの表情が笑顔にかわり、楽しい会が始まりました。

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新島の新鮮な魚、そして新島名物のくさやも食べました!

新島の新鮮な魚、そして新島名物のくさやも食べました!

おいしいお料理とお酒を楽しみながら、たくさんの会話をしてわいわいと盛り上がったバーベキュー。満腹になる頃には、初対面のゲスト同士も、初めて島に訪れたゲストと島の人も、みんな和気あいあいと仲間のようになっていました。きっとこれこそが、瀧島さんと新島さんが実現させたかったこと。帰り際にはゲストから、「雨が降って良かったんじゃない? 明日の式に向けてみんな仲良くなれたし!」なんて声も。

そして向かえた、ラストチャンス。翌朝、空は、島に住む人でさえ、「こんなにいい天気めったにない!」というほどに晴れ渡っていました。
そんな青空の下、ビーチでは前日のバーベキューで仲良くなったゲストたちが、セレモニーのための準備を進めます。ビーチに流れ着いていた流木や石を集めて飾り、新島自慢の白い砂の上に、バージンロードを作りました。バージンロードの両脇には、ゲスト手作りのてるてる坊主が。

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てるてる坊主には、ゲストからのメッセージが。

てるてる坊主には、ゲストからのメッセージが。

実は、会場づくりだけでなく新婦ヘアメイクも友人が担当。ゲストが移動するための貸し切りバスの手配や音響のセット(島で活動するバンドが担当)、セレモニーの監修(島に住むウエディングプランナー)、機材の貸し出しには、島の方々も協力してくださいました。そして、ふたりが海辺の夕焼けをバックに記念撮影に出かける時も、新島の役場に婚姻届けを出しに行く時も、いつも友人が車を運転し、新婦のドレスが汚れないようにと気遣ってくれていました。
2人の式が最高のものになるようにと、みんなが協力してくれたのです。

準備が整い、波の音が響くビーチでゲストたちが花道を作ると、新郎新婦が登場しました。

バージンロードを新郎のお姫様抱っこで進む新婦!

バージンロードを新郎のお姫様抱っこで進む新婦!

その2人の姿に、昨日の雨に肩を落としていた仲間から、大きな流木や石を運んでくれた仲間から、たくさんの歓声があがりました。

セレモニーは、参列したゲストに結婚を誓う人前式のスタイル。

島のバンドから歌のプレゼントも。

島のバンドから歌のプレゼントも。

宿のスタッフや昨夜のバーベキューで仲良くなった島の人もお祝いに駆けつけ、通りかかったサーファーたちから「おめでと〜う!」の声が聞こえてくるなか、貝殻で飾られたリングピローに乗せらた2つの指輪は、無事にそれぞれの指へとはめられました。

青空の下で乾杯!

青空の下で乾杯!

「仲間たちが手伝ってくれたからこそできたウエディング。関わってくれたみんなに感謝ですね」
セレモニーが終った後、忠典さんは一緒に式を作ってくれた友人たちを見送りながら、そう語ってくれました。
新しい形で「会場を選ぶ」ことで、“大切な仲間との繋がりを深め、新しい繋がりをつくる”、アウトドアウエディング。

あなたがウエディングをしたい場所は、どこですか?

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writer ライターリスト

柿原 優紀

柿原 優紀

柿原優紀(Yuki KAKIHARA)。エディター・プランナー。Glasgow School of Artを経て、京都精華大学芸術学部卒業。いくつかの出版社に勤務後、フリーランスとして活動。2011年10月にtaraxacum companyを設立。旅や食、地域文化、途上国支援を得意分野としてメディアプランニングや執筆を行う。また、「青空の下でウエディングをしよう!」をテーマにしたプロジェクトHappy Outdoor Wedding(H.O.W)も運営中。 taraxacum company http://www.taraxacum.co/ H.O.W http://www.happy-outdoor-wedding.com/ Twitter @yuukiburg

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Happy Outdoor Wedding

Happy Outdoor Wedding(H.O.W)は、「幸せな時間を自分でつくるための選択肢」を増やしたいと考えています。 キャンプ場や草原、山、河川敷、ふるさとで自分たちらしい結婚式を開きたい。「だけど、どうやって?」。その疑問を、これまでのカップルさんの事例とたくさんのアイデアをもとに、ひとつずつ解いていきます!

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