これがハワイ島スタイルの豊かな暮らし。プナのコミュニティを訪問してきた!

Some rights reserved by imotov

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光り輝く高層ビルに覆われた大都会ホノルルで行われた、ゼロせミッション・カンファレンスの取材を終えて、次にむかった先は、世界有数のパワースポットでもあるハワイ島。

数百万年前、海底のマグマが地表に吹き出た火山活動によって、太平洋に誕生したハワイ諸島。500万年前に生まれたカウアイ島のあと、オアフ島、マウイ島が誕生し、末っ子のハワイ島は、10万年前にうまれたばかり。まだ赤ちゃんのハワイ島は海底から計算すると9キロ以上もある世界最大の火山でもあり、いまこの瞬間もパワフルに活動中!火山には、溶岩を流す火の女神ペレがすみ、深緑のジャングルには森の精霊ヒーポエがいて、海、川、花、草木に動物に、神が宿るといわれています。そんな伝説と神話の宝庫のハワイ島で暮らす人たちに会ってきました。

ハワイレポート2回目となる今回は、パーマカルチャーを取り入れた美しいコミュニティが密集し、太古の息吹を感じる大自然ハワイ島東側のプナ地区をご紹介します!

まず、この人抜きにプナの大自然とコミュニティは語れません。カリフォルニア州バークレーの山奥からこの地に移住してき1年半ですっかり地域に溶け込み、行く先々でたくさんの人が” Aloha ! ” と声をかける人こそ今回の案内人ケイコさん

keiko
自宅の庭にはたくさんの野菜と果樹がすくすくと育っていました

旅の前半は、地上の楽園 Kalani Oceanside Retreat ( Kalani については、私の2008年のブログ記事または、J WAVE Lohas Sunday ナビゲーター koko ちゃんのブログをどうぞ!)に宿泊し、後半はケイコさんが営むB&B(自宅の一室をゲストルームとして開放)にお世話になりました。

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ケイコさんがつくってくれたフルーツたっぷりのローフードの朝食でエネルギーをチャージ!

プナ地区の西端に位置するカラパナというエリアは、いまもキラウェア火山から溶岩が海へと流れだし、大地創世の営みが絶え間なくつづく、地球そのものの生命力とエネルギーに満ち溢れた場所です。

lavaflow

ラバーフローとよばれる真新しい漆黒の大地の上は、に、ちらほらと家がたち、緑が再生しはじめていました。完璧オフグリッドのこの土地では、電気はソーラーパネル、水は雨水を貯めたタンクから。サステナブルというより、まさにサバイバルな暮らし!

lavahouse

1955年の噴火の後、一夜にして出現したという美しい黒砂のケヘナビーチは、地元っ子、移住ヒッピー、観光客が集う、ヌードOKの社交場!陽気なジャンベセッションをBGMに、老若男女が先日行われた州知事選挙の話でもりあがっていました。

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よーくみると、フルヌードの人もたくさん(笑)!

草木が1本も生えないような乾いた溶岩台地があるかとおもえば、車で10分も走ると、まるでジブリの世界に迷い込んだような、手つかずのラグーンを目にすることもできます。国立公園の中に位置するこの場所は、知る人ぞ知る超穴場スポット!満潮にかけて海水が流れこみ始めると、人魚が食べると言われている水草がキラキラとエメラルドグリーン色に反射し、なんとも神秘的な光景。なるほど、「マーメイドポンド」と呼ばれている理由に納得。

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亜熱帯気候のおかげで、植物は驚異的なスピードでぐんぐん育ちます。Josana’s Organic Fruit Farm では、果樹園でとれたフルーツを販売しています。

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こちらの見たこともない、ブドウのような実は、Jaboti caba といって、木になるブラジルのフルーツです。味としては、ブルーベリーのような、ぶどうのような、とにかく甘くておいしい!

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プナ地区では、CSA(Community Supported Agriculture =地域で支える農業)の仕組みが盛んで、毎週土曜には、ファーマーズマーケットが開催されています。朝採りの新鮮な野菜、珍しいトロピカルフルーツ、ジャムなどの加工食品や木工・手工芸品、天然の染物などが売られ、地域住民の情報交換の場になっています。

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大資本のチェーンスーパーなどが進出していないプナ地区では、明確な経営理念とビジョンを掲げ、農業ビジネスを通じて地域活性化に取り組むアントレプレナーも存在しています。Hawaian Sanctuary は、スティーブとテラの2人の起業家によって設立され、地域に開かれたコミュニティとしてパーマカルチャーのコースやヨガのワークショップなどの各種講座を主催しています。

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設備のよいコミュニティキッチン

びっちりと書き込まれたプロジェクトのスケジュールと役割分担表から、しっかりとした組織運営がなされていることが見てわかります。WWOOFERの受け入れも行っているようです。

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Hawaiian Sanctuary では、「地域に持続可能な産業と雇用を増やしたい!」という事業目標をかかげ、グリーンツーリズムやヘルスプログラムで観光客を誘致するべく、農園レストランとスパが併設された施設の建築がすすんでいました。

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プナ地区で成功しているパーマカルチャーコミュニティとしては、、La’akea 農園もあります。こちらは、よりコミットしたメンバーによって運営されています。6ヶ月間の農業研修と共同生活を経て、オーナーおよび他のメンバーからコミュニティの一員と認められれば、5万ドルの出資金を支払い(分割払いでもOK)、土地の所有権が与えられる、という契約になっているようです。

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パーマカルチャーのコンセプトを取り入れた農園はきれいに手入れが行き届き、漁場からもらってきた魚の骨などを混ぜて堆肥づくりをしていました。

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農園を案内してくれた男性は、バンクーバー出身で、ここで暮らして2ヶ月。メンバーになってこおこでずっと暮らしていきたいと語ってくれました

ビジョンや経営目的が確立されたコミュニティもあれば、あらゆる人を魅了する楽園には、ヒッピーたちも多く集まっていました。

Cinderland は、オーナーのへスースがプナ地区のサステナブルコミュニティの先駆けともいわれるパンガイアで10年間過ごした経験から、いつかは自分のヨガリトリートを!とおもい、設立したオープンなコミュニティ。

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男女別のドミトリーやプライベートキャビン(といってもタープを張っただけのキャンプサイト!)があり、宿泊費は、ドミトリーの場合1泊10ドル(激安!)、1週間50ドル、1ヶ月100ドル、プライベートキャビンの場合1ヶ月200ドルとなっていますが、1週間4時間の労働(農作業や共有スペースの掃除、食事の準備など)が義務付けられています。1週間のうち4時間だけ働けばいいだなんて楽勝な!と勤勉な日本人なら思うことでしょうが、現実を逃避して楽園にやってきたのに、と思う人たちのなかには、この4時間労働さえも苦痛に思い、脱落してしまう人も少なくないようです。

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女性用ドミトリー。完全オープンエアのドア無し、壁無し。開放感は抜群だけど天敵は虫

突然の訪問にもかかわらず、敷地を案内してくれたのは、チェコ出身のトーマス。1968年に、家族と自由を求めてチェコからアメリカへ亡命してきた自分の生い立ちを話してくれました。その後、マウイ島にわたり、土壌管理の仕事や植林保全を経験したのち、カウアイ島を経て5年前にハワイ島へ移住。トーマス曰く、ここでは、多様な価値観、多様なライフスタイルが受け入れられ、楽園暮らしを夢見て移住してくる人も多いのですが、現実には安定した産業や雇用もなく、社会との接点や自分の人生のプランが描けないままでいると、逆に不安や孤独に襲われ、パラダイスから逃げるようにまた都会へ戻ってしまう人も多くいるようです。

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とっても穏やかで腰の低い紳士、トーマス

そして、プナで元祖ヒッピーといえば、この人。パリ出身のアーティスト、ヤナのジャングル生活なんと20年!3回結婚し、離婚したチャーミングな55歳は、娘のエラ(10歳)とシングルマザーライフを満喫中。

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ヤナ(左)とケイコさん(右)

防水性と耐久性に優れたタープと農業用の資材をいろいろ組み合わせ、廃材で家を作り、壁もドアもない家は、まさに雨がしのげるシンプルな設計。

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ほとんどの家具は自分でつくるか、拾ってきたものをリメイクしたという家の中は、とっても清潔感があり、彼女のデザインセンスがつまった空間は、まるでおとぎ話のような世界。

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自分でデザインしたキッチンには、カラフルな石やタイルが埋め込まれ、そのセンスのよさに脱帽!

「ワラを床に敷いているのは、素足に優しいし、大地のエネルギーを感じられるし、なにより掃くだけで掃除が楽ちんでしょ!」とはきれい好きヤナの弁。

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ヤナは土地のこと、花のこと、植物のことをほんとうにいっぱい知っています。大切に育てている野菜を収穫して、この日はかぼちゃの蒸し煮をふるまってくれました。

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天空の城ラピュタに登場するマ=ドーラ船長を彷彿させるような人懐こいヤナは、よく働き、よく笑う、かわいらしい女性です。深いジャングルの中にあるヤナの家のまわりは、20年前は草木が一本も生えない不毛の大地とただの砂利でした。そこに根を張り、大地の鼓動を聴きながらじっくりと時間をかけ、機能的且つ見た目にも美しくデザインされた自慢の菜園は見事で、セルフビルドの鶏小屋も嬉しそうに案内してくれました。

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ヤナの家は宿泊も可能です。夜は、シースルーのベッドルームで、コキーフロッグや鳥のさえずりを子守唄に眠りにつきながら、

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こんなゲストルームはいかが?

朝は、太陽の光をいっぱいに浴びながらのアウトドアシャワータイムで目覚めもすっきり!

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こちらのシャワースポットもヤナ作でタイルや石のレイアウトが美しい

「数日前からついに携帯電話を持つことになっちゃってね!」と少し嬉しそうに話してくれたヤナですが、テクノロジーとは無縁の原始的な生活をしています。その彼女に、ここで暮らす理由を聞いてみたら、かえってきた答えは、

I’m creating a new reality here.
(私はここで新しいリアリティをつくろうとしているのよ。)

20年前から自然に寄り添って、シンプルな暮らしを続けているヤナ。時代の変化や消費文明に翻弄されることなく、自分が美しいと思うもの、心地よいと思うものを愛で、自らクリエイトし、大切に育て、枠にとらわれず、枠をつくらず、生きてきたヤナ。

一方、固定概念や壁に囲まれ、自然や人とのつながりがどんどん失われ、リアルとバーチャルがシームレスになり、実態、実感のない暮らしが当たり前になってしまった、近代の私たちの暮らし。ヤナの暮らしは、都会の視点でみれば決して便利ではありませんが、便利=豊かな暮らし、ではないことを私たちは気づきはじめています。だからこそ、原点回帰、自然回帰といわれるように、より人間らしい、より地に足がつけた、シンプルなライフスタイルがいま注目を集めているのでしょう。ヤナの生き方、暮らしこそ、リアリティがあり、生命力とエネルギーに溢れているように感じました。

以上、2回にわたってお届けしたハワイレポート、いかがでしたか?持続可能な社会づくりのためのイノベーションから、原始的な暮らしが色濃く残るディープジャングルの暮らしまで、いやはや、やっぱり、さすがはハワイです。大地のエネルギーを感じ、ほんとうの意味でいきるチカラ(生命力)を取り戻したい人は、ぜひ未知なる魅力にあふれたプナの大自然に飛びこんでみてくださいね!

(その際は、ぜひケイコさん @keikoforestにコンタクトされることをオススメします)。