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ワールドカップ公式試合球の有力候補?発電できるサッカーボール「sOccket」

Copyright (c) 2010 Jessica Lin/sOccket. All Rights Reserved.

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連日、熱戦が繰り広げられている2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会。この大会では、開催前から、公式試合球「ジャブラニ(JABULANI)」も話題になっていましたね。従来のボールとは異なる伸びや変化をみせることから、「跳ねすぎる」、「ブレすぎる」など、選手たちからのブーイングもしばしば…。次回2014年ブラジル大会の公式試合球にどのようなボールが選ばれるかが気になるところですが、そんな有力候補、かもしれないユニークなサッカーボールが登場しました。

米ハーバード大学の学生グループが開発した「sOccket」は、“発電する”サッカーボールです。誘導コイルのメカニズムを活用し、ボールを蹴ると、衝撃や振動を発電デバイスが吸収してエネルギーに変える仕組み。プラグに差し込めば、照明を照らしたり、携帯電話を充電することができます。華麗なリフティングののちサッカーボールが照明を光らせている様子を以下の動画でぜひご覧ください。

サッカーは、世界中の子どもたちが熱中するメジャーなスポーツ。「sOccket」は、電力インフラの乏しい発展途上国の子どもたちがサッカーに興じながら家庭で必要な電力も作り出せるという“一石二鳥“のボールとして注目されています。従来、これらの地域では、照明として灯油ランプが使われてきましたが、火事の原因になったり、呼吸器感染などの健康被害をもたらすことが指摘されてきました。その点、「sOccket」を使えば、放課後、友達とサッカーで思いっきり遊び、そのクリーンなエネルギーによって自宅の照明を灯し、勉強や宿題をすることもできるわけです。

Copyright (c) 2010 Jessica Lin/sOccket. All Rights Reserved.

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ちなみに、「sOccket」は現在、試作段階。15分間プレイすると小型LED照明を3時間つけるだけのエネルギーを発電できるそうですが、さらに発電効率を高めるための改良を続ける方針だとか。また、今年の夏には、アフリカ各地でテストを行い、実用化に向けたブラッシュアップを進めていくそうです。

Copyright (c) 2010 Jessica Lin/sOccket. All Rights Reserved.

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メリーゴーランド型の水汲みポンプ「PlayPumps」など、子どもの遊びパワーを人々の実生活に活用する例はいくつかありますが、「sOccket」は、人気のあるサッカーに着目し、子どもたちがポンポン蹴るパワーを電力に変えようという発想がユニークですね。発展途上国の子どもたちにとどまらず、世界のプロリーグや国際試合などで積極的に導入されれば、地球意識の啓発やクリーンエネルギー推進というメッセージを、世界中の人々に届けられるかもしれません。FIFAさん、次回のワールドカップの公式試合球に、「sOccket」はいかがでしょう?

世界初のソーラーサッカーボールについて調べてみよう。