カンヌ2010受賞のソーシャル広告(2)メディアが驚く社会的なPR!

snowtop

今日はPR部門で受賞したソーシャル・キャンペーンをご紹介します。限られたメディアを使った表現と違い、PRはつかみどころがなく、表立った表現だけ見て面白みがわかるものはそれほどありません。実施されたタイミングや地域ならではの背景があればナルホド!というアイデアもあると思うのですが、ここでは視点やアウトプットにアイデアが感じられたものをご紹介します。

SNOWMEN AGAINST GLOBAL WARMING /
ENTEGA / RENEWABLE ENERGY /

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まずは金賞を受賞した、再生可能エネルギーの会社「ENTEGA」のキャンペーンから。ENTEGAは再生可能エネルギーの会社としてはドイツで2番手で、全国的な知名度はそれほど高くありませんでした。再生可能エネルギーの必要性を感じてもらい、会社の知名度を上げるために実施されたのは、ベルリンの街で雪だるまをつくるというアクション。ソーシャルメディアやバイラルムービーを使って呼びかけたところ、3日間でなんと2万人の人が訪れ、たくさんの雪だるまができました。その結果、気候変動と戦うパートナーとしてENTEGAは多くのメディアに取り上げられたのです。

SUN SOUND / THE CANCER COUNCIL /
SKIN CANCER PREVENTION /

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次は銀賞から。オーストラリアの、皮膚がんを防ぐキャンペーンです。皮膚がんを防ぐために考えられたのは、特徴的なサイン音。やかましい警報や、説教臭いポスターなどではなく、人気のミュージシャン、ベン・リーが作曲したサイン音です。FACE BOOKなどのソーシャルメディアで、「サイン音が鳴ったら帽子、サングラス、日焼け止めでなどをつけ、日陰に行こう」と呼びかけ、気持ちよく日差しを避ける流れをつくりました。それだけ聞くと、へ~、という感じですが、この音、あなどれません。いちど聞いたらやめられない。ついつい口ずさんでしまいます(浪速のモーツァルト、キダ・タロー先生のメロディのようです、笑)。下の動画でその音を確かめてみてください。

THE MARATHON FOR WATER / LIDL /
PROJECT VIVA /

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PRの手法を取り入れると、チャリティーも規模が大きくなり、メッセージを効果的にに伝えることができます。ポルトガル最大のスーパー、LIDLは、水不足に悩むギニアに井戸を掘るためのチャリティ・マラソンを実施しました。ギニアの女性は毎日、マラソンと同じくらいの距離を歩いて水を運んでいます。LIDLはギニアから女性を招き、彼女に井戸の必要性を語ってもらいました。このPRの結果、世界の水不足への理解が広まり、マラソンにも多くの人が参加。そしてギニアには15個もの井戸を掘ることができたそうです。

PEE IN THE SHOWER / SOS ATLANTIC FOREST FOUNDATION / INSTITUTIONAL /

peeinshower

最後にご紹介するキャンペーンは強烈です。目的は水資源を守り、河川の汚染を防ぐことなのですが、その解決策となるアクションがユニークなのです。先の目的のために、ブラジルの環境団体が呼びかけたのは、「シャワーしながらおしっこ」すること。シャワーをしながらおしっこすると、毎日12リットルの水を使わなくてもすむそうなのです。このキャンペーンはブラジル国内だけのことを考えて始まったのですが、あまりにユニークなので、世界中に広がっていったそうです。

今回ご紹介したものは、アウトプットやアクションがユニークなものだけです。メディアの巻き込み方などでがんばったものも受賞しているので、PRについてもっと知りたいと思った方は、カンヌの公式ページをご覧下さい。受賞作の詳細が見れる期間は限られているのでお早めに!

申し訳ないですが、ヒヤリング能力が問われるラジオ部門は割愛させていただいて、次回はダイレクト・マーケティング部門の受賞作をご紹介します。