地球ニュース

あのロスチャイルド家の御曹司がペットボトルで太平洋を横断!?

石村 研二 2010/04/15



Copyright 2009 The New York Times Company, The New York Times: Boat Rendering by Peter Rubin, Iron Rooster Studios.

Copyright 2009 The New York Times Company, The New York Times: Boat Rendering by Peter Rubin, Iron Rooster Studios.

18世紀から富豪として名を馳せてきたロスチャイルド家、現在も金融をはじめとしたさまざまな産業で影響力を持っている。そのロスチャイルド家のメンバーの一人であるデヴィッド・デ・ロスチャイルドがペットボトルのヨットで太平洋横断に挑戦するという。そして、このヨットがかなり興味深いものなのだ……。

このデヴィッド・デ・ロスチャイルドはれっきとしたロスチャイルド家の御曹司でありながら環境活動家で冒険家でもある。現在、ペットボトルをリサイクルした素材とペットボトルそのものを材料としたヨットPlastiki号でサンフランシスコ⇔シドニー間を往復する旅の途中なのだが、このヨットがかなり面白いものなのだ。

まず、ヨットの素材はペットボトルをリサイクルした材料でできている。リサイクルされたものというのは珍しいが、素材としては十分な強度を持つ。面白いのは、その外側の船殻に約12000本のペットボトルを貼り付けているところだ。このボトルの中には二酸化炭素が封入されており、このボトルによってヨットは浮力を得ているのだという。

Courtesy of Luca Babini

Courtesy of Luca Babini

さらにはヨットが備える設備も面白い。小型の風力発電機、ソーラーパネルに加えて、エアロバイクでも発電し、それで公開中に必要となるすべての電力をまかなう。さらには人力で動作する淡水化装置に小型の菜園まで取り付けられて、まるでエコロジーのテーマパークのようだ。3月20日にサンフランシスコを出航したPlastiki号はデヴィッドを含む6人のクルーが乗船し、順調にシドニーに向かっており、約100日で往復の旅を終える予定だ。

Illustration by Andrew Rae

Illustration by Andrew Rae

この冒険によって環境問題何かが解決されたり、画期的な実験が行われたりするわけでは決してない。しかし、ペットボトルで覆われた船によって航海することで人々にペットボトルのリサイクルへの意識を喚起させるという効果はあるだろう。ウェブサイトにもリサイクルについてや、プラスティック製品による海洋汚染についてなどさまざまな問題についての意見が書かれている。デヴィッドはロスチャイルドというネームバリューと生かしてそういった啓蒙活動に携わっているのだ。

どうせ金持ちの坊ちゃんのやることじゃないの?という疑問も聞こえてきそうだが、このデヴィッド・デ・ロスチャイルドは北極と南極の両極を踏破した冒険家でもあり、Adventure Ecologyという環境保護団体の主催者でもある。ビジネスの世界には関わらず、環境活動と冒険に人生を捧げているのだ。まあ、確かに金持ちだからこそできるという面もあるにはあるが、そのネームバリューがあるからこそ実現できることもある。

とにかくわくわくするような仕掛けがいっぱいのこのヨットでの日常は、ブログ、Twitter、Flickr、Facebookなどさまざまなソーシャルメディアを通して世界に向けて発信されている。リサイクル素材を使い、完全カーボンフリーでこれだけのことができてしまうのはやっぱりすごい!

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ライター紹介
石村 研二

石村研二(Kenji Ishimura)。東京生まれ。大学の法学部を卒業するも、法律に向いていないことに気づき、長いモラトリアム期間を過ごしながらひたすら映画を観る。 2000年にサイト「日々是映画」を立ち上げ、書くことを仕事にすべく駄文を積み重ねる。ウェブサイトのデザイン、情報処理試験の参考書の執筆、テニススクールの運営などをしつつ、ライター業でも奮闘中。暇なときはSFを読んで未来への希望を見出そうとし、世界は5次元だと信じている。

日々是映画-ヒビコレエイガ

http://www.cinema-today.net/