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都市づくりにグリーンの視点を。グリーンズが手がける丸の内エコポータル「エコッツェリアウェブ」発信中!

大丸有エリアのエコポータルサイト「エコッツェリア」・トップページ

大丸有エリアのエコポータルサイト「エコッツェリア」・トップページ

greenz.jpのクリエイティブディレクターを務めるYOSH。現在、大手町・丸の内・有楽町エリア、通称「大丸有(だいまるゆう)」のエコポータルサイト「エコッツェリア」でもディレクションを担当している。テーマは都市とサステナビリティ。エコッツェリアにかける想いを本人に直撃した。

都市がメディアを持つということ

「いま、社会の関心は、肥大した都市よりも地方へと向かっています。けれども一方で『集約された都市の魅力』というのは、やっぱりあると思うんですね。秋田生まれの僕としては、地方にも都市にもどちらもいいところがあるし、複数の場所にホームを持ちたいですが、エコッツェリアに関わるに当たってはエコという視点から都市の魅力を引き出したいと考えています」

YOSH。「エコの視点で都市の魅力を引き出したい」

YOSH。「エコの視点で都市の魅力を引き出したい」

そもそも大丸有という呼び名は、1988年にスタートした、隣り合う大手町・丸の内・有楽町を統合して進められる再開発事業から来ている。「環境と共生する街づくりをめざす」大丸有の環境戦略がエコッツェリアであり、エコッツェリアウェブはその情報発信拠点としての役割を持つ。

「それまではエコッツェリア、大丸有の朝型生活提案イベント『丸の内朝大学』、子どもが都市でエコを学ぶ『エコキッズ探検隊』の各サイトがバラバラに並存して、どれも大丸有をサステナブルにするユニークな取組みなのに、横のつながりが少なかった。これらのコンテンツを一つにまとめ、つなげるのがエコッツェリアウェブです」

そしてさらに大きな役割がある、とも彼は話す。

「環境との共生とサステナビリティをめざす都市が独立したメディアを持つ、というのはかつて前例がなかったのではないでしょうか。街がしゃべり、しかも人々が街に参加することで、大丸有にかかわりのある人々のインタラクティブなつながりが生まれる場所としての役目も担っています」

そのインタラクティブなつながりを生む、ウェブ上の仕掛けの数々。例えばトップページのフラッシュで、大丸有のビル群からフキダシが現れるが、これはTwitter上でのエコッツェリアのつぶやきだ。ウェブ訪問者が興味のあるつぶやきに反応することで、大丸有という街とおしゃべりしているような体験ができる。より詳しい説明は大丸有のエコニュースにゆずるが、都市がメディアという顔を持ち、ウェブを通じて人々に直接語りかけるというエコッツェリアウェブの試みはユニークだ。

CSR2.0?

中でも出色なのが「大丸有CSRレポート2009」だろう。
CSRレポートのボタンをクリックすると、レポートのほうから「Q1. あなたと大丸有は、何つながりですか?」と聞いてくる。大丸有と見る人の接点に応じてページを開く、インタラクティブな仕組みだ。

大丸有と見る人の接点に応じてページを開く、インタラクティブなCSRレポート

大丸有と見る人の接点に応じてページを開く、インタラクティブなCSRレポート

「今までのCSRレポートはというと、最近は変わってきているけど、毎年同じ項目で似たり寄ったり。読者よりも企業目線が強い感じがしていました。そこで大丸有CSRレポート2009では見る人、ステークホルダーの関心にコンテンツが対応するという仕掛けを試みました。多様な興味を持っているステークホルダーを想像して、多様な入り口を用意する必要がある、と思っています」

さらに「CSRのCはCorporation(会社)ではなくてCommunity、つまりコミュニティ・ソーシャル・レスポンシビリティ。『地域の社会的責任』という概念は、世界的にも珍しいと思います」と彼。インタラクティブで、これまでのCSRの概念をやぶる大丸有CSRレポートは、さしずめ「CSR2.0」とでも言うべきか。

「サステナブルな都市」へのベンチマーク

皇居前広場から見た大丸有エリア(Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by ptrktn.)

皇居前広場から見た大丸有エリア(Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by ptrktn.)

東京駅の真ん前、そして5千種類の動植物が生息する皇居が控えるというスペシャルな場所で進む大丸有プロジェクトを、彼は「サステナブルな都市の可能性を占うベンチマークとなる」とワクワクしながら見ている。

「サステナブルな都市のキーワードのひとつが、『グリーンビルディング』です。ビルがグリーン、サステナブルになるということは、エコと街づくりの融和が進むということでもある。丸の内はこの10年でオフィス街としてだけでなく、遊びにも行けるフレンドリーな場所になった。次の10年はグリーンな大丸有をめざそうよ、というエコッツェリアの想いを手伝えるのが楽しいんです」

「次の10年はグリーンな大丸有をめざそうよ、というエコッツェリアの想いを手伝えるのが楽しい」とYOSH。

「次の10年はグリーンな大丸有をめざそうよ、というエコッツェリアの想いを手伝えるのが楽しい」とYOSH。

グリーン、エコといえば地方、大自然というのが定番だが、実は都会の真ん中でも実現できるかもしれない。むしろ、都会だからこそ街づくりにグリーンの視点が必要だ。YOSHが手掛けるエコッツェリアウェブの試みは、いずれは他の都市にとってのお手本となる日が来るのかもしれない。

大丸有エコポータル「ECOZZERIA(エコッツェリア)」を見てみよう!