サステナブルコミュニティ

2010年ワールドカップがアフリカの子供たちに送る希望のパス「Football for Hope Centre」

松岡 由希子 2010/01/14



Football for Hope: Copyright(C)2010 FIFA/ FIFA via Getty Images, All rights reserved.

Football for Hope: Copyright(C)2010 FIFA/ FIFA via Getty Images, All rights reserved.

いよいよ2010年、サッカーファンはもちろん世界中が熱くなるFIFAワールドカップが、アフリカ大陸で初めて南アフリカ共和国で開催される。一方で、今大会がきっかけとなり、サッカーを通じてアフリカの社会的な課題を解決しようという取り組みが進んでいることをご存知だろうか?国際サッカー連盟(FIFA)の「The Football for Hope」では1000万ドル(約9億円)の寄付金を募り、伝染病予防や生活向上のための知識を学べる子供たちのための学習施設「Football for Hope Centre」をアフリカ各地に設立しはじめている。

アフリカでは、いまだに紛争が続き平和が脅かされている地域や貧困に苦しむ国が少なくない。またAIDSといった伝染病が若い世代を中心に蔓延しているにもかかわらず、その対策はまだ十分でないのが現状だ。そこで、FIFAは「streetfootballworld」や「Grassroot Soccer」などのNPO/NGOと提携し、子供たちをこれらの病気から守るため、医療サポートと疾病予防教育を兼ねた施設「Football for Hope Center」を設立しようと動き出した。各センターには、医療施設や教室、カウンセリングルームのほかサッカー場が設けられ、地域の子供たちがサッカーを通じて交流しながら、病気や犯罪から自衛するための知識を学び、必要な医療サービスや助言が得られるようになっている。

以下の動画で紹介されているカエリチャ(Khayelitsha)では2009年12月、第1号センターが建設された。南アフリカの首都ケープタウンから程近いこの地域は、住民の半数以上が失業者という厳しい経済情勢を抱え、犯罪が多いことでも知られているのだが、FIFAでは、この地域を若い世代にとって希望に満ちた場に変えるために本センターを役立てたいとしている。ちなみに、「Football for Hope Center」は南アフリカのみならず、マリのバマコ(Bamako)、ケニアのナイロビ(Nairobi)、ルワンダのキガリ(Kigali)など計20箇所に建設され、各地の実状に合わせてそれぞれが自律的に運営される予定だ。

2010FIFAワールドカップの総責任者Danny Jordaanは「Football for Hope Centre」に取り組むFIFAの思いについてこう述べている。

ワールドカップはサッカーだけではありません。90分の試合で終わりというものではなく、「私たちがいかに永続的な財産をつくっていくか?」という取り組みなのです。

サッカーは世界中で親しまれているスポーツであり、FIFAワールドカップは、テレビの視聴者数でオリンピック大会をも超える世界最大のスポーツイベントだ。それゆえ、この4年に一度の大イベントは、より多くの人々が世界の課題に目を向け、その解決に向けて行動を起こすための貴重な機会ともいえるだろう。「Football for Hope Centre」の取り組みが同様の課題を抱える他の地域へのポジティブな”パス”となり、持続可能な未来という私たちの”ゴール”につながることを期待しよう。

FIFAのもうひとつの社会貢献活動「Goal Programme」について調べてみよう

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ライター紹介
松岡 由希子

松岡由希子(Yukiko Matsuoka)。大阪生まれ、奈良育ち。米国MBA(経営学修士号)取得。アントレプレナーシップ(起業家精神)を専攻。経営コンサルティング、ベンチャー企業の立ち上げなど、刹那的なビジネスの世界にどっぷり漬かること約10年。持続可能な未来づくりにたずさわりたいと、一念発起し、独立する。現在、グリーンビジネス、ソーシャルアントレプレナーシップなどのテーマを中心に「物書き」として活動中。

Twitterアカウント: @boochan