オムツも持続可能の時代へ!?英国で使用済紙おむつリサイクル工場が誕生

Baby & Diaper: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by seandreilinger

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ここでちょっと、プチクイズ。
赤ちゃん一人あたり、誕生から2歳半までにどれくらいの紙おむつを使うでしょう?

答えは6000枚~1万枚。使用済みになったこれらの紙おむつは焼却や埋め立てにより廃棄されるのが一般的だ。
一方で、使用済みの紙おむつを”資源”と捉え、リサイクルしようという試みが英国で始まっている。英バーミンガムで誕生した紙おむつ専用のリサイクル工場についてご紹介しよう。

廃棄物のエネルギー資源への再生に取り組む英技術ベンチャー「Versus Energy」とリサイクル技術開発企業「Knowaste」は共同で、バーミンガムのウエスト・ブルミッジ(West Bromwich)に英国初の使用済紙おむつ専用リサイクル工場を立ちあげた。以下の動画で示されているとおり、回収された使用済みの紙おむつは、洗浄された後、超吸収ポリマー・パルプ・プラスティックなどに分別され、プラスティックは屋根瓦・靴の中敷・工業製品の増粘剤などの原料となる一方、パルプ繊維や超吸収ポリマーは乾燥させて肥料にしたり、再生可能エネルギー資源としてこの工場の運営に充てられている。これら一連のプロセスにより、回収された使用済紙おむつの98%が再び何らかの資源として”蘇る仕組みで、リサイクル1トンあたり400kgの樹木、145立方メートルの天然ガス、8,700立方メートルの水資源の節約につながるそうだ。

その便利さゆえ、紙おむつは世界で広く消費されている。米Franklin AssociatesとAmerican Petroleum Instituteの共同調査によると、米国では年間180億枚の紙おむつを消費しており、日本でも、2008年、乳児用紙おむつは約80億枚、大人用は45億枚超が消費された(日本衛生材料工業連合会の統計)。今後、世界的な人口増加に伴って、紙おむつの消費量はさらに増加するとみられており、それはすなわち、使用済紙おむつの廃棄量が増えることをも意味する。

紙おむつはプラスチック・パルプ・超吸収ポリマーなどの複合素材でできているため、分別が難しいという課題がある。また、その用途の性質上、衛生面での安全性の確保も必要だろう。紙おむつだけを分別回収するためには相応の運搬コストもかかる。「これらの”手間”(=コスト)に見合った採算が取れるかどうか?」が持続可能なビジネスづくりにおいては重要なポイントだ。

とはいえ、持続可能な世界の実現に向け、育児・介護においても環境への負荷を軽減する工夫は不可欠だ。近年見直され始めている布おむつの活用などにより紙おむつの廃棄量そのものを減らすことももちろん大切だが、一方で「廃棄されたものをいかにリサイクルするか?」というアプローチも同様に検討されるべき方策だろう。この使用済紙おむつ専用リサイクル工場の取り組みは、後者のアプローチを着実に実現している事例として注目に値する。