ナショナルジオグラフィックがセレクト。2009年の“エコ嬉しいニュース”トップ10

Creative Commons, Some Rights Reserved, Photo by Davichi

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自然界や環境問題に関するニュースをグローバルに発信するナショナルジオグラフィックが、今年1年を振り返って、2009年のエコ嬉しいニュース トップ10を発表した。greenzで紹介した国際ニュースも、もちろんランクインしています!

1. 世界中で新種生物の発見続く

新種生物の発見は、地元政府や住民に豊かな自然と共に暮らす大切さや喜びに気づくきっかけを与えてくれるもの。今年は、体長82センチ、体重1.5キロの巨大ネズミや、奇妙な習性を持つカラフルなカエル帯水層に住む体長1.3センチのカタツムリをはじめ、何百種もの新種生物が発見された。

National Geographic News:  エクアドールで発見されたこのカラフルなカエル、背中におたまじゃくしを背負っているのが見えますか?これが、このカエルの持つ奇妙な習性。卵から孵化したおたまじゃくしは、親ガエルによって、水辺まで運ばれる。

National Geographic News: エクアドールで発見されたこのカラフルなカエル、背中におたまじゃくしを背負っているのが見えますか?これが、このカエルの持つ奇妙な習性。卵から孵化したおたまじゃくしは、親ガエルによって、水辺まで運ばれる。

National Geographic News:  オーストラリアのアリススプリングスから北西180キロ離れた帯水層で発見されたカタツムリ。オーストラリア奥地を対象に4年間かけて実施された同生物調査では、全部で850種の新種生物が発見された。

National Geographic News: オーストラリアのアリススプリングスから北西180キロ離れた帯水層で発見されたカタツムリ。オーストラリア奥地を対象に4年間かけて実施された同生物調査では、全部で850種の新種生物が発見された。

2. アメリカ政府、ホッキョクグマの生息地を提案

10月、アメリカ政府は、絶滅危惧種保護法に基づいて、アラスカ北岸沿いの土地と(氷)海域をホッキョクグマの生育地とする案を提出した。対象となる広さは、50万平方キロメートル以上。

なお、アメリカの環境NPO団体Center for Biological DiversityCummings氏は、この生育地を本気で守るには、気候変動にきちんと取り組まないといけない、と話している

Creative Commoms, Some Rights Reserved, Photo by ucumari

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3. アメリカに史上最大の海洋保護区が誕生

今年1月、北マリアナ諸島の北部3島やマリアナ海溝を含む海域約25万平方キロが、マリアナ海溝海洋国定記念物として海洋保護地区に認定された。

同地域の国定記念物化を宣言したのは、あのブッシュ元米国大統領。どちらかというと、環境保護活動に消極的な姿勢で知られていたブッシュ政権だが、退任直前に海洋環境保護に大きく貢献していたわけだ。

ちなみに、ブッシュ氏が動いた背景には、マリアナ諸島の地元企業と市民団体の協力や、住民約6千人が署名した嘆願書の存在が。

4. ウォルマートがグリーン化へ前進

世界最大の小売業者ウォルマートが、全商品のサステナブル表示をグローバル展開に向けて動き始めたのは、8月にgreenzで紹介したとおり

ウォルマートのCEOを務めるDuke氏は、

ウォルマートは、持続するサステナビリティに向けて取り組んでいる。経済状況にかかわらずサステナビリティが優先されるようになってほしいからだ。そのために重要なのは、サステナブルな消費を可能とするためのツールを開発することだ。

と語っている。

5. ブラジルの森林破壊がスピードダウン

2008年8月から2009年7月までに、アマゾン熱帯雨林の面積が7千平方キロメートルほど小さくなってしまった。7千平方キロメートルというと、東京都の約3倍。ずいぶん広大な森林が失われたと感じてしまうが、前年同期の1万2千平方キロと比べると、状況が改善されつつあることが分かる。森林伐採量も、1988年に調査を始めて以来、もっとも少ないそうだ。

多くの人々は、アマゾン熱帯雨林は消えてしまうのではないか、と心配しているが、今回の調査結果は、本当に久しぶりに、環境に関する大きな良い変化を示すものとなった。

Duke大学の保全生物学者Stuart Pimm氏は、そう語っている。

6. 紙幣印刷機を使った太陽パネル、大量生産の日も近い?

greenzでも紹介したように、今年2月、プラスチック製の紙幣を世界で初めて導入したオーストラリアで、その先端技術を活用した太陽パネルの試し刷りが行われた。

この技術が確立すれば、それこそ紙幣を刷るかのように、太陽パネルを大量生産できるようになる。

7. ウォーターフットプリント表示ビール、発売まであと一歩

日本では、2月にサッポロビールがビール会社として世界で初めて、カーボンフットプリントを表示した缶ビールを地域・期間限定販売したが、世界では今、ウォーターフットプリント表示の動きも広まりつつあるらしい。

たとえば、8月にスウェーデンの首都ストックホルムで開催された「世界水週間」会議では、大手ビール製造会社のSABミラー社が、自社のビール製造過程(ホップの栽培を含む)に消費される水の量を計測するという計画を発表した。測定結果は、自社の節水対策に活用される予定だ。

8. Google Earthで海中ダイビングが可能に

2月、あのGoogle Earthに、世界中の海中でバーチャルダイビングできる機能が加わった!

この機能を使って、絶滅危惧生物や気候変動による影響について学んだり、海底をダイビングしたり、海洋専門家と一緒に海洋探索をしたりできる。もちろん、ダイビングやサーフィンなどのマリンスポーツに関する情報も収集できる。楽しみながら、海の大切さに気付くことができそうだ。

9. コーラルトライアングルのサンゴを守るためのイニシアチブが発足

コーラルトライアングルとは、東南アジア一帯に広がるサンゴ礁三角地帯。世界で最も海洋生物多様性が豊かな地域として知られている。WWFによると、この海域の海洋資源は、1.2億人を上回る人々の生活を支えている

Creative Commons, Some Rights Reserved, Photo by Erwin Kodiat

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5月、この海域を囲む6カ国(インドネシア、マレイシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島、東ティモール)が、沿岸開発や魚介類の乱獲、気候変動などによるサンゴ礁への悪影響を抑えるためのイニシアチブを発足した。

10. サケ、パリのセーヌ川に回帰

今年の夏、サケがセーヌ川に戻ってきた。実に80年振りだという。

セーヌ川は、1995年には、セーヌ川に生育するのはウナギや鯉などの生命力の強い魚種のみとなってしまったというほど、水質汚染のひどい川だった。しかし、1990年代にシラク前大統領主導で水質改善が進められ、多くの魚種がだんだん姿を見せるようになってきた。今年戻ってきたサケの数は千匹を超すと推測されている。

以上、ナショナルジオグラフィックが選んだ今年のエコ嬉しいニュース トップ10でした。
みなさんの身の周りでは、今年、どんなエコ嬉しいニュースがありましたか?

来年に向けて気を引き締めたい人は、“環境に悲しいニュース”トップ10をチェック。