理想のサステナブル・ヴィレッジをもとめて〜クリアービレッジ財団の挑戦がはじまった

Clear Village Foundation

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最近つくづく、異分野間の連携やコラボレーションが大事になってきていると感じることが多い。地球規模の問題から個人の幸せに関する問題まで、ひとつの分野の専門性だけで解決しようとすると無理が生じる。そんなとき、異分野どうしの出会いから生まれる新しい創造が必要になるのだと思う。

約1年前に設立されたNPOであるクリアービレッジ財団は、まさに異分野融合のプロジェクトだ。

プロジェクトの課題は「理想のサステナブル・ビレッジとは何か?」ということ。その課題解決のために、分野横断的に各界のエキスパートを集めて、サステナブル・ビレッジを創るためのマスタープランの制作をしようとしている。マスタープランといっても、究極の理想像を示すのではなく、現実的に未来のサステナブルな生活環境について、みんなが参照できる”よりどころ”のようなものを作ろうとしているようだ。(できあがったマスタープランは、クリエイティブコモンズで共有できるようになる)

しかし、この挑戦もまだまだはじまったばかり。この11月4日〜6日には、20カ国から85人のエキスパートが集まり、数々のワークショップを行う「クリアービレッジ・ラボ」が初めてバルセロナで行われた

Clear Village Labでの写真のコラージュ(Clear Village Foundationのウェブサイトより)

Clear Village Labでの写真のコラージュ(Clear Village Foundationのウェブサイトより)

この会議の進められ方が興味深かったので紹介しよう。

初日。まず、お互いに知り合う時間があり、すぐに「ライフスタイルで大事なこと(lifestyle principle)」を、用意された質問にそって話し合った。ビレッジの理想の大きさはどれくらい?宇宙に住む生物として私たちすべてが持っている願いとは何?何が共通の価値になるだろうか?理想のビレッジの仕事と生活のバランスはどんなものだろう?という用意された質問を中心に話し合うことによって、専門用語に偏った会話ではなく、自分の言葉で話し合うことができたそうだ。

2日目はプランニングの日だ。いくつかのグループにわかれ、初日にでた「ライフスタイルで大事なこと」を、バルセロナの近くの”Torre Baro”、イタリアの”Aviano”、キプロスの”Kontea”という具体的な場所に落とし込めるかどうかを考えながら、提案を作成した。そして、でてきた提案を全体で吟味し、最終日に議論し合うためのたたき台をつくった。3日目の最終日には、プロジェクトを実現し、実際にコミュニティに関わってもらいながら運営していくためにどうすれば良いのかということについて話し合った。

ウェブサイトからのまとめなので進行ぐらいしか伝えることができないが、それでもこのプロジェクトがコラボレーションの上に成り立つようにデザインされていることがわかる。

今後、クリアービレッジ財団のチームは、これまでの成果やラボで話し合った成果をハンドブックにまとめると同時に、アイデアを実践する場所を探す作業にはいる。ハンドブックは来年2月にはまとめられ、ウェブ上で公開され、今回のラボに参加したメンバーたちによってさらに議論されるそうだ。

理想のエコビレッジを作るためのハンドブックがどんなものになるのか、そのできあがりが待ち遠しい。そして、クリアービレッジ財団の、コラボレーションから理論と実践を生んでいく手法や場のデザインについても多いに勉強していきたい。