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地球4周分の平和を叫ぶ、世界最大規模の大行進「World March」

World March in Savonlinna: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by World March Base Teams

World March in Savonlinna: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by World March Base Teams

世界平和に向けた史上最大規模の行進がいよいよ始まった。

World March for Peach and Nonviolence」(平和と非暴力に向けた世界行進、以下「World March」)は、2009年10月2日にニュージーランド・ウェリントンを無事スタート。2010年1月2日アルゼンチン・プンタデバカス(Punta de Vacas)への到着を目指して、93日間、世界98カ国を巡り、各地で平和の実現と非暴力を訴える。

この活動は、2008年11月15日プンタデバカスで開催されたシンポジウムWorld Centre of Humanist Studiesで発案され、NPO戦争なき世界(World Without Wars)によって立ち上げられた。非暴力の祖・マハトマ・ガンディーの生誕日で、「国際非暴力デー(International Day of Non-Violence)」でもある10月2日に、約100人の国際メンバーから成るマーチング隊Base Teamsがニュージーランドを出発し、以下のルートに従って、オーストラリア・アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ・アメリカの各大陸を渡り歩く、総距離16万キロ、世界最大規模の平和キャンペーンだ。経由地では、現地ボランティアの協力のもと、デモ行進や平和コンサート・フォーラム・展示会など、様々な趣向を凝らしたイベントが開催されている。

greenz/グリーンズworldmarch_map
Route for World March: Copyright(c) 2009 The World March Organization, All rights reserved. (World Marchのホームページより)

世界平和が叫ばれて久しい昨今だが、核紛争リスクの高まり・新たな軍拡競争・軍事力による他国への侵略・テロ事件の多発など、いまだ深刻な課題を抱えている地域も少なくない。そこで、「World March」は、戦争と暴力のない世界の実現に向け、その大切さや必要性を世の中に訴え、世界全体が平和への意識を高めることを目指している。この活動は、グリーンピースアムネスティ・インターナショナルなどの国際NGO/NPOをはじめ、市民団体・学生など、多くの人々に支えられており、1998年ノーベル文学賞を受賞したジョセ・サラマゴ(Jose Saramago)オノ・ヨーコといった世界のセレブリティ、チリ大統領ミシェル・バチェレ(Michelle Bachelet)やアルゼンチン大統領クリスティーナ・キルチネル(Cristina Kirchner)などの政治家もこの活動への支持を表明しているそうだ。

「Base Teams」は、2009年10月17日~20日の4日間、日本にも滞在。17日、広島では1000本のキャンドルライトが灯され、地元のNPOや市民とともに、核兵器のない平和な世界の実現を祈った。

2009年ノーベル平和賞を受賞したオバマ米大統領や国際連合の演説で”核廃絶宣言”を行った鳩山由紀夫首相らの世界のリーダーたちも、核兵器削減など、戦争のない世界の実現に向け、国際政治のメインステージで行動しはじめている。しかし、真の平和を目指すためには、彼らのリーダーシップのみならず、草の根レベルから、ひとりひとりが平和への意識を醸成することも不可欠だ。行進先ごとに地元の人々をうまく巻き込み、より大きなアピール活動につなげている「World March」の行進は、各地の人々のココロにも平和へのポジティブな”足跡”を残し、新たな行動へのきっかけを生み出すにちがいない。