仏リヨンっ子の足、人力三輪車タクシー「Cyclopolitain」が颯爽と街を駆け巡る

Cyclopolitain: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by e_velo

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ベトナムの「シクロ(Cyclo)」やタイの「トゥクトゥク(TukTuk)」など、三輪車型タクシーは東南アジア諸国の風物詩として知られているが、こちらの画像は東南アジアから遠く離れた仏リヨン(Lyon)の街角でのひとコマ。リヨンでは、フランスの他地域に先駆けて2003年から、環境に優しく実用的な三輪車タクシー「シクロポリタン(Cyclopolitain)」のサービスが始まっている。

市民の新しい交通手段になりたいとの思いから、「シクロ(三輪車)」+「メトロポリタン(市民)」=シクロポリタンと名づけられたこの三輪車タクシーは、リヨンで始まり、現在パリ(Paris)、ニース(Nice)、グルノーブル(Grenoble)、ボルドー(Bordeaux)など仏10都市で展開中だ。

以下の動画で紹介されているとおり、この”タクシー”には2名まで乗車することができ、「Cyclonaut」と呼ばれるドライバーが指定した場所まで連れて行ってくれる。1人1kmあたり1ユーロ(約135円)というバス運賃並みの低価格で利用できることから、手軽で便利な交通手段として活用されているほか、Cyclonautがガイドをしながら三輪車で市内を巡るサービス「Cyclotours」も観光客に人気だ。

シクロポリタンは、実用的かつ環境負荷の低い交通手段を都市部に導入しようというコンセプトから生まれた。ドーム型の屋根がついた三輪車は、軽いながら丈夫で、電動アシスト機能が装着されているため、乗り心地はよい。平均時速13キロ程度と通常の自動車タクシーよりスピードは遅めだが、入り組んだ路地では自動車よりも小回りが効き、自転車レーンなどをうまく活用すれば自動車の渋滞をスルリと走り抜けることができる。都市部での短距離移動には実に効率的だ。

また、この人力三輪車タクシーは新しい広告メディアとしての活用の余地もある。電車・バスなどの他の交通広告に比べて移動速度が遅く、歩行者との距離もより近いことから、ターゲット顧客へのリーチが期待できるというのだ。環境に優しいタクシーサービスという特徴から、広告掲載企業における環境意識のアピールにもつながるかもしれない。

日本でも、終戦直後「輪タク」と呼ばれる自転車タクシーが広く普及していた。1952年あたりから利用されなくなったそうだが、2002年に「ベロタクシー(Velotaxi)」という三輪車タクシーサービスが営業を開始するなど、近年、環境に配慮した交通手段として改めてその価値を見直されている。

さて、これから街路樹も色づき始める季節。普段見慣れているはずの街並みも三輪車タクシーで走ってみると新たな発見があるかもしれない。一度、この環境に優しいタクシーを体感しがてら、出かけてみてはいかが?