グリーンビジネス

【Blog Action Day 2009】森林保護をビジネスに。ノルウェイの民間企業がチャレンジ中

熊谷 桃子 2009/10/16



Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by doug88888

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タンザニア南部の高地に広がる荒廃林地。そこではもう10年間以上、森林再生事業が続けられている。社会事業?いえいえ、れっきとした営利事業です!

この事業を運営するのは、Green Resourcesというノルウェイの民間企業。約3,000人の従業員を抱え、モザンビーク、スーダン、タンザニア、そしてウガンダで事業を展開している。会社を支えているのは、同社が所有する14,000ヘクタールを超す広大な森林。そこで木々を育てることで、排出権や再生エネルギー、木材などの「商品」を生んでいる。社名のとおり、グリーンな資源の活用で経営が成り立っているのだ。

greenresources
Green Resourcesのホームページ

2008年には、1年間でなんと4,200ヘクタールの土地を森林に変えてしまったというGreen Resources。でも、植林事業や環境保全事業はまだまだ続く。同社には、あと20万ヘクタール以上もの広大な所有地がある。

Green Resourcesは、事業戦略に『持続可能な発展』を組み込んでいる。植林事業に力を入れるのは、それが農村部で生活する人々の社会的・経済的状況の改善をはかるための最も効率的な手段の1つだと考えているから。もちろん、その事業はFSC基準に沿って管理され、地元コミュニティの人々によって運営されている。

今年7月、Green Resourcesがタンザニアで実施している森林再生事業の一つ、Uchindile-Mapanda森林プロジェクトが、VCS(Voluntary Carbon Standard)という排出権認証を取得した。VCS認証を取得した森林事業は、なんと世界初!

クリーン開発メカニズム(CDM)認証という排出権認証があるが、VCS認証は、その手順や基準を簡略化したもの。既存の排出権取引制度に基づく仕組みであっても、事務局に認定されれば、認証取得できる。つまり、比較的に、排出権認証を取得しやすい制度といえる。

VCS認証によって、Green Resourcesは99年間にわたって合計CO2排出量350万トン分の排出権を取得できる見込みだ。年内に、2002年から2008年にかけての活動に対する排出権(CO2排出量611,418トン分の見込み)の発行手続きをする予定。

Green Resourcesでは、植林事業で取得した排出権から得る収入は、カーボンオフセット事業や地域発展活動に投資される。ということで、今回のVCS認証取得で、Green Resourcesのサステナブルな事業活動は、ますます拡大していくだろう。

森林保護を、あえて非営利活動ではなく、ビジネスとして進めているからこそ、Green Resourcesは持続可能な社会づくりに貢献できている。低炭素社会における新しいビジネスモデルを、ここに見つけたような気がする。

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ライター紹介
熊谷 桃子

熊谷桃子(Momoko KUMAGAI)。子供の頃の夢は獣医になること。その夢の実現を目指して15歳でオーストラリアに単身留学。大学入学後、自分は理系ではない、と悟る。同時に、環境・社会問題に興味があることに気づき、環境生態学を学ぶ。卒業後帰国し、国連大学インターン、国際協力NPO職員、環境・CSR経営コンサルタントなどを経験。2006年末、チェコ共和国の世界遺産都市チェスキー・クルムロフを訪れ、その美しい街に恋に落ちる。帰国直後に見つけたチェコ共和国大使館の奨学金に応募・合格し、2007年10月よりチェコ共和国カレル大学に留学。チェスキー・クルムロフにおけるコミュニティ発展および欧米におけるコミュニティ・スクール活動について学ぶ。現在に至る。帰国後は、『地域』を『コミュニティ』に変える組織の設立を目指す。人生の目的は、自分の強みを活かして社会に貢献すること。