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学生が作った公共広告を中島信也さんら豪華審査員が審査するコンテストが開催!

greenz/グリーンズ Social CM Award 2009

さまざまな社会問題に対する意見喚起を促す公共広告、Social CMとも言われるこの広告は、映像が情報を発信する上で最も重要なメディアのひとつとなった現代において、非常に大きな影響力を持つ。今回、学生を対象にそんなSocial CMのコンテスト“Social CM Award 2009”が行われた。審査員には中島信也箭内道彦河尻亨一という広告業界で知らぬ人はいないだろうという3人が名を連ねたこのコンテスト、一体どんな作品が集まったのだろうか……

何はともあれ作品を見てもらおう。
大賞を受賞したのはこちら!

関西学院大学の伊納達也さんが作った「脱!もの文化」というCM、はっきり言って主張していることに新しさはないが、審査員の中島信也さんも講評で言っているとおり、映像センスが図抜けている。すべて自分でやったといことだが、カメラアングルや焦点距離、光の具合などすべてが完璧と言ってもいい出来だ。そして、新しさはないにしても、自分自身の体験を自分の言葉で語っているので、その言葉には説得力がある。自分の考えを映像を通して見る人に伝えるという目的は十分に果たすものだ。

こちらは優秀賞&一般投票賞に選ばれた「路上の壁」、映像表現は素人っぽいが、文字もセリフも使わず、言葉にまったく頼らない表現方法にはひきつけるものがある。

170という応募作品を散見した印象は、今ひとつ新しさを感じないということだ。語られるテーマも表現の仕方もどこかで見たような、誰かがすでにいったことのような印象を受ける作品が多い。「学生が」という発想にはどこかで若者が生み出す「新しさ」を求める面もあったのだろうがその目論見は外れたようだ。

しかしそんな中、河尻亨一賞のひとつに選ばれた「消える遊具」という作品はある種の気づきを与えてくれる作品だった。

遊具による事故が問題になり、公園から遊具が消えてゆくという現状をクレイアニメで表現する。そのイメージ喚起力は素晴らしい。そして彼ら自身が遊具が減り行く過程を経験した世代であるというところに実感が伴っているのだ。

やはり背伸びするより身近なところから社会を見つめること、これがいいSocial CMを作る秘訣なのかもしれない。学生が作ったものでなくとも、私たちの心に響くのはそんなCMだ。これはあくまで出発点、更なる経験が更なる良質なCMを生み、良質なCMが良質な社会へとつながる。

しかもこのコンテストを運営しているのはadoirという学生団体。公共性を重視して協賛をつけることもしていない。この精神はこの社会の未来を見つめるまなざしのあり方としてすごく希望が持てる。頑張れ!

Social CM Awardの受賞作や講評を見よう!