携帯一つで世界を救う!今、注目のソーシャルサービスはこれだ!(1)

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by dhammza

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携帯メールを使って、人権問題や発展途上国の問題、コミュニティの問題などに取り組むソーシャルサービスが続々と登場し、現場で活躍しはじめている。

先頃、カリフォルニアのサンノゼで行われたN2Y4 NetSquared Conference(注1)において、世界各地で行われている携帯電話を使った社会事業支援やコミュニティ支援のサービスが特集された(ここでは、そうしたサービスをまとめて「ソーシャルサービス」と呼ぶことにする)。NetSquaredは、ウェブをつかった社会事業についての情報交換を目的とした団体で、慈善団体から技術者まで様々なバッググランドを持つひとたちの集まりだ。スコール財団(注2)のブログニュースによると、今回、最終選考まで残ったサービスは大きくわけて、3つのトレンドがある。そのカテゴリーにそって、3回シリーズで、紹介していく。

注1)N2Y4 NetSquaredは、ウェブサービスを利用して、社会的な問題に取り組むひとたちの集まり。慈善団体やNPOの関係者から技術者まで、さまざまなバックグランドを持ったひとたちが集まり、技術やアイデアを共有するネットワーク。
http://www.netsquared.org/

注2)スコール財団は、インターネットオークション会社として有名なeBayの元社長であり、現在は社会事業家や映画プロデューサーとして知られるジェフリー・スコール氏の設立した社会事業のための投資や情報提供を行う財団。
http://www.socialedge.org/

人権の侵害についての報告や対応

まずひとつめが、携帯電話を使って人権問題についての報告や対応を迅速化させるサービスだ。人権問題は、被害者が弱者のことが多く、なかなか情報がでてこない。ましてや、発展途上国での出来事だったりすると情報インフラが整っていないし、国際的な注目も集まりにくい。そこで、携帯電話の出番、というわけだ。

Digital Democracy

digital-democracy

Digital Democracyの”Handheld Human Rights“プロジェクトは、ビルマ(ミャンマー)国境地帯で起こる暴力、レイプ、拷問、強制労働などの人権侵害を携帯電話から即座に送信し、情報をあつめていくものだ。携帯電話を使うことによって、さまざまな地域や組織から報告することが可能となる。また、集められた情報によって、国際的な関心が高まり、支援運動に役立てることもできる。

Ipeace

greenz/グリーンズ infogroup international
infogroup internationalは、Ipeaceプロジェクトをサポートしている団体

Ipeace は、アフリカのコンゴ共和国における戦争犯罪や人権侵害を報告するために、ジャーナリストや人権活動家、科学者、そして市民が利用できるオープンソースの携帯向けプラットフォームである。このプラットフォームは、J2MEコードを利用しており、Java対応している多くの携帯電話で動かすことができる。告発者の匿名性が保たれるため、安全に情報を発信することができる。政府や国内外のメディア、NGOなどと協力しながら活用されているようだ。

IJCentral

greenz/グリーンズ ijcentral

IJCentral は、携帯電話やブログ、ウェブサイトなどで市民参加を促し、国際犯罪に関する情報を集め、また理解を高めていくプロジェクトだ。携帯電話を使って国際法についての議論を広めたり、IJCのネットワークを可視化していくプロジェクトなど、携帯電話を活用するキャンペーンを活発に行っている。また、“The Reckoning: The Battle for the International Criminal Court”という映画を作ったりするなど、様々な活動を行っている。

SlaveFree

greenz/グリーンズ SlaveFree

SlaveFree は、奴隷労働をなくすために、消費者がメーカーに対して働きかけていくことを可能にしている。ウェブサイトでは、消費者がカメラや携帯、ウェブを使ってアップロードした、SlaveFreeのラベルがついた製品をみることができる仕組みになっている。企業が安いコストを求め、消費者が安い商品を求める裏には、過酷な状況下で労働を余儀なくされるひとたちがいる。世界では、昨年だけでも320億ドルの人身売買が行われ、2000万人が強制労働を強いられていると言われている(国連ワーキンググループ)。SlaveFreeは、こうした現実も積極的に伝えている。

人権侵害や戦争犯罪の被害者は、これまでお金も権力も情報手段も限られていた弱者だった。しかし、携帯電話を使うことで、苦しい状況を確かに変えることができている。携帯電話を持って、人権侵害や犯罪にたちむかっているひとたちが、世界のどこかにいる。私にとっての携帯電話のイメージが、すっかり変わってしまった。次回は、途上国の情報が乏しい地域などに、農業や医療などの情報を携帯メールを使って届けるサービスについてのまとめをお届けする。