グリーン・レストラン協会、プラス思考の認証制度で飲食業界をもっとエコに

Green Restaurant Association

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巷に溢れる業界特化型のエコラベル。でも、私たちがデイリーに利用するあるサービス業に特化したエコラベルが、日本にはまだないことに気がついた。

FSC認証(林業)、MSC認証(漁業)、エコファーマー認定(農業)、MPS認証(花き業)、グリーン経営認証(運送業)、グリーンエネルギー認証(電力業)、グリーンキー認証(宿泊業)、LEED認証(建築業)、バタフライロゴ(印刷業)、グリーンプリンティング認定(印刷業)……。ざっと調べただけでも、こんなにたくさんある業界特化型エコラベル。でも、意外や意外、飲食業に特化にしたエコラベルが、日本ではまだ登場していないようなのだ。

一方、アメリカでは、Green Restaurant 4.0というグリーンレストラン認証制度がリニューアルしたばかり

グリーンレストラン認証制度を運営しているのは、グリーンレストラン協会(GRA)。もうすぐ創立20周年をむかえるアメリカのNPO団体だ。飲食業界に対して、環境アセスメント、環境コンサルティング、認証取得支援、そしてグリーンマーケティング支援をしてきた。


GRAがKendall Collegeと共に作成した教育ビデオ

認証制度というと、「~しなければならない。」が並ぶ堅苦しいイメージがつきまといがち。その点、Green Restaurant 4.0は、プラス思考の加算式。最低基準となる共通要件をクリアすれば、あとは店の方針やスタイル、サービス内容などに合った分野の環境活動を展開していけばいい。そして、それらの活動に期待される環境影響度によって、ポイントが積み上げられていく。たとえば、お手洗いにペーパータオルを置かない場合に加算されるのが2ポイントであるのに対して、コンポスト実施によって加算されるのは17.5ポイント。

総ポイント数によって、認証レベルが変わってくる。まず、100ポイントをクリアすれば、2つ星として認証される。そして、175ポイントで3つ星、470点で4つ星、とレベルアップしていく。認証取得済みのお店も、モチベーションをもって環境への取り組みを継続していけそうだ。

greenz/グリーンズ gr-star
by GRA

さて、Green Restaurant 4.0では、どんな取り組みが「グリーン」だと認められているのだろう。認証取得条件の中身を見てみよう。

まず、最低必要条件として、
・リサイクル推進プログラムの実施
・従業員に対する年間環境教育の実施
・発砲スチロールの全廃
がある。

そして、認証の対象となる環境への取組が、以下7つのカテゴリに分類されている。
1. 効率的な水利用(雨水利用 4.25ポイント、センサー付き自動蛇口 1.5ポイント、など)
2. ゴミ削減とリサイクル(段ボールのリサイクル 8ポイント、週1回以上のフードバンクへの寄付 5ポイント、など)
3. 持続可能な建築材と設備(FSC木材や再生材など持続可能な材料でできたテーブル 3ポイント、など)
4. 持続可能な食品(半径160キロ内からの非加工食品の調達 40ポイント、など)
5. 効率的なエネルギー利用(エアコン利用なし 10.5ポイント、お手洗い内のセンサー付き電灯 2.25ポイント、など)
6. 使い捨て食器類利用の低減(再利用可能なハンドタオル 6.5ポイント、など)
7. 化学物質利用の低減と公害防止(低VOC床 2.5ポイント、バイクや徒歩での配達 13ポイントなど)

greenz/グリーンズ gr-requirements
認証取得に必要なポイント配分 by GRA

ずいぶん細かい項目と配点なので、どんなガイドラインを参考にしているのか気になり、GRAにメールしてみた。そして、コミュニケーション・マネジャーのColleen Oteriさんより、こんな返信をいただいた。

今回の認証基準改定にあたり、約2年にわたって調査と研究を重ねました。まず、USDA(アメリカ農務省)の有機農業基準や、モントレー水族館ブルーオーシャン研究所の水産関連基準など、様々なガイドラインを参照しました。そして、ガイドラインが見つからなかった項目に関しては、自分たちの調査をもとに独自の基準を設定しました。たとえば水洗便器の水利用については、1度の洗浄につき1.6ガロン(約6.4リットル)というのが一般的な基準ですが、GRAでは1.28ガロン(約5.1リットル)を提案しています。

もう1つ気になるのは、認証取得までにかかる費用。この点については、店舗サイズや取得支援サービスのレベルによって異なるそうだが、平均で年間約千ドルとのこと。取得支援サービスをあまり必要としない環境意識の高い店の場合、数百ドルで済むこともあるそうだ。

今のご時世に年間千ドルの出費は大きいというも挙がっている。GRAによると、認証済み店舗の多くが、ゴミの削減や省エネ、節水などによって、それをカバーするだけの経費削減を実現している。その他の効果として、従業員の定着率向上、職場環境改善、メディア露出度向上なども報告されている。新しい環境法規制や条例への対応に慌てずに済む、というのも、大きな利点の一つだ。でも、店にしてみれば、せっかく時間とお金を費やすのだから、売上アップにつなげたいところだろう。

そう考えていくと、わたしたち消費者の責任は大きいな、と思う。企業の社会や環境への活動を把握して、それをふまえて買い物をしたり食事をしたりする。そういう意識がわたしたちに求められているのではないだろうか。

あちこちで目にするエコラベルは、企業に対して環境への取組基準を示すものであると同時に、消費者に対して購入基準を示すものでもある。当たり前のことなのに、この記事を書いていて、それを初めて意識したような気がする。