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グリーンビジネス

オランダを救うのは鶏のフン!?大規模バイオマス発電所が運転開始!

熊谷 桃子 2008/12/15

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by adwriter

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オランダでは、年間約120万トンの鶏のフンが発生するという。その大量のフンは、国外での処理を必要とする厄介な「ゴミ」でしかなかった。つい数か月までは。

それが今では、オランダにおいて、鶏のフンは「資源」に逆転!

このパラダイムシフトを生んだのは、9月にMoerdijk(ムールダイク)で運転開始した大規模バイオマス発電所。発電能力は3.65万キロワットで、フンを利用するバイオマス発電所としては、世界最大級だ。年間44万トンの鶏のフンを処理して、約9万世帯分に相当する約2.7億キロワット時の電力量を発電する。

さて、年間発電電力量約2.7億キロワット時というのは、どのくらいの規模だろう?10月に運転開始した鹿児島県の長島風力発電所と比べてみよう。

長島風力発電所は、21基の大型タービンから成る国内最大級の風力発電所。年間発電電力量は、1億キロワット時と想定されている。Moerdijkのバイオマス発電所は、44万トンの鶏のフンで、大型タービン約60基と同じくらいの電力量を発電するということだ。

Moerdijkのバイオマス発電所からのアウトプットは、電気にとどまらない。発電所で処理された鶏のフンは、リンやカリウムなどの栄養分を豊富に含む灰となり、肥料として土に戻る。カーボン・ニュートラルかつゼロ・ウェイストの発電所なのだ。

この大規模バイオマス発電所は、約1.5億ユーロ(約185億円)を投じて建設された。そんな大金をバイオマス発電に費やすなんて、オランダはエネルギー資源に乏しい国なのか?と調べてみたところ、その反対だった。オランダは、EU加盟国の中で2番目の天然ガス生産国であり、大量ではないものの、石油も生産している。

オランダは、再生可能エネルギー技術の導入に積極的だ。資源の枯渇や気候変動などについて、長期的視野を持っているからだ。同国の経済産業省が発表した「エネルギー・リポート2008年版」によると、2020年までに再生可能エネルギーの消費比率を20%まで引き上げるという目標が掲げられている。

Moerdijkのバイオマス発電所を建設した電力会社、DELTA社は、今後も再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいく姿勢を示している。政府の目標が、エネルギー業界にも浸透しているということだろう。

日本では、6月に「福田ビジョン」として、2020年までに「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上に引き上げる、という方針が発表された。でも、この「ゼロ・エミッション電源」には、原子力が含まれている。

5月に資源エネルギー庁が発表した「長期エネルギー需給見通しのポイント」を読んでみると、2030年における再生可能エネルギー(水力・地熱発電を含む)の一次エネルギー供給の目標は、たったの11.1%。太陽光発電の導入には積極的に取り組む姿勢を示しているけど、その他の再生可能エネルギーには、どちらかというと消極的であるように見える。

農林水産省のデータによると、日本では、年間約1300万トンの鶏のフンが発生している。オランダの約10倍の量だ。これに牛と豚のフンを合わせると、約9000万トンもある。そのほとんどはたい肥化されているようだけど、エネルギー資源として見直してもいいのでは、とは思いませんか?

熊谷 桃子

熊谷桃子(Momoko KUMAGAI)。子供の頃の夢は獣医になること。その夢の実現を目指して15歳でオーストラリアに単身留学。大学入学後、自分は理系ではない、と悟る。同時に、環境・社会問題に興味があることに気づき、環境生態学を学ぶ。卒業後帰国し、国連大学インターン、国際協力NPO職員、環境・CSR経営コンサルタントなどを経験。2006年末、チェコ共和国の世界遺産都市チェスキー・クルムロフを訪れ、その美しい街に恋に落ちる。帰国直後に見つけたチェコ共和国大使館の奨学金に応募・合格し、2007年10月よりチェコ共和国カレル大学に留学。チェスキー・クルムロフにおけるコミュニティ発展および欧米におけるコミュニティ・スクール活動について学ぶ。現在に至る。帰国後は、『地域』を『コミュニティ』に変える組織の設立を目指す。人生の目的は、自分の強みを活かして社会に貢献すること。

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