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〈緑化プロジェクト「5×緑」で都市回復〉 里山のやすらぎをお届け!

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photo by GOBAI midori

里山のやすらぎと美しさを身近に

自宅のベランダ、ショップ、オフィスのファサードやテラス…。ちょっとしたスペースに置くだけで、手軽に美しい緑空間を作ることのできるシステム。それが、この「5×緑(ごばいみどり)」

「5×緑」と表されたこのシステム、「フトンカゴ(GABION)」と呼ばれるカゴのなかに人工土壌「アクアソイル」を入れ、植栽をほどこしたもの。4つの側面にも緑を植え込めるようになったので、従来のプランターに比べて同じ設置面積で5倍の緑化が可能になったのだ。

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この5×緑を支えるのがフトンカゴ工法。土木工事で使われる金網でできた直方体のカゴは、コンクリートやブロックに比べサイズやデザインの自由度が高く、軽量で施工が容易なのが特長。積み重ねたり、好みの場所に移動したりと、いろいろ楽しめるのが嬉しいところ。

また、植えられる植物は日本人の原風景にある在来植物。4側面にはツル植物や芝、上部にはアゼターフ(あぜ道の植生)、さらに在来種を中心に園芸品種も。環境・品質管理が行き届いた白河とつくばのコラボレーションナーサリー(種苗園)による生産・供給をしている。多様な植生なので虫や細菌の大量発生がおこりにくく、在来種が中心で健康を維持しやすい。植物による空気の浄化だけでなく、薬剤や肥料不要の植生地ができるので雨水の浄化にもつながるのだ。しかもその姿。里山ののびのびした雰囲気を、そのまま切り取ってきたかのよう!

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さらにアクアソイルは、黒土に比べ軽量で保水力が高く劣化しないことが特長。決して肥沃ではないが、花崗岩の砂地層と岩盤層でできた屋久島の屋久杉のように粗食でも元気に長生きできるのだ。

近年、都市では土壌劣化や薬剤による汚染、植物相の単純化などが進み、健康な植生は衰退のいっぽう。ヒートアイランド化やCO2の増加の原因のひとつともなっているのは否めない。だからこそ、緑を増やすことが大切。でも、ただ緑を増やすだけでなく、里山の自然のように、多様で健康な植生を取り戻したら……。都市環境の「回復」につながるのではないだろうか。