東京国際映画祭もついにエコに!今年はレッドではなく“グリーン”カーペット

greenz/グリーンズ TIFF2008ポスター

copyright 2008 TIFF

第21回を迎え、すっかり東京の秋の風物詩となった東京国際映画祭が今年も10月18~26日まで六本木ヒルズ他で開かれる。公開がすでに決まった大作の特別上映が多く、「有料試写会」とのそしりを受けることもあるが、日本最大の映画祭だけあって、コンペティション部門で上映される作品の質の高さには定評がある。しかも今年は「Action for Earth」という標語を掲げ、エコロジーをテーマとしているというからこれは無視できない。

今年の東京国際映画祭のポスターは緑の地球がモチーフになり、スターや監督たちが歩くレッドカーペットはペットボトルをリサイクルして作った“グリーンカーペット”になって、まさに“グリーン”な映画祭となる。さらにはエコロジーを切り口とした「natural TIFF」という特集上映を企画、映画から「自然と人間との共生」を考える作品群を新旧織り交ぜて上映するという。果たしてどんな作品がラインナップされているのか見てみよう。

新作は全部で10本。まず注目したいのは『アギーレ神の怒り』などの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークが自ら南極へ行き、そこに生きる人々と動物をとらえたドキュメンタリー『世界の果ての出会い』、激変する南極に鬼才といわれた才人は何を見るのか。

greenz/グリーンズ 世界の果ての出会い
『世界の果ての出会い』

日本からの作品では、西表島の染色作家石垣昭子さんとその夫の金星を追ったドキュメンタリー『島の色 静かな声』に注目。自然との共生、独自の伝統文化、小さなコミュニティでの暮らしなど、グローバル化に抗うためのヒントが豊富に見られるのではないかと期待できる。劇場公開予定だった映画館が閉館となってしまったため、見られる機会もあまりないかもしれない貴重な作品だ。

greenz/グリーンズ 島の色 静かな声
『島の音 静かな声』

旧作では『不都合な真実』『アース』といったヒット作も上映されるが、中心になるのは日本映画の名作。小川紳介監督の『ニッポン国古屋敷村』、土本典昭監督の『不知火海』、佐藤真監督の『阿賀に生きる』といったドキュメンタリーの名作に加え、黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』、深作欣二監督の『復活の日』といった巨匠の作品、さらには『ゴジラ対へドラ』『極底探険船ポーラーボーラ』なんていう異色作まで幅広い内容になっている。

その中で注目したいのは1982年の日本映画『マタギ』。マタギの平蔵がかつて自分に深手を負わせた伝説の巨熊と対決するというドラマだが、私は子供のときに見てえらい怖かったという個人的な思い入れがある。でも、だからこそ今見たら何か新しい発見があるんじゃないかという気がするのだ。

greenz/グリーンズ マタギ
『マタギ』 copyright 株式会社 青銅プロダクション

映画のいいところは、堅苦しく考えるだけではなく、楽しみながらもさまざまなことを考えさせられるという点だ。映画祭というお祭りだし、難しく考えずにピンと来た作品を見れば、きっとそこから新しい何かが生まれるはず。この特集以外の作品でもエコロジーや地球について考えられる作品はたくさんある。ぜひともなるべくたくさんの作品を見ていろいろなヒントを見つけて欲しい。